バイトを始めたり少しスランプ気味になってしまい更新が遅れました。
どうにかして年内にはバビロニアを終わりたいですね。
では、本編どうぞ。
「あのさぁ…俺、前回覚醒して帰って来たじゃん?これから戦闘面において無双するところを見せるところじゃん?なのにさ現世に戻ってきて最初にやることが…
どうして飯作らないといけないんだよ!!!!
他に料理出来るやついるだろ!?」
「まぁまぁ。出流は料理長、星奈はコックのコピー能力でやってるし、楓もなんか…団子作ってるし。」
「なんで団子???いやまぁ作ってる分には良いんだが…」
話は数刻前に戻る。
ケイオスタイドに侵食され、死ぬまで秒読みだった理玖が能力覚醒のおかげで助かった。それについては皆喜んだ。…だけど。
「…とりあえず、君はもう油断しない事。今回の件も君の油断が招いた事だ、次…が無いことを祈るけど、もう絶対油断しないように。次に出流。簡単に仲間を切り捨てるな。結果論にはなるけど、星奈にケイオスタイドを取り除いてもらえば良かっただけ。星奈のカービィの能力は例え人体に悪影響があったとしてもそれはそれでコピー能力になるんだから。分かったね?」
「…はい。」
「不徳の致すところでござんす。」
「出流?」
「何も言っておりません。」
ローアに戻り、ガチ説教されていた。
冥界に復活した理玖はポケットワープという自身の設定した任意の場所にワープすることが出来るシーカーストーンの機能でローアに帰還。その後ウルクに戻るがそこで絵留、創真に割とガチな説教を受けることになったのだ。
「あー、分かった。もう油断はしない。それで、今の時系列はどこなんだ?エレシュキガルが話していたから多分グガランナないぞシーンの前?」
「その通り。」
「あー、となるともういよいよ最終盤面だな。気合い入れるか。」
「本当に分かってるのか?…まぁいいや、とりあえずウルクに戻るぞ。」
「うーっす。」
「へーい。」
「すまない、説教から戻っ…」
「…はい。ありません、グガランナ。」
「…タイミング悪かったな。もうちょっと説教してくる。」
「創真、多分後から来ても変わらんと思う。」
「…だよなー。」
「…こ、こ、このバカ女神め!何のために貴様をスカウトしたと思っている…!…ハァ、予想外の展開になった。あと一歩というところで作戦がまとまったというのにな。」
『万策尽きてしまったね…』
「…すまないが誰か状況を説明してもらえる?グガランナ無くしたのは…まぁ聞いたが、なぜグガランナが必要なのか分からない。」
「…そういえばお三方は席を外していらっしゃいましたね。エレシュキガルさんの力で冥界をここの地下に移動させていたのですが、完全に移動し切るまでの時間稼ぎとしてグガランナが必要…だったのですが。」
「なるほど、それが無くなった、と。うーむ、俺らが防いでも駄目か?」
『今までの君たちの能力を加味したとしても時間がどうしても足りない。それどころか泥に飲まれてしまえば一巻の終わりだ。』
「…OK。」
「…よい、解散だ。作戦会議は一旦休憩とする。未だ対抗策は出ておらぬが焦るのも愚の骨頂。藤丸の疲労も限界だろう。このあたりで骨休み、というヤツよ。」
「え?まさかのオフ?」
「夜明けまでの短い時間だがな。これがウルクの最後の休暇となろう。各々、十分に英気を養っておけ。」
「…ふむ、だったら料理を作ろう。材料は理玖がたくさん持ってるしな。」
「ん、あ、なんて?俺?」
「シーカーストーンの中身出せ。何かしらの料理くらい作れるだろ。」
「え、いや英気を…」
「お前はほとんど全開だろうがよ!」
「ほどほどにしておけ。明日を生き延びるためだからな。」
「何?エレシュキガルの指定と冥界の地図とが一致しないだと!?冥界の資料ならば祭祀場の資料庫にある!急いでかき集めてこい!」
「わ、私らも手伝おう!コピー能力ミラー!」
「む、…貴様ら、少しばかり席を外せ。カルデアの使者が来た。ちょうどいい休憩だ。三時間ほど眠っておけ。後は我とリィンカーネーションズとやらがやっておく。」
そう言うと兵士は下がっていく。
「少しはマシな顔色になったな、藤丸立香。その様子ならば明日はいっそう酷使できるというもの。それで、今夜はなんだ?殊勝にも最後の挨拶に来たか?」
「最後にはなりません。生きて…ティアマトを倒します。」
「フッ、言うではないか。これは我も一本取られたな。それで、なんだ?よもや本当に挨拶に来ただけか?」
「それは…」
「阿呆め。雑種なりに責任を感じているようだな。『ウルクは滅びた。多くの市民が死んだ。全てはティアマト神を解放した自分のせいだ』、か?愚か者め、そのような慙愧、千年早いわ。そも、思い違いも甚だしい。」
「え?」
「マシュ、貴様は生き残ったシュメルの民を、たった五百人だと言ったな。それは違う。五百人も残った、が正しい。なにしろ以前我の見た『今』は違った。この局面においてウルクに残ったのは我ひとり。だが今は違う。確かに終焉は変わらぬ。ウルクの滅亡はもう変えられん。しかし、五百人もの命が残った。たとえ明日には全て死に絶えるとしても。最後のこの地点に、それだけの人間が残ったのだ。我は、それを偉業と考える。」
「…ギルガメッシュ王。貴方はやはり知っていたのですね。この結末を。ウルクが滅びる事実を知っていた。その上で。これまで戦ってきたのですか?」
「そうだ。魔術王めが聖杯をこの時代に送り、ティアマト神が虚数世界より引き出された。その時点で我は未来を視り、民達に伝えた。だがその後の事は語るまでもない。貴様たちは見てきたのだからな。」
「ギルガメッシュ王ー!冥界の地図見つけ…あ、カルデア。」
「よくやった。…さて、藤丸立香よ。我はな、女神たちは倒さずともよいと思っていた。アレらを倒したところでティアマト神は現れる。三女神どもは同時に共に自滅するという確信もあった。だが、貴様たちは民を助け、この地を愛しみ、女神どもとの対決を選んだ。それがこの結末を招いたのだ。本来死ぬべきだった五百人もの命を救った。それは誇って良い事だ。決して無駄な事ではない。…ロマニめは休んでいるようだな。であれば、余計な口を挟むとしよう。人理と特異点の話だ。リィンカーネーションズのピンクよ、貴様も聞いておけ。」
「ピンクゥ!?そんな覚え方されてたの!?」
「騒ぐな。…貴様たちはこれまで六つの特異点を旅してきた。特異点では多くの戦いがあっただろう。」
星奈が思い出すのはそれぞれの特異点で戦った強敵。
「しかし聖杯を回収し、人理定礎を修復すればその特異点で起きた損害はすべて無かったことになる。そう教わったな?」
「はい、特異点で起きた出来事は人理定礎さえ解決すればその時点ですべて修復され、私たちの活動は誰の記憶にも残らない、と。」
「それは虚言だ。事実はそうではない。死した命は戻らぬ。無かった事になどなるものか。」
「な…それでは話が違います!特異点は間違った歴史です。そこで起きた損害が人類史に反映されれば、もうそれは違う歴史になってしまうのでは!?」
「そうではない。そうではないのだ。単に辻褄が合うだけなのだ。」
「…死んだ者はその死に方がどうであれ、人類史に合う死に方になるのか。」
「そうだ。邪竜に殺された、なら獣に殺された、として扱われるだけだ。それはこのウルクも同じ。たとえティアマト神を倒し、特異点を解除したとしても…ウルク第一王朝は滅びる。それが神によって滅ぼされたのか、衰退によって後に譲ったのか。解釈が変わるのみよ。」
「そ、それじゃ…今までの戦いは…」
「ああ。何もかも無かった事ではない。胸を張れと言っただろう。貴様たちは、多くの命を本当に救ってきたのだ。何もかも元に戻るから、などという考えに惑わされず。目の前の命を頑なに不器用に救ってきた。その結果がウルクの今だ。貴様たちの選択には、すべて意義があったのだ。」
「だいたいだな、自然界において犠牲のない繁栄など有り得ん。損益はつねに合っている。多くのものが失われ、多くのものを築き上げる。魔術王めが聖杯で世を乱さずともそれと同じだけのマイナスがある。その天秤の善悪はその時代の道徳が計り、最終的価値は歴史となって後の世で、裁定される。人類史とはそのように続くもの。…藤丸立香。」
「は、はい!」
「貴様が何の為に戦い、何を護り、どのような人間だったのかは、我にも貴様にも計れぬ。それは貴様の後に続く者が知る事。であるならば、今は自らが良しとする道を行くがいい。」
「…はい。」
「心に命じます、ギルガメッシュ王。」
「…そして、それは貴様らにとっても同じことよ、リィンカーネーションズ。輪廻を外れてまで何をしたかったのかは我は聞かん。それに貴様らは未来を知る術がある。貴様らの事だ、最悪を回避する為行動してきたのだろう。そしてそれは特異点を修復した後も。ならば、最善を目指せ。貴様らにはそれを為せるだけの力がある。」
「…分かった。」
「ハァ、最後まで不敬な奴らよ。」
「ありがとう、ギルガメッシュ王。」
「よい、気にするな。何を隠そう、我も自分の国を滅ぼした事がある。」
「え!?」
「不老不死の探究にかまけてな。放浪した挙句、釣果なしで国に戻ればそこは廃墟同然。王の不在に呆れた民たちは他の都市に移り住んでいた。残っていたのはシドゥリぐらいなものよ。そのシドゥリも恨み節全開でな、ははは。これはまずい、とウルクを立て直す事にした。我も新しい目的を探していたところだ。かくして我は城塞都市を考案し、ウルクを今日の姿まで復興させた。…ふん、ここまで長かったようで、短かった。一瞬の、夢の名残のようなものだ。だが反省したわけではない。未来永劫、我の在り方は変わらぬ。王は民のために生きるにあらず、しかし民は王のために生きるもの。では王は何の為に生きるのか?言うまでもない、王が良しとする喜びのためだ。しいて言うのであれば、我は我を喜ばせるもののために、このウルクを治めてきた。そのうちの一つに貴様らの足掻きようがあっただけだ。我を愉しませるものとしてな。まだ結末は見えていないがこの時点で及第点をくれてやる。明日はいよいよ大詰めだ。しっかりと眠っておけ。最後の戦い、楽しみにしているぞ?」
「はい。…100点を見せてやります!」
「桃瀬星奈よ、貴様らも休め。貴様らは一人一人が重要な戦力。ここでしっかりと休め。他の者にも伝えろ。」
「分かりました!」
そして、夜が明ける。
次回、決戦。
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それでは。