「詰み」を回避するための必要な物語。
では、本編どうぞ。
遡行/招待
メラメラ、ボーボー、パチパチ…
何かの音が聞こえる。
どこかで聞いたことのある、音。
それは、確か夏頃。
次に感じたのは熱。熱さ、と言っても良い。
まるで、炎が燃えているような…
…………炎?
「アッツ!?もえっ、燃えてる!?」
「あ、やっと気が付いた?」
倒れ伏していた己を見下ろす少女。小鳥遊琴葉である。
「これは…どういう状況だ?」
「私にもさっぱり。今は星奈が周りも見て…帰ってきたね。」
「完全に一致してたよ。あ、起きたんだ。おはよう。」
「あ、あぁ…」
「落ち着いて聞いてね。多分だけど、私達は一年前の特異点F…炎上都市冬木にいるんだ。」
「…は?」
事は、1日前に戻る。
時村創真、桃瀬星奈、小鳥遊琴葉が原因不明の昏睡状態に陥っていた。
「…まぁ、昏睡状態と言えば物騒だが、要は立香ちゃんが度々起こしてる睡眠時の特異点出発と同じものさ。」
「監獄塔のか…」
「こちらからの解決方法は無いのか?」
「残念ながら。睡眠時の精神に入り込むとかじゃないと…」
「……おい、どうして私を見る。残念ながら、ドレミーの能力は持ってないぜ。」
カルデア上層部からはオルガマリー、ロマニ、ダ・ウィンチ。
転生者からは理玖、結菜、楓、出流、絵留。
それぞれが話し合っていた。
結菜が出したのは『夢を喰い、夢を創る程度の能力』を持つドレミー・スイートという妖怪の事だ。夢の中に入れる、という能力である。正確には違うのだが、その辺りは応用でどうにかできる…かもしれない。
「そもそも、あれは妖怪の特性を活かしてるものだから、能力を持っていても無理だと思うぜ。」
「能力じゃないのか?」
「『程度の能力』に当てはめたものであって人間の私には使えないものも多い。極端な話、ヘカーティアの能力とかもそうだ。人間じゃ使えないものもあるんだ。」
ヘカーティアの能力は『三つの身体を持つ程度の能力』。
「マーリンがいたら話は変わってくるんだがな…いないからな…」
「絵留の『銀の靴』で行けたりしない?」
「『銀の靴』も物理的に存在しない場所には行けないよ。あれは一種のワープ装置のようなものだし。」
「しかし、どうにもならなくないか?いくら私でも詰みを言わざるを得ない。」
「ダ・ヴィンチほどの人物が言うなら…」
「どこに信頼置いてるのよ。」
「いやだって、数少ない『星の開拓者』持ちだし…」
「…まぁ、確かに。」
「納得するんだ…」
ジト目でオルガマリーを見る。
「多分だけど、あの時未来のジオウが言ってた事だよね、これって。」
「あぁ、確かにそういうことかもしれない。」
「ちょっと、ちゃんと説明しなさいよ。」
「OK。じゃ、話は仮想特異点群に戻るんだけど…」
「…世界を保つために必要な事…」
「俺らもそれが何か分からない。はじまりの縁とやらを持ってないそうだから。」
「はじまりの縁…」
「確かに、あの特異点の冬木は修復が完了していない。一部のサーヴァントからあれは修復すべきでない、と言われているからね。」
「あぁ…」
「それにあの特異点には不可解な点が多いのよ。あの特異点で喚ばれたキャスター枠のサーヴァントが、あのクー・フーリンではなく、ソロモン。なら、あのクー・フーリンはなぜ喚ばれたの?という謎がある。」
「それに、新宿の特異点と冬木の特異点…なぜか74%も相似していた。本格的な調査をしたくても、魔術協会や国連の査察、さらにいくつかの特異点の発生で満足に出来ていないんだ。」
「それに、聞くところによると、異聞帯とやらも今後現れるのだろう?」
「異聞帯に関してはその成り立ちからも謎が多くてね…僕たちも、完全に知っているとは言い難い。1番知っている者でも、第六異聞帯までだ。」
「…で、結局は対処方法無いって事?」
「うん…まぁ…そうなるね…」
「私は、予定より早くなるけど幻想郷に行って、ドレミーに協力を取り付けてくる。無いよりはマシだろう。」
「分かった。んじゃ、俺は…」
「あー駄目だ!繋がんないよぉ!」
「掲示板も駄目、というかエラーが出るし…」
「そもそも今の時系列が分からない。どこ?カルデアを見つけられたらどうにかなるんだけど。星奈ー。見かけたー?」
「…欠片もいないわね。そもそも、あまり目立ちすぎると、アーチャーから長距離射撃を食らうから、空からという選択肢が無いのよね。」
「そもそも、ここに戻って何をするの?っていうのが分からない。え、目的が不明瞭すぎて怖いんだけど…」
「…どうする?」
パチパチ…と焚き火が音を立てる。
「…そもそもさ、世界を保つためってなんだと思う?」
「…分からない。多分だけど、それが異聞帯になるか否かという分岐点になるんだと思う。」
「というか、正直冬木の特異点印象が薄くてあんまり覚えてないんだけど、どういう感じだったっ…」
「伏せて!」
放たれた光弾を、襟を引っ張り無理やり避ける。
「誰だ!」
「サーヴァント、あー…セイバー、であってるか?」
「ついでにサーヴァント、ランサー。」
「面倒な方しかいませんね。…あ、私はアーチャーです。」
「は…?いや、なんで…!」
「俺の事は紹介しなくてもいいな?勇者の影、ダークリンクだ。」
「このような邂逅になって申し訳ないです…ランサー、バンダナワドルディです。」
「仲間がこんな人たちで本当に苦労しますよ。弓兵のクラス、八意永琳です。」
セイバー、ランサー、アーチャー…すなわち、三騎士。
本来なら英霊の座にも存在しない者たちが召喚されていた。
「どういうことだ…!」
「知らないね。そもそも説明する義理もない。と、言ったら不平等だな。まぁ、試練の一環だ。」
「我々全員に勝てたなら多少の情報は開示いたしましょう。」
「でも、僕たちも分からない事は多いので、それはご了承下さい。」
突然の邂逅、イレギュラーな戦いが始まった。
「では、改めてこう言いましょうか。ようこそ、幻想郷へ。」
「はー…すっごい大自然…」
「そんなにか…?私は生まれてからほとんどここにいたから特に何も感じないけど…」
幻想郷。未だ神秘が強く根付いている特殊な土地…というよりは空間。博麗大結界という壁によって魔術的神秘がまだ残っているのだ。
そんな幻想郷に高野結菜と不知火楓は降り立った。
幻想郷の賢者、八雲紫の案内によって無事に辿り着いたのだ?
「世界遺産になってもおかしくはないよ!」
「うふふ。そう言って下さると光栄ですわ。でも気をつけないといけない事もありますのよ。」
「気をつけないといけない事?」
「えぇ。……幻想郷は全てを受け入れる。それはそれは…残酷な程に。」
「うん?」
「まぁ、受け入れるのが善いのか悪いのか、それは関係がないって事だ。特に、悪い奴はな。」
「あ…そっか…」
「暴食」。方法は分からないが、暴食が幻想郷に現れた事により先の事変は起きた。
「…それだけじゃないかもだけどな。」
気になるのは、赤い霧雨魔理沙の話。
この世界はL80…終局に至った世界に近い事。おそらく異聞帯に関係してくるのだろう、と推測しているが、異聞帯…もといFGOに触れたのは、前世の話。忘れている分もあるし、そもそも前世の時点ではFGOは完結していなかった。その後の展開によって異聞帯の正体が判明していてもおかしくはない。
「…ええと、ドレミー、って人を探せばいいんだっけ?」
「え、あぁ、そうだな。ドレミー・スイート。人じゃなくて妖怪だけどな。」
「その人の居場所の当てはあるの?」
「あぁ、あるぜ。そのために一旦人里に行かないと。」
「人里?妖怪なんでしょ?だったら人里にいるのはおかしいんじゃない?」
「いや、本人がいるわけじゃない。」
「だったら、なんで?」
「ドレミー自身がどこにいるかは分からないが、会う方法はあるんだよ。」
「…あら、説明しておりませんの?」
「その方が、面白いだろ?」
「ケチ!教えてよー!」
「後でなー。」
人里にて。
「………あの。」
「そう言う事だ。ドレミーは夢の支配者。なら、これで寝れば会えるかもしれないということだ。」
「いや、じゃ、じゃあさ…その方法って…」
「このスイート安眠枕で寝て会うって事なの!?」
「そういう事だよ。ほら、さっさと買ってこいよ。そんで、寝るぞ。」
「え、えぇ…」
「油断はしないけど…!いつもと勝手が違う…!」
「クソ、せめて何個かライドウォッチが欲しい…!」
「しょ、召喚さえ出来れば…!」
今までの経験が通じない。いや、力が失われているというべきか。
桃瀬星奈。初期時点では自由にコピー能力を切り替えることができない。そのため単一のコピー能力でどうにか戦っている。
時村創真。レジェンドライダーのウォッチはウィザードしか持っていないため、グランドはおろかファームチェンジすらできない。
小鳥遊琴葉。1番パワーダウンしており、英霊召喚すら出来ておらず数秒しか持たない投影魔術や強化魔術で応戦している。
「何やら本調子じゃないようね。だからと言って、手加減はしないけれど。」
「してほしいのだけれど…!」
「ハッハッハ!残念だけど、お前たちの冒険はここで終わり、という奴だな!」
「こんな所で終わるわけにはいかないんだ…!」
前衛にダークリンク。遊撃としてバンダナワドルディ。後衛からの援護射撃で八意永琳。鉄壁の布陣である。
対し、普段の戦闘より何倍も弱体化しているため、まともに連携が取れていない転生者たち。
「おい、どうする!向こうは余裕だし、余力ありそうだがこっちは少しずつ削られてる!」
「でも、何かできる隙も与えてくれないみたいだけど!」
「何かしないと負けてしまうでしょ、何か…何か無いの…!?」
「作戦会議か?お生憎様、何も出来ずに…死ね。」
ダークリンクの剣が振り下ろされる。
「『ヒーローソード』ッ!」
範囲型のバリアを出現させる。が、猛攻撃に耐えきれず、ヒビが増えていく。
「もう時間が無いわよ!?何か無いとこのままやられちゃうわ!」
「そう言っても何も無いんだよ!能力も初期状態だし応用できる事もない。」
「…と、とりあえず召喚していい?」
「頼む!」
「………そ、祖に鉄…?」
「も、もしかして未だに口上覚えてなかったのか!?」
「し、仕方ないでしょ!」
「もう何でもいいから召喚して!」
「もう何でもいいからサーヴァント!おねがーい!」
バチバチ…とスパークが発生する。何も無い空間に魔法陣が発生する。光が増大していく。
「チィ、おいアーチャー!」
「分かっているわ。はぁっ!」
矢が飛んでいく。その一撃でバリアが完全に割れる。
「まずっ、」
さらに一矢。
琴葉に吸い込まれる様に撃ち込まれる。
「避けろ!」
「…いや、その必要はありません。」
大剣によって矢が切り捨てられる。
「再び召喚してくれましたね、マスター。キャスター、アルトリア。召喚に応じ参上いたしました。」
「…アルキャス?」
「ええ。アルトリア・キャスターです。尤も、この姿はアルトリア・アヴァロン、とお呼び下さい。」
第三再臨の姿でアルトリアがそこに立っていた。
「面倒な事になったな…ランサー、アーチャー。アイツ、やれるか?」
「どうでしょう。分霊としてこちらに来ているこの霊基では厳しいかも。」
「僕も難しいかも。」
「…そうか。ちなみに俺も力負けしそうだな。何せ、聖剣の守護者サマだ。それに、アイツは光属性、俺は闇属性。ちょっと相性的にもな。」
「相性とかないでしょう。」
「いやいや、あるんだって。つーか聖剣自体が俺と相性が悪いんだよな。」
「…なるほど、神器ですか。」
「神器なら仕方ないですね。」
「逆に聞きたいんだがお前らの神器へとその信頼は何???」
そもそもポップスターは在野の超人が生まれやすい土地。その例がカービィやマルクも特殊な経歴は無いのに、あの強さなのだ。そんなポップスターにあるのが、伝説のエアライドマシンやスターロッドなどの神器である。
さらに幻想郷。そもそも神秘が根強く残る地かつ、忘れられた物が辿り着く地。あの有名な草薙の剣も幻想郷に辿り着き、紆余曲折あって結菜の使うマスターブレードになっている。
そういう理由もあって各々、神器には一定の理解があるのだ。
「…圧倒します。下がっているように。」
「あ、うん…それでは、お言葉に甘えて…」
「助かるわ、ありがとう。」
「礼には及びません。…熱を帯びなさい、マルミアドワーズ。」
剣を構えるアルトリア。
「ははは…なるほど、聖剣の守護者はやはり別格だな。だがな…勇者の影である俺だからこそ、出来る技ってのもあるんだぜ?」
黒いシーカーストーンのような物から瘴気が発生する。
「厄災ガノン…魔術師ユガ…ムジュラの仮面…魔人グフー…他にもあるが、敵勢力の力なら使えるんだ。」
「何…?」
「ほう、なかなか邪悪ですね…ですが。マスター、令呪をお願いします。」
「分かった、令呪を以て命じる!キャスター!宝具を!」
「…黄昏の時よ、再び。」
「マズい!流石に宝具は耐えられんぞ!」
「仕方ありません。宝具…」
アーチャー…八意永琳の弓が弾き飛ばされる。見ると、そこにはスナイパーのコピー能力を使った星奈がいた。
「矢の処理を怠ったわね!」
「チィッ…」
「そこです!」
「見えてるよ!」
後隙を狩りに来たバンダナワドルディの攻撃をジカンギレードで弾く。
「異邦の国、時の終わり。なれど剣は彼の手に。城壁は堅く、勝鬨は万里を駆ける。冷厳なる勝利を刻め…!」
「真円集う約束の星!」
転生者たちに力が湧き上がる。アルトリアの強化である。
「これなら…!」
「ハァ…とんだ貧乏くじだな!聖剣解放!」
ダークリンクは剣を天に掲げる。その構えは、スカイウォード。
「ならば、こちらも本気で行こう!ただし今の段階の、とは付くけどね!」
『ウィザード!フィニッシュタイム!』
ジカンギレードのウィザードライドウォッチを装着する。
『ウィザード!ギリギリスラッシュ!』
炎を纏った斬撃が繰り出される。
「スカイウォード!」
黒く染まった斬撃が飛ばされる。
「ハァーッ!」
「力負け…するだと…!」
「トドメだ!」
斬っ!と肩から腰にかけて大きな傷を作る。
「な、るほど…!確かにこれは、脅威だな…!」
霊核を破壊されたのか、ごふっ、と大きく血を吐き出す。
「あー…ここまでされたんだ。ならば、言うしかないだろ。」
「は…?」
「まだ残り2人いるが、まぁいいだろ。よーく聞けよ、聞き逃すなよ?」
「何を…?」
ダークリンクはふらふらとしながらもこう告げた。
「この世界はお前たちにとって、過去の世界。平行世界でもなく、真の意味での過去。未来のお前たちの精神を過去のお前たちに憑依させたもの。」
「はぁ…?それくらい分かって、」
「いや、分かっちゃいない。まぁ、事情を知らなければそうなるか。後は…残りの奴らに聞け。んじゃあな。魔王サマ。あー…ダークじゃない方の俺によろしくな。」
そのまま、消滅した。
「…どういうことだ?」
「はぁっ!」
「おっと、弓だけでは勝てませんか。では、少し本気を出しましょうか。」
光弾を放つ。即ち…弾幕。
「ちょっと!?それは反則じゃないの!?」
「戦いに反則などありませんよ。それに、これは反則ではありません。光弾を射出している。…ほら、弓兵の御業でしょう?」
「そ、そんな無茶苦茶な!」
「ほら、避けてご覧なさい?」
「…正面から、押し切る!」
スナイパーからソードへと切り替える。弾幕を叩き斬りながら少しずつ近づく。
「スカイエナジー…ソード!」
エネルギーを溜め、飛ぶ斬撃で攻撃する。永琳は体を少し傾けて、それを避ける。
「嘘でしょ、戦闘センス高すぎないかしら!?」
「伊達に異変の首謀者をやっていただけはあるので。」
「ついでに月の何たら、もでしょ!」
「…ふふふ。」
もう目と鼻の先。
「ソード切り替え…バーニング!」
全てを無理矢理に突破する。
「本気ですか!?」
「本気も本気!自傷覚悟で!よろしい!?」
「…ならば、答えましょう!」
いつのまにか、永琳の手には弓が握られており、バーニング状態の星奈に向かって矢が放たれる。
「はああああーっ!」
「…さて、やられるのはいつぶりかしらね。」
バーニング状態を保持したまま、その勢いでドロップキック。
「ぐうっ…!」
流石に苦悶の声を漏らす。
「は、はぁ…はぁ…!」
「…容赦、ないわね…」
「手加減なんて、する余裕、ない、からね…」
「…では、この辺りで幕引きといたしましょう。」
まだ、余力は残していそうな態度だが、退去の光が辺りを包む。
「え、どうして…!?」
「力を認めた、という事よ。それに、私たちは時間稼ぎが目的ですので。」
「時間稼ぎ…」
「事情の一端をお教えしますわ。まず、このままではあなた方は詰んでしまう。それを回避する為、この時間にあなた方は引き寄せられた。ここまではよろしいですか?」
「は、はい…」
「その事情というのが…」
「というのが…?」
「オルガマリー・アニムスフィア。彼女が…何と言いましたか、かるであす、という物に飲み込まれる事が条件となります。」
「かるであす…カルデアス!?な、なぜ…!?」
「さぁ、そこまでは。ですが、そういう理由で私たちは召喚されました。」
「オルガマリーが詰みを回避する条件…?しかもなぜカルデアス…?やっぱり地球国家元首が何か関係しているのかしら…」
「…なるほど。私が喚ばれた理由はそれでしたか。」
「え?」
「なんでもありません。それでは、そろそろお暇いたしますわ。金髪の魔女によろしく言っておいて。」
「え、ちょっと!?」
にこやかに笑いながら、消滅した。
「ぜ、全然事情が分からないのだけど!?というか、むしろ謎が増えたのだけど!?ちょっとー!」
「あ、他の2人もどうにか出来たみたい。」
「くっ…なら後は僕だけっすか…!」
「さて、どうします?サーヴァントであるなら、マスターと契約をしてこちらを裏切らないと約束するのであれば、」
「いえ、契約はしないです。…一応、礼儀として。」
「…そうですか。では。…ロック、カタフラクティシフト!」
緑色の魔術礼装がバンダナワドルディに退路を塞ぎ、大剣…マルミアドワーズで一閃。
「ぐっ…」
「戦い方えげつない…」
そしてやはりか、バンダナワドルディも退去の兆しが見え始める。
「あ、もうですか…!?えーと、手短にお教えいたしますね。カルデアの方達は既にこの特異点に来ています。」
「え、そうなの!?」
「そして、もう一つ。あなた達を足止めするサーヴァントは僕たち3人だけではありません。」
「…!!それって…!」
「あ…すみません、もう時間のようですね。検討を祈ります。」
そして、敵対していたサーヴァントは全員いなくなった。
「…そっちはどうだ?」
「きっちりやっつけたよ。キャスターがね。」
「まぁ、そういう立ち回りだろうし。それで、何か分かった?」
「謎が増えただけ。」
「…そうだ、カルデアの面々は既に来ている…らしい。」
「そうなの?なら、早めに合流した方が良さそうね。」
「いや、前の俺たちをなぞるなら合流はやめた方がいい。」
「それに、どうやら立ちはだかるサーヴァントまだいるらしいよ。」
「ま、まだいるの?」
「うん。詳しい事は分からないけど…」
「話の途中で申し訳ありませんが、サーヴァントです。」
話の途中だがワイバーンだ、のテンションでアルトリアが言った。
「ま、また!?」
「次は誰なのかしら。」
複数の足音。
「ふう、やっと見つけた。」
「どうやら、先遣隊は既に敗北しているようだ。警戒を怠らない方が良い。」
「分かってるよ、キャスター。」
「アサシン、キャスター。無駄話はそこまでだ。」
「バーサーカー、細かい。別にこれくらいいいでしょ?」
「情報を渡すのが危険だと言っているんだ。どこから情報が漏れているのか分からないからな。」
「また3人…!」
「でもこちらはアルトリアがいるんだ、多少の戦力差は…」
「いえ、あの青髪のキャスター…どうやら召喚術師のようです。」
「え、マスターって事!?」
「いえ、別のシステムの召喚術のようです。」
「向こうのキャスターは凄腕だな。ならばさっさと手の内を見せようか。」
「え、もうやるの?私はいいけどさ、こういうのってお約束が大事なんじゃないの?ほら、サーヴァント、クラス名〜、みたいな。」
「…やる必要があるのか?」
「まぁ、せっかくだし自己紹介でもしようか。」
「キャスターのクラス、ウィズだ。…いや、こう言った方がいいかな。図書館所属、空白の書の持ち主。エルくんの仲間だよ。」
「キャスター自己紹介長すぎ。パパッと行くね。アサシンのクラス、銀狼。よろしく〜。」
「サーヴァント、バーサーカー。真名を、加古川飛流。…お前もジオウの力を持っているのか。」
加古川飛流は、時村創真を睨んだかと思えば、舌打ちをして目線を逸らす。
「…?」
「まぁいい。言い訳すらも出来なくなるだろう。」
『ジオウ…!』
「アナザーウォッチ…。予想していたが、そういう事か…俺はお前に何もしていないんだが?」
「王は2人もいらん!…変身!」
禍々しいオーラと共にアナザージオウへと変身。
「嘘だろ…!やるしかないのか…!」
『ジオウ!』『ウィザード!』
「変身!」
「と、とりあえず私たちも行きましょう!」
「ソイツの手出しはさせないよ。各個撃破で行こう。」
「そうだね。下手に手出しして顰蹙を買うのも良くない。」
「行くよ、キャスター!」
「それはダブルミーニング?」
「…ち、違う!」
reload to 冬木。ちなみに冬木はまた来ます。
誤字脱字報告、感想等お待ちしております。
それでは。