頑張れ俺!
では、本編どうぞ。
「…ゲーティア。魔術王の名はいらない、と言ったな。では、改めて名乗らせてもらおうか。我が名は魔術王ソロモン。ゲーティア、お前に引導を渡す者だ。…命とは終わるもの、生命とは苦しみを積み上げる巡礼。だがそれは決して死と断絶の物語ではない。ゲーティア、我が積年の慚愧。我が亡骸から生まれた獣よ。今こそ、ボクのこの手でお前の悪を裁く時だ。」
「……は、はははははははは!!!!!あまりの事に愕然としたが、なるほど貴様らしい!何もかもが手遅れになった今、人類最高の愚者、無能の王が今さらお出ましとはな!恥の上塗りに来るとはまさしくソロモン!英霊としての貴様なぞ我々の敵ではない!私を止められるものは生前の貴様のみ!ソロモン王の偉業のみが私を止める!死後の貴様に何の権限がある?その甘い頭ごと無に帰すがいい!」
「…あぁ、最初からそのつもりだ。ボクは自らの宝具で消滅する。それがソロモン王の結末だからね。ゲーティア。お前に最後の魔術を教えよう。」
「待って…ドクター!それは!」
「ごめんね、立香ちゃん。後は任せたよ。」
「…俺たちには何もないのかよ。」
「はは、君たちにもお礼を言わないとね。これまでありがとう。出来るなら、これからもカルデアの手伝いをして欲しい。」
「…ゲーティア。お前の持つ九つの指輪。そして私の持つ最後の指輪。今ここに全ての指輪が揃ったという事は、あの時の再現が出来る。ソロモン王の本当の第一宝具。私の唯一の、『人間の』英雄らしい逸話の再現が。」
「まさか…いや、出来るはずがない!臆病者のお前に…!止めろ、止めろ、止めろ!この指輪は、全能の座は、お前だけのものでは…!」
「神よ、あなたからの天恵をお返しします。第一宝具、再え…」
その時、頭上、はるか上空からビームが放たれ、着弾地点に爆発が起こる。
「なっ…!」
「…え?」
「まだ分かってなかったの?あなたがいなくてはハッピーエンドは訪れない。全員で帰ってこそ、真のハッピーエンドなんだからさ。」
「…なぜ。なぜだ!なぜお前がいる!不知火楓!」
銀髪をたなびかせ、飄々として佇む不知火楓。
「…おかしな事を言うね。私は死んでいない。…いや、正確には転生したから死んではいるのか。」
「…は?」
「ふふふ。私が譲り受けた転生特典には三つまでのリタイア機能があった。それを踏まえても3回死んだからすごいよね。まぁなんかバグったか分からないけど変な空間に行ったんだよ。」
「ここは…」
「こんにちは、不知火楓さん…。………不知火楓さん!?!?!?」
「え?」
目の前にはとても驚いている女性。辺りを見渡すとそこは、一面白の謎の空間。
「コ、コホン。改めましてこんにちは。私は…転生者担当女神。突然ですが、あなたはお亡くなりになりました。」
「…だろうね。」
ゲーティアの第三宝具を受けて生きていられるほど強い自信は無い。
「それで?どうして驚いていたの?」
「え、えーとそれは…」
「…まぁいいや。転生特典カタログみたいなもの見せて。早く。」
「なんでそんなに冷静なんですか!?」
「まぁ、いつかは死ぬつもりだったし。」
「…結局、行き着くのはここだったな。楓?」
「あんたは…。………誰?」
「俺だよ俺。音切。」
黒髪の青年もとい音切は笑いかける。
「あ、そう…なんでここにいるの?」
「そりゃあ最後まで見届ける為だ。一度関わってるんだ。途中で見なくなる物語ほど面白くないものはないからな。」
「へぇ…で、これからどうするの?」
「…で、では今から転生特典を選んでいただくのですが…」
「うん。ご存知の通り、ここの世界のみの作品しか知らない。」
「ですので…」
「俺が来てやったというわけさ。色々説明してやるよ。」
「あなた達私の台詞取らないでいただけます?」
「…で、どういうものが欲しいんだ?」
「多彩な能力。」
「なるほどな。では…………。」
「…長くない?」
「いや、チートオリ主みたいにするのはな…と思ってな。」
「今更では?転生者がたくさんいる時点で。」
「それもそうか。とりあえずいくつか候補はある。」
「続けて。」
「まずドラクエの能力。分かりやすいだろう。」
「どれどれ…確かにたくさん魔法がある。」
「次にドラゴンボールのサイヤ人。普通に強い。」
「やる事今のモンスター能力と変わらなくない?」
「…注文が多いな。じゃあ、崩壊スターレイルの各能力。」
「ざっくりしすぎでは?さては飽きてきてるな?」
「さっさと目を通せ。」
「はいはい。…単語が分からないけど?」
「体質は反映されないから能力だけ見たら大丈夫だ。」
「ういっす。」
一時間後。
「…迷ったけど、崩壊スターレイルの能力にする。バリアとかなんか色々あるし。」
「了解。じゃあ…あぁ、そうだ。サービスとして言っておく。転生特典は譲渡できる。」
「え、あぁ、うん。それは知ってるけど…?」
「勘違いしてるな?お前も、他の奴らも譲渡できるんだよ。転生者用掲示板で契約すればそれぞれの転生特典を入れ替えする事が出来るんだ。いつだったか、書空院絵留が自らの姿を取り戻したのもそのおかげだ。」
「…姿を?」
「あいつは成り立ちが複雑だからな。後で聞いてみるといい。…話が逸れたな。そういうわけで、行ってこい。不知火楓。これで、本当のお別れだ。」
「…分かった。今までありがとう。」
「で、やってきたってわけ。」
「ええ…」
「…さて、ゲーティア。色々とやってくれたけど今度は私たちの番だよ。」
「ふ、笑わせる!貴様の戯れ事など何一つ我々に届かない!」
「それはどうかな?」
『エグゼイド!』
『オーズ!』
『セイバー!』
3人の仮面ライダーの攻撃がゲーティアを襲う。
「こんなもの…、何!?」
「やっと届いたか。」
「創真!遅いって。」
「悪いな。準備に時間がかかったんだよ。」
召喚した仮面ライダーはオーズ・プトティラコンボ、エグゼイド・マキシマムゲーマーレベル99。そしてクロスセイバー・闇黒剣暗闇装備。
「このメンツは?というかそのクロスセイバーは…」
「私。小鳥遊琴葉。」
「あ、そう。」
「このメンツは能力の喪失や封印を持つライダー達。だから…ゲーティアのネガ・サモンをどうにかして突破できないかと考えてたんだが…上手くいったようだな。」
「…だが、まだ何の支障もない!貴様らを殺し!藤丸立香を殺し!英霊どもを退去させる!失せるがいい人間ども!七十二柱の魔神全てを以て、貴様たちを宇宙の塵にしてくれる!」
「…なんだか取り残されちゃったけど…ボク達が見るのは完璧な勝利。カルデアの司令官として指示を出すよ。…完膚無きまでに完全な勝利を!立香ちゃん。君は人間として魔術王を倒した。なら、あとは魔神王を名乗る獣をここで討伐しなければならない。さぁ…行ってきなさい。これがキミとマシュがたどり着いた旅の終わりだ。」
「…はい!藤丸立香、行ってきます!」
遺された盾を持ち、ゲーティアを見据える。
「…行くぞ!」
「そら、まずは物量だ。行け!」
『オーズ!』
『ウィザード!』
『ゴースト!』
『エグゼイド!』
オーズ・ガタキリバコンボ、ウィザード・ドラゴタイマー、ゴースト・グレイトフル魂、エグゼイド・ダブルアクションゲーマーを召喚。
「いずれも分身能力、それに近い能力を持った仮面ライダーだ。防げるものなら防いでみろ!」
「くっ、小癪な!」
「だけど、俺たちを忘れられたら困るぜ?」
反撃の隙を抜いて、理玖、星奈がゲーティアに傷をつける。
「ち…!こうなれば出し惜しみは無い!お見せしよう!貴様らの旅の終わりを!第三宝具展開!」
「っ来るぞ!?」
「大丈夫!……『涙雨、降りて溢るる、渡り川…』」
楓は刀を取り出し、少しずつ抜いていく。
「…さぁ、芥のように燃え尽きよ!」
「『
「『…黄泉路をゆけず、常世還らむ』!」
極大の熱量が襲いかかるが、それごと、赤き斬撃が切り裂く。
「…今だよ!」
「はぁー!」
結菜がビームを放つ。
「ぐっ…!貴様!」
「隙を見せたな?」
「貴様は…!ちぃ…!」
今まで姿を見せないでいた出流が気配を消したまま、ゲーティアに一撃を与える。
だが、ゲーティアはまだまだ健在な様子だった。
「ただでは受けん!宝具起動だ…!」
「ガンド!」
動きを止める。
「何…!」
「こちとらたくさんいるんだ、その解決策もあるんだよ!」
琴葉が指先を向けていた。
「…私たちにかかり切りはまずいんじゃない!?」
「何を…!」
目の前。円卓の盾を構えた藤丸立香。
そして、ゲーティアの腹部を貫通させた。
ゲーティアはよろけ、後退する。
「オ、オオ…オオオオオオオ!!!藤丸立香…!リィンカーネーションズ…!貴様らさえ排除すれば良いというのに…!なぜ人間ごときが…!」
「それが、人間の強さってやつだよ。ゲーティア。」
「藤丸、立香ァァァ!!!」
途端、様子がおかしくなる。
「…我々の結合が崩れていく!我々の敗北、だと…!」
「諦めろ、ゲーティア。もう終わりだ。」
「終わりなど我々の前で語るな…!我々はまだ負けていない!戦う意志は、貴様を殺す為の拳はまだ…!」
「…みんな、下がってて。」
「…藤丸?」
皆が困惑している間にもゲーティアは藤丸立香に近付く。
「不愉快だが訊いてやる…藤丸立香!なぜ貴様は戦う!なぜ屈しない!」
「…決まってる!そんなの…『生きる為』だよ…!」
「生きる為…?ただ自分が、生きる為、だと…?そう、か…人理を守ってさえ、いなかったとは…。確かに我々の間違いだ。過大評価にも程があった。生存を願いながら死を恐れ、死を恐れながら、永遠を目指した我々を打倒した。なんという、救いようのない愚かさだ…手に負えぬとはまさに…。は…はは…」
途端、時間神殿が崩れ始めていく。
ゲーティアは動きを止めた。
「…ゲーティア。我が魔術式…お前は…」
「…ロマニ・アーキマン。」
「分かってる。感傷に浸ってる場合じゃない。戻ろう。」
「うむ。…ここも崩れてきて、っぶな!」
話していた理玖に時間神殿の瓦礫が落ちてくる。
「マジで危ねえ…とにかく早く戻るぞ!」
『光帯の拡散より神殿の崩壊の方が早い…!あと少し、走って走って!」
「分かってるわダ・ヴィンチィ!星奈!いつものワープとか出来ないの!?」
「空間が歪んでるからね!どうなってもしらないけどやる!」
「やっぱやめとく!変にやって死にたくないからな!」
「つーか俺たち一緒に逃げてるけどなんで!」
「レイシフトポイントを利用してカルデアに転移するんだよ!分かったら足を動かせ!」
『レイシフトのポイントはそこから五百メートル先にある!急いで…いや、何だこの反応!』
「…やっぱ、簡単に見逃してくれはしないよね…!」
「………その通りだ。ようやく共通の見解を持てたな。藤丸立香。お前だけでも生かしては帰さない。ここで共に死ぬが良い。」
「ゲーティア…!」
「私の夢は潰えた。この神殿に座し、行った莫大な時間は、無為となった。私は敗北した。光帯は消え去り、人理焼却は無効となる。この私ももはや残滓のようなものだ。ここで何をしようとしたとして、結果は変わらない。だが…」
「戦う理由はある、でしょう?私があなたでも、そうする。」
「そうだとも。…言葉にする敬意は終わりだ。」
「そう。………みんな、先に行って。」
「…は!?何を言ってるんだお前!?」
「大丈夫。いざとなったらなりふり構わずそっちに行くから。」
「……考えは変わらないんだな?」
「うん。我儘でごめんね。」
「…なら、言うことはないな。行くぞ、お前ら。」
残ったのは、二人。
「行くぞ…ゲーティアァァァ!!!」
…その後は、知っての通りだろう。
あとはエピローグのみ。