転生者たちで行くFGO   作:よっしぃぃぃい

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遅くなってすみません。
とりあえず2月中には第一部終われるよう頑張ります。


ビーストII 迎撃作戦

「キキ…!キキキキキキキキキ!面白イ!下ラナイ!女神フタリデアノ始末!十分!十分!タッタ十分!ホンノ少し!瞬キホドノ足止メダッタ!」

 

ベル・ラフムの笑い声が響くがすぐに身体を切り裂かれバラバラになる。

 

「学がないね。神の数え方は二人、ではなく二柱だ。本当に新人類とやらなのかい?もしかして君達こそが本当の失敗作なんじゃないの?」

「…意外と辛辣よな、貴様も。それはそうと低脳なのは同意する。あれは考え得る中で最大の戦果だ。…女神にもマシな連中がいるのだな。」

「確かに神に碌なものがいないのはそうだけど少しは良いやつもいますよ?正直者に優しい『金の斧と銀の斧』の湖の女神とかね。」

「創作であろう?…貴様にとっては違うかもしれんが。」

「…そうですね。確かに僕にとっては創作の物語であっても他の皆とは見方が違う。むしろ、誰よりも近いと自負している。だからこそ…こうして転生の裏にも気づくことが出来たし。」

「それはそうとやはり時間が足りぬな!どうなっている、駄目な方の女神よ!ケイオスタイドの道はできた!ティアマト到達まであと二時間もなかろう!冥府の門の施工はどうなっているか!」

 

その場にエレシュキガルの声が響く。

 

『無理言わないで!急ピッチで魔力を倒しているけどとにかく広すぎるの!冥府の路を壊すつもりで強引に進めても位相を合わせるのが精一杯!とてもじゃないけど門を開ける作業には入れないわ!』

「ぬぅ…!やはりそうなるか…結末は変えられないと?」

 

「…違いますよ、ギルガメッシュ王。」

 

絵留がポツリと呟く。

 

「どれだけ薄い道であろうと。どれだけ希望がなくても。僕達はその未来を変えるためにここに来た。譲れないもののためにね。」

 

「…そうだな。そのためにあやつらは今も駆けている。ならば、いいだろう!来るがいいティアマト神!このウルクの全てを以て、貴様を虚数世界に叩き返す!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…戻ったか。時間にして半日ぶりか?つい先ほどの事のように思えるが、さて。見るがいい、ウルクの全容を。これがあと一歩で地上から消え去る、一つの世界の終焉だ。」

 

藤丸が戻ると、ギルガメッシュにそう言われる。

改めて街を見渡すと、どこからか引火した建物、崩れた建物、流れるケイオスタイド。…そして大量のラフムの姿があった。

 

「ケイオスタイドが市内に…!大使館も…!」

「……酷いわね。私もウルクには色々八つ当たりをしてきたけど、ここまでする事はないじゃない…ティアマト神はそこまで人間が憎かったの…?」

「分からぬ。あの獣の声は我らには届かぬからな。そもそも、アレに意思はないのではないか?あれはただ在るだけで世界を滅ぼす機構。人類悪の一つになった時点でお前が父神から聞いていたティアマト神ではなくなっていたのだろうよ。」

「…っ、じゃあどうすれば母さんは止まるの?憎しみを晴らす相手もないのなら止めようがない。」

 

そこにラフムの攻撃で吹っ飛ばされた楓が転がり込んでくる。

 

「っ、やっと帰ってきた!なんか話してるところ悪いけど、手を貸して!私達だけではアイツらを押さえ込めない!」

「…そうだな。来たぞ、我らが母のお出ましだ。」

 

ついにウルクにティアマトが踏み込む。叫び声とも、歌い声ともとれる声を発しながら少しずつ侵攻してくる。

 

「イシュタル、貴様は上空に流れよ!せっかく飛べるのだ、天の丘に留まる理由はない!天の頂、この暗雲を抜けた太陽の真下にて待機せよ!おって指示を出す!リィンカーネーションズ、貴様らは先程までと変わらず遊撃に徹するがいい!藤丸はそこで慢心せず注意しつつ見ているがいい!…これがウルクの、ティアマトめに見せる最後の意地よ!」

 

ギルガメッシュがそう叫ぶと、ティアマトに向かって膨大な数の光線が放たれる。その一つ一つが膨大な魔力を帯びている。

 

『城壁に設置したディンギルからの一斉掃射!?でもどうやって!?兵士たちはもう…!』

「フハハ、我の魔力を舐めるな白衣!城門に設置したディンギル三百六十機、全て我が作り魔力を込め、統括するもの!死ぬ気でこの体を酷使すればこのように一斉に操れるわ!」

「でも起爆剤に相当するラピスラズリは!?あれをハンマーで叩いて砕かないとディンギルは光弾を発射できません!」

「ラピスラズリはあくまで魔力の代用品!起爆剤など我一人で賄えるわ!」

「すごい…!これが古代王の力…!」

 

「なら、もっと早くからやってくれませんかね!?」

 

出流が叫ぶ。

 

「馬鹿め、ここでティアマト神の足止めをするのだ、前々からしては意味がなかろう!」

「確かにそうだ!俺が考えなしだった!」

「もっと頭回しておけカス。」

「はぁー!?ティアマト神を仕留め切れなかったって掲示板で言い訳してたやつが何をほざいてるんですかねぇ!?」

「そこ!言い合いする暇あるなら一体でも多くラフムを葬れ!」

「「イエスマム!」」

「俺は男だ!」

「そこじゃないんだよなぁ…」

 

理玖と出流が言い合いし、それを創真が止める。その一連の出来事を見た星奈が呆れる。

 

「本当にあやつらは…」

「まぁいいんじゃないですか、ギルガメッシュ王。シリアスなシーンでもそうやって空気をぶち壊してくれるのがリィンカーネーションズの良いところですよ。良い意味でも悪い意味でもね。」

 

絵留が言う。

 

…その時。ティアマトの目が赤く光る。

 

「…え、あの光…?」

「しまった、藤丸、よけ…!」

 

藤丸に当たる直前、前に躍り出た影が一つ。

 

「…狙撃とは小癪な。だが狙いはいい!やるではないかティアマトめ!」

「ギ…」

「「「ギルガメッシュ王!?」」」

「ハ、気にするな、致命傷だ!それより貴様だ馬鹿者!無事か!無事だな!ならば良し!」

「ギルガメッシュ王!今すぐ治療を…!」

「やめよ。貴様らはよく知っているはずだろう?」

「くっ…!」

 

そう、こうやって藤丸が狙撃されギルガメッシュが庇い致命傷を負うのは予定調和。特異点の修復の条件でもあるギルガメッシュの死にどうにもできない自分に苛立ちすらする。

 

「…それに貴様は誰よりも知っているだろうに。()()()()()よ。貴様ごときに心配されるほど落ちぶれておらんわ。」

 

そう言うとディンギルの勢いをさらに強くする。

 

「そ、その体でまだディンギルを撃つんですか!?止めてください、いくらなんでも、もう…!」

 

「無理と言うか?我は限界だと?もはやウルクは戦えぬと!貴様らはそう言うのか、藤丸!書空院!」

 

「…いや、違う。」

「…ウルクはここに、健在です!」

 

二人の返答に、ギルガメッシュは口角を上げた。

 

「よくぞ言った!では我もいよいよ本気を出すとしよう!なに、初めから全力だったが、見栄というものがある!貴様の生意気な言葉で目が覚めたわ!」

 

『…ティアマト、ウルク市内に到達!ジグラットまであと…あと、三分!加えて、ラフムの大量排出を確認!ティアマトの前にラフムの大群が来るぞ…!その数、八千匹以上!ジグラットの中に逃げるんだ!もうどうしようもない!』

 

その時、衝撃が炸裂する。

 

「…ガハッ、な、何が…!」

『ジグラットに直撃か!っ、二人とも意識が落ちている!』

「二人は気絶してるから代わりに聞くよロマニ・アーキマン!何が起こった!」

『ラフムが一丸になって体当たりだ!くそ、このままでは…!』

「ギルガメッシュ王は無事ですか!うん!見た感じ無事ですね!ロマニ、僕で出来るだけ防衛するけど二人が怪我しても恨まないでよ!」

 

「その必要はないよ。」

 

殺到してきていたラフム数十体が一瞬にして貫かれる。…鎖によって。

 

「ラフム残り二千。取るに足りない。」

 

さらに鎖を射出し一撃で数十体のラフムが絶命する。

 

「…フン、見たことか。心臓さえあればお前たちなんて話にならない。こんな量産型に手こずるなんて、旧人類は本当に使えない。それでよく、」

 

こちらを一瞥する。

 

「…よく、ボク相手に大口を叩いたものだ。カルデアのマスターも、龍の力を持つ少女も…アイツも。一人じゃ何もできないクセに、偉そうに胸を張って。それで最後まで生き延びた。……ふふ、自分一人でなんでも出来る、か。その時点でボクは完全じゃなかったな。」

「…キングゥ!?」

 

楓がその姿にびっくりする。

 

「キングゥ…!?キングゥ、ダト!?何故生きテいる!?何故稼働していル!」

「…そんなの、どうでもよくない!?」

 

ベル・ラフムを楓は蹴り飛ばす。

 

「…キングゥがどうしてか知らないけど、思ってたより万全な状態で来た!なら、その理由なんてどうでもいいでしょ!?」

「…君、ボクが味方になったと勘違いしてるようだけど、人間の味方になんてするものか。ボクは新しいヒト、ただひとりの新人類、キングゥだ。」

「…キングゥ。」

「だけど…」

「…?」

 

キングゥが俯く。

 

「…母親も生まれも関係なく。…本当に、やりたいと思った事を、か。」

「それは…」

「…ボクにはそんなものはない。なかったんだ。なかったんだよ、ギル。でも………思えば、一つだけあったんだ。」

 

さらに言葉を続ける。

 

「キミに会いたかった。キミと話したかった。この胸に残る多くの思い出の話を、その感想を、友としてキミに伝えたかった。でも、それは叶わない。それはボクではなく、エルキドゥという機体の望みだ。…そして、ボクの望みは今も昔も変わらない。新人類も旧人類も関係ない。ボクは、ヒトの世を維持するべく生を受けた。」

 

『ーーーーーAa、aーーーーーKinーーguーーー』

 

「さようなら、母さん。アナタは選ぶ機体を間違えた。…うん、アイツの言った事はよくわからない。でも…この体が。やるべき事を覚えている。」

 

そして、楓の方を向く。

 

「…旧人類、キミにも色々と言いたい事がある。だが…それを口に出すのはやぶさかというものだ。キミに頼むのは癪だが…後は、頼んだよ。」

「…分かった。」

 

魔力がキングゥの中心に練られる。

 

「ウルクの大杯よ、力を貸しておくれ。」

 

猛スピードでティアマトに近づく。

 

「ティアマト神の息子、キングゥがここに、天の鎖の筺を示す!母の怒りは過去のもの…今呼び覚ますは、星の息吹…!」

 

人よ、神を繋ぎ止めよう(エヌマ・エリシュ)!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あいたた…っは、無事、マシュ!?」

「…はい、衝撃で意識を失っていたようです。…っ、ティアマト神とラフムは!」

「見てごらんよ、アレを。」

「アレ…って、もしや…!」

 

目線を向ける。そこにはティアマトの侵攻を止める、黄金色の鎖があった。

 

「…これは、鎖…鎖状のものがティアマト神を拘束しています…一体何が…?それに、どのくらいの時間が経ったのでしょうか…?」

「時間は…五分も経っていないよ。アレは…」

 

「目を覚ましたようだな。」

「ギルガメッシュ王!」

「少しは休めたか?それは重畳。では、この後を任せられるというものだ。見ての通り、ティアマト神は我らが目前。あと数歩こちらに踏み込めば、こよジグラットは灰燼に帰す。…は、だが悔しかろう。その一歩があまりにも重い。…わずか一刻の束縛だったがな。まさに、気の遠くなるような永劫であった。」

 

静かに語る。

 

「…さらばだ、天の遺児よ。以前の貴様に勝るとも劣らぬ仕事…天の鎖は、ついに、創世の女神の膂力すら抑えきった。」

 

だが、その時は訪れる。

押さえ込んでいた鎖だが、ついに千切れ、破壊されてしまう。

 

「Aaaaaaa…AAAAAAAAAAー!」

 

「くっ、もう、か!分かってはいたけどあまりにも速い…!」

「心配するな。どうやら…」

 

『ギルガメッシュ王、聞こえる!?こちら、冥界のエレシュキガルだけど!ウルクの地下と冥界の相転移、完了したわ!あとは穴を掘るだけよ!」

 

「…間に合ったようだぞ?」

 

ギルガメッシュは空に向け、声を上げる。

 

「だ、そうだ。聞いていたな、イシュタル!」

「もちろん。準備はとっくに出来ているわ。この一時間、アンタらしくない顔を見ながらね。…でも、アナタはそれでいいの?悔いとかないの?」

「…無論だ。何を悲しむ事があろう。我は二度、友を見送った。一度目は悲観の中。だが此度は違う。その誇りある勇姿を、永遠にこの目に焼き付けたのだ。」

「…もう、そっちの話じゃないわよ馬鹿。」

 

イシュタルがさらに上昇する。

 

魔力が集まっていく。

 

そして、その宝具が叩きつけられる。

 

その直前。

 

「…ふん。しかし、真なる神との決別と来たか。我ながら勢いでたわけたことを口にした。であれば、我が残る訳にはいくまいよ。」

「どう…いう…」

「カルデアのマスターよ、以前、人理の辻褄合わせの話はしたな?確かにこのウルクは滅びるだろう。だが、ティアマト神と、この特異点の基点となる我が消え去れば、その結末は違う解釈となる。滅びるのはあくまでウルク第五王の治世のみ。この後に続く、ウルクの第六王の時代は健在だろう。倒されねばならぬのはティアマト神だけではない。()()()も、この先には不要だった。唯一の懸念は我の死に方だった。自決など、王として話にならぬからな。どうしたものかと難儀していたところだが、都合よく傷を負ったわ。礼を言うぞ、藤丸。」

「そんな…ギルガメッシュ王…」

「…仕方のない女だ。礼は先ほどのことだけではない。言わせるな、馬鹿者が。異邦からの旅人よ。心に刻みつけておけ。この時代にあった全てのものを動員しても、おそらくは()()止まりだっただろう。貴様は異邦人であり、この時代の異物であり、余分なものだった。だが…」

 

今一度笑みを浮かべる。

 

「その余分なものこそが、我らだけでは覆しようのない滅びに対して、最後の行動を起こせるのだ。決してリィンカーネーションズがいたから、などというくだらぬ考えを持つでないぞ。あやつらがいなくともこうなっただろうからな。」

 

「……時は満ちた。全ての決着は、貴様の手に委ねるものとする。」

 

轟音が響く。

 

「ビーストII、直前!こちらに踏み込んできます!ギルガメッシュ王、退避を…!」

「なに。最後の囮はこの我だ。寸分違わず踏み込め、ティアマト神。ここが貴様の墓場…いや、墓場に通じる奈落なのだからな!」

 

藤丸は何かを堪える表情をし、マシュに手を伸ばす。

 

「…マシュ!手を!」

 

手を掴んだ瞬間。

 

「僕が防壁となろう。いくらバリアを貼れるとはいえそう頑丈なものではない。屈んで、床か何かにワイヤーで体を固定して。女神イシュタルの宝具が来るよ。」

 

緑色の半透明なバリアが貼られる。

 

「ギルガメッシュ王…!こっちに、バリアの中に…!」

「……任せたぞ、書空院絵留。」

「…はい、ギルガメッシュ王。」

 

バリアの強度をさらに強くする。

 

そして…眩いばかりの極光があたりを白く染めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

数秒後、自由落下を感じた。

 

「……これ落ちてるの!?!?」

「当たり前でしょ?地面が無くなったんだからさ。あ、もういらないからバリア切るね。」

「下…はよく見えません!」

「書空院さんもっと焦って!?このままじゃ私たちミンチに…!」

『そんな事にはさせないわよ。はい、アナタたちに冥界での浮遊権を許可します。魔力を足先に集めて地面をイメージしなさい。それで少しは飛べる筈よ。』

「その声はエレシュキガルさん!はい、やってみます!」

「よ、よし出来た!」

「…君も大概才能マンだよね。まぁだから楓はグレたとも言えるけど。」

「う…。って、他のみんなは!?」

「そのうち降りてくる。全員無事さ。さて…どうなるか。」

 

上を見据える。

 

「僕の仮説が正しければ…いや、そうならない事を祈っておこう…」




次回かその次でバビロニア編終幕。
ラストのソロモン編も駆け抜けます。

あ、そういやAmazonプライムでFate関連が無料に見れるようになるらしいですね。まぁだからなんだという話ではあるんですが。
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