転生者たちで行くFGO   作:よっしぃぃぃい

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少し遅れました。
前回数日以内に更新すると言ったのに...
言い訳するんですけど、ちょっと左手を骨折しまして。
作業に手間取りました。

では、本編どうぞ。


転生者用掲示板 10スレ目 part4「お前って友達いないタイプ?」

「...そうだ、『特典奪い』、だっけ?勇凪理玖くん、君は第一特異点で会ったよね?」

 

彼女は、思い出したかのようにそう言った。

 

「あ?特典奪い…?」

 

 

 

『あー、ミスったな…初撃ミスったのはあいつ以来だな。』

『この世界ってFGOか!あの有名な!いやあ…しかもカモが三人も!』

『ああ、自己紹介してなかったな。ま、お前らには必要ねえな。さっそくで悪いが…お前らの特典、もらうぜ!』

 

 

 

「うっそだぁ!」

「嘘じゃないって。ほんとほんと。」

「…どうなの立香姉。私その時いないから知らないんだけど、いたの?」

『そういえば…そういう人もいたなー、って。でも倒したんじゃなかったっけ?』

 

ロンドンで。

藤丸がそう呟くと、博麗霊夢…否、『特典奪い』は笑ってこう言った。

その笑みはまるで、あたかも自分が全知全能のような、そしてそれを全く疑わない嫌なタイプの笑顔だった。

 

「…あぁ、確かにあの時は肝を冷やしたさ。でも、考えてくれよ。たかが転生者一人にやられる?」

「お前もその一人じゃん…というか、ロンドンで?」

『倒したね。…倒したはずなんだけど。』

「え?知らないんだがそれ。…あ、標的、みたいなやつがソレかよ!」

 

ククク、と笑い声が響く。

 

「そうやって有象無象で群れ合う。やはり、重みが違うんだよ、重みが。お前たちは特典たった一つで、頑張ってるかもしれないんだけど、こっちは貰った記憶全部だよ?」

 

「一体、いくつの特典を…」

「………忘れたね。」

 

「じゃあ、ここで倒さないといけないな。」

「…ほぉー?」

 

理玖は剣を特典奪いに向ける。

 

「とりあえず、こいつはここで倒すぞ!みんな!」

 

だが、応える事はない。

 

「…だあああぁぁぁ!そういや俺の事忘れてるんだったな!調子狂うぜ…」

「とりあえず、理玖、でいいの?アンタは仲間…なんだよね?」

「そうだよ!…しっかしどうすっかなこれ。」

「悲しいよなぁ勇凪理玖。まぁ心配しなくてもいいよ。すぐにお仲間もそちらに向かわせるから。」

「勝手に殺さないでくれます!?」

 

腕の力のみで剣を投げる。だが、それは特典奪いの真横を通り過ぎて後方へと飛んでいく。

 

「狙いが定ってないのかな?野球でも練習すれば?ほら、仲間に超高校級がいるじゃん。」

「本気で言ってるんなら精神科行く事をお勧めするぜ!」

 

すぐに新たな剣を取り出して斬りかかる。

しかし。

 

「残念だが、それは知ってる戦法だ。」

 

お祓い棒でパリィされる。

 

「…っはぁ!?」

「忘れたかい?私の権能…じゃなくて能力でもなく…特典をさ。」

「名前を奪う…だったか?」

「そうそう、大正解。でも、そっちじゃない。記憶も奪えるって方さ。記憶を奪えばそいつの戦法、思考、戦いの癖。全てとまではいかないけど、再現できるのさ。」

「でも、俺は記憶を奪われて…いや、別の人間のものか。」

「そうそう!いやぁ、賢いね理玖くん!」

「キレそう」

 

ふと呟いたその一言を聞いてさらに笑みを深める。

 

「でも、私の目的は君だけじゃない。」

 

視線を理玖から逸らしカルデア勢の方…特に不知火楓の方を見る。

 

「そこのガキンチョの名前奪って退散しようかな?」

 

「誰の事だよ!」

「てめえキレるぞ!」

『喧嘩っ早いにもほどがある。』

『でもそれでこそ…っとと、危ない。名前言っちゃマズいんだっけ。』

「そうだよ。でも大丈夫さ藤丸立香。君の従姉妹の不知火楓は私の養分となるからさ。」

 

その場の空気が一変する。

 

「警戒しろ!何をしてくるかわからな、」

「邪魔だよ君。」

 

理玖が振り返ったその一瞬。特典奪いは思い切り理玖を蹴り飛ばした。吹っ飛ばされた理玖は近くの建物を巻き込みながら轟音とともに土煙の中へと消えていった。

 

「よし、邪魔者は消え去った!というわけで…」

「来るぞ!構えろ!」

「前菜は食べたし、次は…スープ料理と行こうかな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…いってぇ。」

 

シーンは変わり、吹っ飛ばされた勇凪理玖。

 

「くっそ、狙いは…多分、楓だな。ぬかった、してるつもりは無かったが油断しちまった。」

 

ここ一年特に思う。油断、慢心。それが多くなっている。

 

「んでだ…いや、そんなこと今はどうでもいい。早く戻らねぇと…」

 

「ヘイ、ヘイ、ヘーイ?そこの埃まみれの人間〜。」

「誰…だ…」

 

振り向くと、そこには二頭身のピエロがいた。

 

「お前は…!」

「おや、ボクの事知ってるのサ?なら話は早いのサ。」

 

「何が目的だ、マルク…!」

「そう身構えなくても良いのサ。ちょーっと魅力的な提案をするだけなのサ。」

 

そのピエロは、満面の笑みを浮かべ、佇んでいた。

マルク。星のカービィシリーズに登場するキャラ。所謂…ラスボス枠である。

 

「手を組もうぜ、転生者。上手くいけば、幻影魔人同盟…それに、ボクを抜いた二人の敵。ソイツラを一網打尽に出来る計画サ。今なら、仲間も着くのサ。」

 

そうして現れたのは予想にもしなかった人物であった。

 

「なっ…!どうしてここに…!」

「サァ、どうする?」

「…いざとなったらお前らも倒すからな!」

「ククク…それでこそ勇者よ。」

「わっるい笑顔!絶対裏切るなよ!」

「それは貴様の働き次第だ。」

「本気で言ってる?契約したの早まったかな…」

「それより行かなくて良いのか?あの銀髪のやつ狙われているんだろ?」

「…やっべ!」

「おいおい…」

「くっそやらかした!さっき油断しすぎって思ったばっかりなのに!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あははははは!よく避けるなぁ!さっさと!諦めて!くれないかなぁ!」

「嫌に決まってんでしょ!?」

「しゃがめマスター!」

 

楓が体勢を低くした瞬間、後ろから斬撃が飛んでくる。アルトリア・オルタのものだ。だがその攻撃も難なく躱されてしまう。

 

「チッ。奴、本当に人間か?こちらの攻撃がまるで効いている様子がない。」

「人間…のはずだよ。見た目は。」

「…フム。どうやら予想以上に難敵なようだ。しかも私達の攻撃は効いていないと来た。何かカラクリがあると思うが…」

「全然分かんないな。そこんとこどうなの?さっき意思疎通出来るようになった結菜サン?」

「私も知らない…後、さっきはすまなかった。」

「謝るなら…えーと、理玖ってやつにしてねー。」

 

「無駄話はそれくらいかな?そろそろ、終幕と行こうか?」

 

何かを掲げる特典奪い。見るとそれは、杖のような物。

 

「何がいいかな…おっと、いいのがあったね。『イオマータ』。」

 

辺り一面に爆発が起こる。どうやら杖から魔術のような何かを発しているらしい。

 

「それから…あ、そうだ。『カースド・クリスタルプリズン』。」

 

氷が地面を這い、そのまま楓たちの方へと向かっていく。

皆それぞれ避けていくが、さらに追撃で爆発が起こる。

 

「うーむ。以外とやるな。『イオナズン』、『メラミ』、あとは…『ヒャダルコ』。」

「そこまでだ!『恋符「ノンディレクショナルレーザー」』!」

「君は呼んでないよ!『アステールメテオ』!」

 

爆発、火炎、氷結の呪文を唱える。

それに対抗してレーザーを放つ結菜だが、特典奪いはそれに反撃して虚空から小隕石を大量に降らせる。

 

「隕石!?」

「おい、カルデアから増援は呼ばないのか!」

「通信が届かない!」

「なるほどな!」

 

つい増援が欲しくなるが、返された答えに無理やり納得して諦める。

戦闘の余波か何かで通信が繋がらないという。

 

「横によけろ!宝具解放!極光は反転する!光を呑め!『約束されし勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)』!」

 

そのまま隕石ごとアルトリア・オルタの宝具に飲み込まれていく。

 

「…どうだ?」

「絶対、まだあるよ。」

「どうするこれ…」

 

「諦めな?」

 

土煙の中からゆっくりと歩いてくる特典奪い。

 

「で、しょうね。」

「マスター、逃走も視野に入れておけ。」

「分かってるよ、このままだとジリ貧だし…」

 

「仕方ないな…使う気は無かったんだけど。」

「気をつけろ!次は何をしてくるか、」

 

「『見えざる手』。」

 

「何を…?」

 

大袈裟なポーズをしながら何かを宣言する特典奪い。

 

突如、地面が何かを叩きつけたように破壊される。

 

「一旦、上空に…!」

 

「それを待ってたよ。不知火楓。」

 

飛んだ先で、何かに殴打される。殴打というにはあまりにも大きい何かに叩きつけられる。

 

「不知火楓、君は良くやったよ。じゃ、さようなら。それでは、イタダキマス!」

 

ポン、と肩を叩かれる。

それはあまりにも攻撃性が無く。しかし致命的な一手。

 

右手で肩を、左手は口元に。

 

そして。

 

「…では、おーしまい。」

 

さらに上空へと投げられる。

 

「うわぁぁ!?」

「トドメだ。『霊符「夢想封印」』」

 

巨大な光弾が楓へと向かっていく。

 

「またか!『魔符、」

「させねぇよ。パリィ。」

 

間に入った人影…理玖によって跳ね返される…事はなく全てガードされる。そのまま理玖は楓を引っ張り倒壊した建物の上に着地する。

 

「あっぶねぇパリィミスったー…『ダルケルの護り』が無かったらやばかったな。」

「あ、ありがとう。助かった…」

「いいってことよ。だけど、ちょーっと遅かったかな…」

「…えっ?」

「名前、取られたんだろ?」

 

その発言に対して、徐々に理解が追いつく。楓の表情が絶望に染まる。

 

「ね、ねぇ。本当…に?」

「だな。残念だけど、今の(・・)俺はお前を知らない。」

「…っ。」

 

救いを求めるように、結菜達の方を見る。

 

しかし、結菜は少し考え込むと。

 

「…ごめん。」

 

「…茶番は終わり?」

「お前はその減らず口を閉じろ。キンキンうるさいんだよな。ひょっとしてお前って友達いないタイプ?あぁ、言わなくていいぜ。お前にはない協調性で察してやるからさ。」

「へぇ…?アンタも名前を取られたってのによく威張れるな?」

「おかしいか?」

「…そりゃあね?」

 

心底不思議そうに特典奪いは言う。

 

「お前、頭は良くないのな。」

「は?」

「いや、いい。説明してやるよ。俺の特典はなんだったっけ?」

「馬鹿にしないでほしいんだけど?ゼルダの伝説のリンクでしょ?」

「そうそう。じゃ、いつのリンク?」

「オープンワールドのだろ?えーと…『ブレスオブなんとかってヤツ』。」

「……なるほどね。そうだな。生きていた世界の100年後。知り合いが数える程しかいない未来の世界に復活して厄災を倒す、っていうのが大まかな流れ。」

「何が言いたいんだい?」

 

「だからさ、味方がいないなんてのは日常茶飯事なわけ。だから俺も出来ないと本物に申し訳ない訳で。」

「はぁ?」

「ま、そういうわけで…おっと。」

 

一瞬、ふらつく理玖。

 

「おや、どうかしたかい?もしかして、身の程を弁えずに介入なんてするから、」

来たわ(・・・)。」

「…何?」

「あ、ごっめーん。俺ら、ちょっとこれから用事あるから。」

「は?」

「あ、そうだ。後ろ、見てごらん?」

 

指を差した先には、何もない。

 

「何もないじゃ…待て、アイツらは!?」

「今更気付いた?」

 

怒り心頭といった表情で再び杖を掲げる特典奪い。

ソレを見てニヤリと笑う理玖。

 

「じゃあ、そういう事でバイバイ。恨むなら賭けに勝った俺を恨んでくれよな!ほら、ぼーっとしてないで行くぞ()。」

「…ぇ?」

 

楓の手を取ると、二人の体が青く光っていく。

 

その数秒後には、痕跡すら残さず消えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

274:一般通過勇者

無事に撤収完了したぜ。

 

275:童話の司書

それは良かった。だが…

 

276:一般通過勇者

そっちは被害無いか?

 

277:幻想郷の魔女

こちらはね。被害が甚大なのはそっちじゃない?

 

278:一般通過勇者

そうなんだよな。でも嘆いたって変わらねぇし。

 

279:ソロモン諸島

とりあえず、手の空いている職員総出でリゼロ…っていう作品の調査をしているよ。何か対策があるかもしれないし。

 

280:一般通過勇者

そっちは頼むぜ?つっても見知らぬ奴からの頼み事なんてアレかもしれないけどさ。

 

281:万能の天才

こちらとしても死活問題だ。サーヴァントでさえ、君たちの記憶が無い。強いて言うならば、アヴェンジャー達は覚えているが。

 

282:最高最善の魔王

忘却補正のクラススキルがあったね。

 

283:童話の司書

ついでに言うと、僕も薄らだけど覚えてはいる。多分、特典関係だけど。

 

284:一般通過勇者

そうなのか?

 

285:童話の司書

簡単に言うと、昔いた場所では罪を犯すと物語の輪から外れて記憶が無くなり図書館に向かうんだ。そこで空白の書…僕がいつも持っている本を入手するんだ。まぁそれは置いておいて。

 

286:カルデアのマスター

置いておくんだ…

 

287:童話の司書

本筋にはあまり関係ないからね。…で、その罪人達は全員物語の登場人物だったんだ。ある者はシンデレラの関係者。ある者は赤ずきんを襲う狼。ある者は…白雪姫の小人の1人、とかね。

 

288:童話の司書

さっき罪を犯すと、と言ったね。その罪とは、決められた運命に反抗する事。

 

289:ソロモン諸島

決められた運命?

 

290:童話の司書

簡単に言うと、その物語ではあり得ない事をするんだ。考えとしては異聞帯に近いね。

 

291:童話の司書

まぁその関係のアレコレはいいや。そこで僕は色んなことがありながらもどうにか前世…じゃないな。今から数えると…前々世の記憶を思い出したんだ。

 

292:最高最善の魔王

なるほどな。その体験がある種の逸話となって残り、今に至る…だから奪われた記憶も少し残っているのか。

 

293:童話の司書

そう。だから、忘れていたものを思い出す。そういう様な逸話があれば思い出せるんだがそれすらもないし…

 

294:一般通過勇者

まぁ無いもんは仕方ない。

 

295:カルデアのマスター

ところでさ、えーと、不知火楓って…

 

296:一般通過勇者

よりにもよってお前が言うのか。

 

297:カルデアのマスター

え?

 

298:一般通過勇者

なんでもないぜ。アイツは忘れられた事にショックを受けて、軽い心身喪失…みたいな状態だな。

 

299:万能の天才

なるほど、確かに普通はそうだね。

 

300:はるかぜの旅人

じゃああなたは何なの?見た感じショックも無いようだけど。

 

301:一般通過勇者

それはまぁ…特性を逆手に取ったというか。

 

302:ソロモン諸島

はぁ?

 

303:一般通過勇者

まぁそれについては俺だから、ということで。

 

304:最高最善の魔王

とりあえず、そちらについては一旦信用する。先ほどカルデアで話し合ったが、結局藤丸を特異点に向かわせる事にした。

 

305:ソロモン諸島

本当は行かせたくなかったんだけど…

 

306:地球国家元首

現在出発したメンバーの過半数と連携を取るのが難しいため、やむを得ず。ということね。

 

307:カルデアのマスター

気を付けないといけないのは重々承知だよ。

 

308:一般通過勇者

…まぁ、了解。なら、特典奪い…特典に倣って、暴食、とかにでもしておくか。暴食は俺らが追う。だからそっちは特異点の解決を一番の目標にしておいてくれ。暴食はどうにかしてこちらがやる。

 

309:カルデアのマスター

分かった。不知火って人によろしくね。

 

310:一般通過勇者

…あぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてと。

 

「どうするんだ?こっちで請け負うって言ったはいいものの、正直言って八方塞がりだぞ。なんか当てはあるのか?」

「オマエ…詭弁だけは上手いのな…」

「政治家にでもなれるのではないか?」

「やめてくれって。政治家とか俺のIQじゃ無理だって。現場タイプだから頭動かすの苦手なんだって。」

「どの口が。」

 

クツクツと笑う男。

その姿を見て改めてドン引きする理玖。

 

「えぇ…つーか、やっぱ違和感あるな…お前、どこの時間軸の奴だ?」

「基本的には、全ての記憶を持っている…だが、今の我は…」

 

理玖の右腕を見やる。

 

「その腕がよく知っているのではないか?」

「嘘だろ!?」

 

思わず剣を構える。

 

「そう構えずとも今は危害を加える気はない。」

「信じられねぇんだよな!ティアキンのガノンだったら尚更な!」

 

男…ゲルド族の王ガノンドロフは嗤う。

 

「さて、まずは一つ。一手を打つとしよう。」

「はぁ…全部は信じねぇぞ。で、一手とは?」

「勇者よ、貴様…英霊召喚は出来るか?」

「ふぁ?」

「いや『ふぁ?』じゃなくてだな…」

「あー…やってみない事には。俺はした事ないし…」

「ふむ。ではやってみろ。それによって戦術を変える。」

「あ、そうですか…やれるだけやるよ。魔法陣は?」

「我は知らん。」

「は?」

「無論、我は、だが。」

「ヘイヘーイ。普段の召喚とは違うかもしれないけど許してちょーよ。」

 

マルクが器用に魔術を使って地面にガリガリと魔法陣を作っていく。

 

「おお?お前、魔術を使えたのか?」

「当たり前なのサ。じゃなきゃ、まずギャラクティック・ノヴァやマスタークラウンなど知らないのサ。」

 

ギャラクティック・ノヴァ。カービィ世界の願望器の一つにして惑星級の大きさの機械でもある。

そしてマスタークラウン。無限の力を秘めているとも称される王冠の形をした秘宝。しかしその実態は、支配の冠とも言うべき曰くつきの品。心に潜む闇をも増幅させ、滅亡を呼ぶ厄災にもなり得る、最上級の危険物。

 

「へぇ…」

「よし、出来たのサ。」

「おぉ…それっぽい。」

「それっぽい、じゃないのサ…」

「まぁ、いいや。じゃあ早速、」

 

「待って。」

 

振り向くと、弱々しくも力強く見える、そんな姿で楓が立っていた。

 

「私がやるよ。」

「楓…!?起きたのか。そりゃよかっ、」

「ねぇ。」

「…ん?」

「一つ聞きたいんだけどさ。」

「何を?」

 

「なんで私の名前が分かるの?」

 

「…んん?どういうこと?」

「アイツに名前を奪われたなら私の名前は分からないはず。だったら、なぜ…!」

「あ、それか。」

 

なんでもないように言った。

 

「思い出したからな。ブレワイのリンクってそういう逸話あるし。」

「…え?」

 

呆気に取られたのか、ポカン、とする楓。

 

「なんだ貴様、小娘にすら言っておらんのか?」

「いや、てっきり分かってるものだと…」

「こ、この〜…!私がどれだけ悩んだか…!」

「お、本調子に戻ってきたか?」

「………遺憾の意。」

「なぜ…」

 

咳払いをして、向き直る。

 

「私はあなたを知らない。だから、変な扱いをするかもしれないけどいいよね?」

「まぁそれくらいなら。」

 

「………で、召喚はどうするのサ。」

「どうする?」

「じゃあせっかくだし私がやるよ。」

「触媒は?」

「ふむ。あるにはあるが、お前達は何かないのか?」

「へ?えーと…」

 

あっ、と理玖が声を上げる。

取り出したのは、その場の誰もが予想だにしない物だった。

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