では、本編どうぞ。
『エネミー、すべて撃破。お疲れ様でした、楓さん!』
「ああ、うん…」
「こりゃマシュに褒められることなんて無かったから変な感じになってんな。」
「あ、あはは…」
理玖と結菜、アーチャーが魔術使いとなった不良達を殲滅する。
「く、くそ…!どいつもこいつも!お前らも覚えていやがれー!」
「…談笑してる場合じゃなかったな。」
「おしまい、っと。」
襲ってきたチンピラ達を返り討ちにし、締めるように余裕綽々で話す新宿のアーチャー。
「この歳で召喚されると、一戦する度に老いを感じるなぁ!」
「大変だなぁ。」
「感想の語彙なさすぎか?それはともかく、若い姿で召喚されれば良かったのに。」
「(真相知ってんのによく言うな、という顔)」
「ああ、その通り。ただ、その…つまりだな…どうやら私には、若い瞬間というものが存在しないのだ。」
『若い瞬間が存在しない…?』
「私には全盛期に当たる若い瞬間が記憶から丸ごと欠けているのだ。いや、それどころか困ったことに歳取ってからの記憶も不鮮明で、かなり部分部分に損害が見受けられる。…私は何故こんなところで戦っていたのかネ?」
「認知症か?」
「切実にやめてあげろ。」
「…ともあれ、この新宿の異端さがよく理解できたかな?」
「まあなー。日本はこんな荒れてないし。」
「そこなの?」
『アーチャー。落ち着いたところで相談したい事があるんだけどいいかな?』
「うむ。理解しているよ、しているともサ!知りたいのだろう?この新宿が如何なる場所か…」
『それと、なぜ特異点化したのか、もだね。ローマであれば歴代皇帝の復活、アメリカであればケルトと合衆国の戦争、といったようにね。』
「いいとも。だが…その前に取引と行こうじゃないか。私は君にこの都市の真実を伝える。君はその代価として、私に支払って欲しい。」
「…何を?」
「『信頼』サ。『私を信頼する』という言葉と態度。我が人生において、絶対的に信頼すべきモノはただ一つ。そしてそれは、君ではない。…君は私を、信頼できるかな?」
それを聞いて、改めて
「(どうする?)」
「(別にいいと思う。でもアーチャーの真名ってホームズの宿敵のモリアーティ、でしょ?)」
「(そうだよ。ジェームズ・モリアーティ。老成した犯罪界のナポレオンと呼ばれた全盛期。)」
「(なら、信頼しようよ。ただし、悪の親玉としてのモリアーティをね。)」
「(なるほどね。)」
会話を終え、回答をする。
「信じるよ。ただし、あなたを信じようとする私を、だけど。」
「…私自身を信じるのではなく、私を信じたい、信じようとしている君を信じる、か………よろしい。」
フッ、とアーチャーは小さく笑う。
「ここでもし、二つ返事で信じると言っていたなら私はさっさと帰宅したいところだった…」
「まぁ、家はないんだがネ!」
「んだその自虐…」
理玖が呆れて呟く。
「ともあれ、君も私もまだ互いに信頼していない。しかし、妥協点は見つける事ができる。そう、新宿をこのままにしてはならない。邪悪を邪悪のまま放置してはならない。それだけは我々にとって意見が一致すると思うのだが?」
「同感。それじゃ、よろしくね。アーチャー。」
「こちらこそ。」
互いに本音を隠して、共闘の契約を交わしたのだった。
ふと、結菜は足を止める。
「く、くそ…!どいつもこいつも!
それは、不良達が言った言葉。
「(お前らも…?私達以外にも誰かいるって事…?)」
「おーい、結菜ー。置いていくぞー。」
「…ごめん、少し考え事。…まだ情報が少ないか。」
101:開拓の狩人
私も早く戦いたいんだけど。見てるだけってのは暇なんだよね。
102:一般通過勇者
このバトルジャンキーがよぉ…とりあえずまだ抑えとけ。
103:地球国家元首
あなた達いつもこんななの?
104:幻想郷の魔女
そうだよ。多分気にしないほうがいいよこれ。
105:最高最善の魔王
やっと見つけた。誰か招待送ってくれよ…
106:ソロモン諸島
え、招待とか飛ばせるのかい?
107:一般通過勇者
招待飛ばさなきゃどうやって君達ここ見れてると思ってんだ?
108:カルデアのマスター
確かに。
109:最高最善の魔王
…ふむ。なんとなくそれぞれが誰か把握した。
110:はるかぜの旅人
あ、私も来たよ。
111:童話の司書
ついでに僕もね。
112:ソロモン諸島
えーと。上からそれぞれ時村くん、桃瀬くん、書空院くんかな?
113:はるかぜの旅人
いぐざくとりぃ。
114:最高最善の魔王
アルファベットで書けアルファベットで。
115:万能の天才
ちなみになんだが、さっさと倒す、では駄目なのかい。
116:最高最善の魔王
なんというか…別に力量、という意味では行けなくはないね。でも、悪いモリアーティ…黒幕としよう。黒幕によって、黒化されてるんだよね。一部のサーヴァントは。それに、悪には悪のカリスマがあるって事を知っておきたいんだ。後学のために。
117:開拓の狩人
後学って…
118:カルデアのマスター
まぁまぁ…
遠吠えが響く。
その音が聞こえた途端、アーチャーは焦り始める。
「マズい、思ったより近くにいるぞ!走れ!」
「よし来た、楓…じゃなかった。マスター!乗れ!」
「うぉっ!?」
瞬時にマスターバイク零式を召喚し、楓を乗らせる。
『瞬間的に物凄い霊基数値が計測された!まっすぐ向かってきてるぞ!気をつけろ!』
「ナイスだロマニ!それだけ聞ければ十分だ!いややっぱあと一つ!接敵までどれくらい!?」
『到着まで…三分以内だ!』
「やはり君がお目当てのようだなあの狼は!」
「お…狼!?」
『なんだって!?狼!?そんなはずはない!時速200キロは出てるぞ!』
「なるほどな!振り切れないぞこれ!結菜…じゃなくてキャスター!なんとか出来るか!」
「精々道を荒らさせて通りにくくするくらい…でもほぼ意味ない!」
『…仕方ない。君達、新宿のアーチャーと組んで迎撃だ!』
徐に、アーチャーが語る。
「あれは極めて特殊なサーヴァントでね…大抵のサーヴァントは虚構のみで成立するものではない。基礎となる神話、伝説、実在の存在があるものだ。虚構だけで成立し得るには、それ相応の理由がなければならない。」
「話長いな、三行で…って言ってる場合じゃないな。簡単に聞く、その理由は?」
「無い。」
「は?」
「今から接敵するアレはね、虚構であり成立する理由もない。つまり英霊ではない。」
「はぁー?」
「英霊ではないから、サーヴァントにはならない。…本来はね。」
「???」
「難しすぎたかネ?つまりは霊基数値が足りない虚構、英雄にも反英雄にもなれぬ朽ちて消えるだけの存在…それを『幻霊』と呼ぶ。」
「(話早く終わらないかなって顔)」
「(なんで全部知ってるのにその反応できるの?の顔)」
「そしてあれが極めつけの特異性だ!神話の双子が、あるいは相棒と共に伝説を残した者たちが二人一組として召喚されることはありえよう!」
「ディオスクロイかな。」
「アンとメアリーかな。」
「どっちでもいいでしょ。」
「だがしかし。生前全く縁の無かった者同士が!」
「ごめんなんか言ってる最中だけど来るよ。」
強大な狼、そして首が無い騎手。
「戦うしかないな!そうだよな!」
「なんでテンション高くなってるの?」
「321で止めるぞ!321!」
「はやっ!」
空中で一回転し着地する。
「(さて、行くよ。)」
「(分かったよ、ついにだね!)」
「はぁ…まぁいいか。行くよ。立香姉。」
『ジョーカー!』
腰に巻いたダブルドライバーにサイクロンメモリが転送される。
「さてと…」
「『変身!』」
『サイクロン!ジョーカー!』
風が吹き、銀色のマフラーがたなびく。
『いやー、楓ちゃんと一緒に戦えるとはね!』
「はいはい…じゃ、決め台詞行く?」
『うん!行こう!』
「『さぁ、お前の罪を数えろ!』…なんてね。」
「…首無し騎士に狼だから返信ないぞ。」
「シッ!静かに!」
「なんなのかネ、アレ。」
119:最高最善の魔王
無事変身できたようだね。
120:開拓の狩人
うえぇ…なんだ…この…これ。自分の体なのに自分の体じゃないみたい。なんというか…異物感が半端ない。
121:カルデアのマスター
ちょっと!?異物って言わないで!?
122:一般通過勇者
仕方ないって。二人で一つの体で戦ってんだ。それくらい我慢しろよ。
123:ソロモン諸島
分かっていたつもりだったけど、改めて君たちの力の凄さを感じるよ。魔術の腕に関係なく、戦闘能力が簡単に手に入るなんてね。
124:童話の司書
でも、デメリットもあるはずだよ。ダブルの力は二人が力を合わせないと上手く戦えないし、相性の問題もある。
125:地球国家元首
相性の問題?
126:最高最善の魔王
ダブルはその性質上二人で一人の仮面ライダーだ。だから極端な話、仲が良くないとそれぞれが反発し合ってとんでもない事になる。
127:カルデアのマスター
つまり、私ってば楓ちゃんと仲がいいって事だね!
128:開拓の狩人
違うから。
129:最高最善の魔王
仲が良いのはそうだな。うん。
130:開拓の狩人
良くないって、言ってんじゃん!?
131:幻想郷の魔女
全然説得力ないよ。
132:はるかぜの旅人
というか、こんな話しながら戦って大丈夫なの?楓が、じゃなくて藤丸の方が。
133:一般通過勇者
意外と大丈夫だぜ。ダブルで戦いながら…えーと、どれか分からんけど雷属性のモンスター力使って善戦してる。
134:開拓の狩人
ジンオウガだよ。雷纏えたり色んなことできるからね。
135:幻想郷の魔女
…ん?誰か猛スピードでこっちに来る!
136:一般通過勇者
あれは…バイク?
「ドリャァ!」
「ちゃんと当てろよ勇者ァ!」
「うるせぇ獣タイプに対してはクソ雑魚だから許せ!」
『どうして味方同士で言い合いしてるんだろう…』
「…ところで全く話は変わるが、車を運転できる者は?」
「俺が一応な!」
「なら、行きたまえ。」
「はぁ?それはいいがお前はどうすんだ。」
「時間稼ぎするしかあるまい!大丈夫!新宿駅で待ち合わせと行こう!」
その時、煙幕が辺り一面に広がる。
その数秒後、バイクに跨り現れたのは、目つきの鋭い女性サーヴァント。
「流石と言うべきか。この新宿で図太く生き存えているとは、かの魔王の一端を使っているだけはある。」
「お前は…!」
「いや、無駄話は後か。ともかく逃げるぞ。乗れ!今の所…例外を除いてアレには勝てん!」
「例外って私らの事???」
「お前は変身解いて、はよ行けって。」
「そんじゃ、アーチャー!ここは頼んだ!」
「俺らも逃げるぞ結菜。」
「あいあいさー。」
「さて…貴様らとは初対面になるか。」
遠く離れた場所。バイクを止めるとサーヴァントは話し始めた。
「だな。見事にあの特異点にいなかったメンツだしな。俺は控えだったしこいつら二人に関してはそもそもいないし。」
『あなたは…冬木の特異点にいたセイバーの?』
「…それは恐らく違う私だろう。少なくともこの私は顔を合わせた事はない。」
「まぁサーヴァントってそういうものらしいしね。」
「そうだな。とはいえこうして召喚された以上、私もその活躍は充分に知っている。グランドオーダー…あの長い旅路をよく踏破したものだ。誇るがいい、藤丸立香。少なくとも私はその功績を認めている。」
『いや…私だけの功績じゃない。カルデアのみんなやサーヴァントのみんな。それにリィンカーネーションズのみんなのおかげだよ。』
「あくまで、か。まぁいい。…我が名はアルトリア・ペンドラゴン。問おう、私と共に歩むか?歩むか、歩むんだな、よし!」
「何もよし!じゃないけど???」
『ま、まぁ。力になってくれるなら心強いよ。』
「フッ。では、契約完了だ。貴様の盾となり、剣となろう。」
「現場にいるのは私たちなんだけど…」
結菜が引き気味に呟く。
「つーかさ、ずっと外にいるのもどうなの?他に敵が来たらマズくないか?」
「そうだな。ねぐらに行くぞ。」
『ねぐら?』
「私が拠点としている場所だ。歩きでも問題ない。行くぞ。」
と、歩き出そうとした時だった。
「ワン!」
「…む。」
白い犬がいた。
「わぁ犬だ!」
「そんなにテンション上がる事?おもちゃとか持ってないぞ。」
「はぁ…全く。犬ってちゅーる好きだっけ?いや持ってないんだけど。」
『全員テンション上がってる!?』
ちなみにこの時、カルデアにいた残りの転生者達は呆れていたという。
「馬鹿どもめ。そいつは野良犬だ。噛まれても責任は持たんからな。」
『あ、大人しいですね。尻尾をぱたぱたさせてアルトリアさんを待ってます。』
『綺麗な犬だね。こんな場所でよく元気なものだ。』
『フォウ!フォウ!』
『あわわ、フォウさん落ち着いてください。…すいません、そちらからの映像を見て仲間だと思ったみたいです。』
「………いつまで油を売っているつもりだ貴様ら。さっさと行くぞ。」
「ワン!」
「…今はお前にやるフードは持っていない。諦めろ。」
「くぅーん…」
「くっ…。……………貴様ら、何か持ってないのか。こう、犬コロでも食べられそうなものを。」
「ほら理玖だしなよ。役目でしょ。」
「仕方ないなぁアル太くんは。テッテレ〜!(ダミ声)上ケモノ肉〜!(ダミ声)」
「そのふざけた声をやめろ。…仕方ない。ついてくるがいい、カヴァスII世。ねぐらにまだドッグフードがあるだろう。」
「カヴァ…なんて?つか、ドッグフード?」
「勝手についてくるので時折やむを得ず余り物を食わせているだけだ。そらついてこい貴様ら!カヴァスII世!」
「私たちは「貴様ら」なのにワンちゃんだけ名前呼び…」
「仕方ないよ、お犬様だし。」
『それでいいの…?』
予定では、新宿後はオリジナル特異点をやって第二部行こうと思います。
他の亜種特異点が好きな方には申し訳ないですがこれで行きます。