気づいたら3月も終わりに近づいていますね。春休みももう終わり。
では、本編どうぞ。
「寝ても覚めてもただ寝心地がいい枕だった…」
「なら良かったじゃない。ちなみにこっちはしっかりドレミーと会ってきたぜ。」
「なんでー!」
「ハッハッハ。それでドレミー曰く、準備に手間取るってさ。流石に過去に遡るのはやったことないらしいからな。」
「そりゃそう。普通にやって過去に行こうとは思わないだろうし。」
幻想郷にやってきてまで行ったことが今の所枕購入と睡眠しかない結菜と楓ペア。
「それで準備はどれくらいかかるの?」
「数日、だとさ。それまではアビリティカードの返還の旅だな。」
「あぁ、確かに貰ったままは良くないもんね。」
「さて、と…じゃあまずは…」
「くっ…!」
「死ね!ジオウ!」
「だからそれは俺じゃな…いっ!」
アナザージオウ…加古川飛流の攻撃を必死に防御する創真。
「え、援護を…!」
「出来たら良いのだけれど!あいにくこちらも防御で手一杯なのよ!」
「余所見?ほら、弱点撃破。」
「させないわよ!ミラー!」
「おっと!?…なんてね、すぐエサにかかる。」
「え?…きゃあ!?」
「ふん、ガツンとくるやつでいこう。」
「キャスター!」
「カルンウェナン、行け!」
「チェシャ猫!カイ!」
「はいはーい、と。」
「はぁっ!」
まさに乱戦状態。しかも、劣勢である。
「ちぃ…どうすれば…!」
「これで、終わりだ!」
「終わらないわよ!…みんな、どうにかガードして!」
「…?何を、」
「コピー能力『クラッシュ』!」
「は、」
「え…」
「ちょ、ちょっと待てェ!?なんで使え、てかお前この乱戦状態でやりやがった!」
「え、あ、アルトリア!宝具!」
「は、はい!」
対粛正防御を味方に付与する。
「行くわよ!クラッシュッ!」
カッ…と辺りに閃光と爆破が起こる。
「ぐああああ!」
「…すまない、カイ!ガードしてくれ!」
「クソ、割に合わない…!」
「ごめん、私も入れてー。」
阿鼻叫喚という言葉を体現したような状況。
アナザージオウは爆破の影響で地面を転がり、銀狼とウィズはウィズが召喚したヒーロー、カイのガードで爆破を逃れる。しかしカイは爆発のダメージからか退去してしまった。
「お、お前…!」
「てへ。まぁ、結果的には良いじゃない?」
「この、クソ女…!」
「誰がクソ女だって!?」
「いやお前しかいないだろ…」
『ビルド…!』
『ゴースト…!』
『フォーゼ…!』
『電王…!』
『ファイズ…!』
「お前達…あの女を殺せ!」
アナザーライダー5人が追加召喚された。アナザージオウの能力…というより、その上位互換、アナザージオウIIの能力であるが。
「いや何してくれてんの!?」
「あー…これは予想外。」
「というか、あの能力…アナザージオウIIのものだろ!?どうして…!」
「何でもいいだろ。行け!」
「流石に無理よ!」
「もう一回クラッシュでもしろよ!」
「昔の時はチャージ時間が必要なの!バンバン撃てないの!」
「ならそれを早く言え…!」
「た、退避!退避ー!」
「させるか!」
「しつこいな、これでも…くらえ!」
『キングギリギリスラッシュ!』
巨大な光の剣で辺りを斬る。土煙が舞い上がり、視界を妨げる。
煙が晴れた時には既にその場から逃げられていた。
「クソ…!」
「あらら、逃げられちゃった。」
「だが、俺たちの目的は達成した。…まだ刻限まで時間はあるけどね。」
「だね。とりあえずゲームでも…バーサーカー?」
「やはり邪魔者がいるからか…」
「…それはどういう意味かな。少なくとも、君1人では勝てなかったと思うけど。」
「ふん、それはどうかな。お前達を倒し、それで証明する!」
「は?支離滅裂なんだけど。バーサーカー、ちょっと落ち着い、」
「行け、アナザーライダーども!邪魔者をぶっ殺せ!」
「チッ、まさかここまで狂気に飲まれているとはね。…アサシン、行けるかい?」
「無理かも。本調子じゃないし。」
「…なるほど。まさか仲間割れするとは…」
「俺がやろう。」
そこに、ライダーが歩いてくる。
「…ライダー!?君は別のところにいたはずじゃ…!」
「どうやら目的を忘れている奴がいるからな。それに、そもそもコイツとは敵対している。」
「お前は…!」
「ほう、俺の事を覚えているのか。なら、話は早い。」
「そのアイテムは…!ライダー、まさか…」
「あぁ、そのまさかだ。」
「…追って来ていないな。」
「アナザージオウの殺意がヤバすぎて本当に大変だったわ。」
「創真、アイツを倒せる?」
「…難しいかもな。ただのアナザージオウならばジオウIIでどうにか出来たかもしれない。でも、能力としてアナザージオウIIのものを使っていた。そうなると、グランドジオウくらいしか対抗手段がない。でも、現在グランドジオウは使えない…」
「八方塞がりというわけね…どうしましょう。」
「どうにか力を取り戻すか、戦力を増やすか…」
「前の時ってどうしてたかな。」
「確か…ヘラクレスに創真がぶっ飛ばされてアルトリアを召喚したね。」
「…そんなこともあったな。」
「後は…祝え?」
「祝え?何を祝…あ、ウォズか!」
「何か、呼んだかな?」
分厚い本『逢魔降臨歴』を持った男…ウォズが現れた。
「ウォズ!?」
「そうとも、我が魔王。」
「やめてくれ。俺はお前の魔王じゃないんだから。」
「…ふむ。何か事情があるようだね。」
「だから、俺を我が魔王、なんて言わなくていい。お前が仕えているのは、異聞帯となってしまった世界線…リィンカーネーションズのほとんどがいなくなってしまった世界の俺だろう。」
「そこまで知っているとはね。それに、前の時と言っていたね。何か事情があってこの地に来たのは分かる。…まぁ、詳しく詮索はしないがね。」
「は、はは…」
「えーと、ウォズだっけ。どうせなら、偵察しに行ってくれないかな。今は何でも使えるものは使いたくて。」
「そういうことならお安い御用だ。後ほど合流しよう。…お客さんが来る前に私は向かおう。」
「え?」
疑問を問う前にウォズはワープした。
「どういう…?」
「3人とも。サーヴァント反応です。おそらく先ほどの。」
「偵察しに行った意味!」
「いや…反応は2つです。」
「ん?1人足りない?」
「…と、とにかく迎撃の準備をしよう!」
とは言っても物資も迎撃する戦力もないためただ待つのみだが。
「お、はっけーん。」
「どうやらここに来る事を予見されていたみたいだね。」
「迎え撃つ武器もないみたいだけど?」
来たのは、アサシンとキャスター。銀狼とウィズである。
「…あれ、アナザージオウ…えーと名前なんだっけ…」
「加古川飛流。」
「そう!加古川!そいつは?」
「あぁ…」
「ライダーにボコボコにやられてるよ。」
「ライダー…まぁ三騎士にアサシン、キャスター、バーサーカーといるんだ。いない方がおかしいか。」
「それで…何の用だ?」
「言わなくても分かってるでしょ?」
銀狼が腕に装着している武器を構える。
「俺はそこまで戦闘狂じゃないんだけど…」
「私も戦闘狂じゃないよ。刃やサムじゃないんだし。」
「誰なんだいその人たち。…ただ、いいのかい?こうやって話を悠長に聞いていて。俺たちの目的は、時間稼ぎだぞ。」
「…そうだった。よし、やるぞ皆!」
「あ、待って。伝言忘れてた。」
「で、伝言?」
「えーと、なんだっけ…」
「『ジオウの力を持つ男だけは通せ。』だよ、銀狼くん。」
ウォズだ。
「ゲ……ライダーくんの元へ案内しよう、仮面ライダージオウ。」
「…明らかな罠に見えるが、行くしかなさそうだな。」
「…創真。」
「星奈、なんだい?」
「向こうに行く前にバイク貸して欲しいのよ。コピーするから。」
「…せめて心配くらいしろよな。」
「あら、そんなのしなくても負けないでしょ。」
「…ねぇ、キャスター。ちょっとあの2人、いい雰囲気じゃありません?」
「そうですね。ちょっと知らない繋がりがあってもおかしくないと思います。」
コソコソ、ギリ聞こえないくらいの声で喋る琴葉とアルトリア。
「…コイツら、ここが戦場だって知ってるの?」
「ま、まぁまぁ…」
「ハァ…」
「じゃ、行ってくる!」
「では、こちらに。」
「彼女さん心配させんなよー。」
「そうだそうだー。」
「え、彼女?」
「どういう話の流れかしら。」
「なんだ、違うっぽいよ。」
「面白くないの。」
「何が!?」
「ほら早く行きなよ。ライダーが待ってるらしいから。」
「なんで敵味方両方から野次飛ばされなければいけないわけ!?」
内心混乱しながらもワープでその場から消えた。
「…あー。」
「…じゃあ、やりますか。」
「何この空気。」
「「貴女が言う!?」」
「えっ、何???」
「…始めましょうか。」
「…そうだね。」
「着いたよ。」
「っと、ここは…」
「ぐぁっ!?」
アナザージオウ…いや、加古川飛流が地面を転がる。退去の光が発生する。
「フン。本物には到底及ばないな。」
「き、貴様…」
「消えろ。お前にジオウの力は過ぎたものだ。」
「く、クソォォォォォ…」
「おや、やる気が有り余っているようだね。ライダーくん。」
「いつまでその呼び名をしている。それで…そいつがジオウの力を持っている男か。」
「そうだが…その姿…まさか…!」
ライダーは腰にあるアイテム…ライドウォッチを抜いて変身を解除する。
「サーヴァント・ライダー。真名は言わなくても良いだろうが…明光院ゲイツ。仮面ライダーゲイツだ。」
「…そうか。俺は、時村創真。転生特典は、仮面ライダージオウの力だ。」
「その力、どこまでモノにしているか…俺が試してやろう。」
『ゲイツ!』
「変身!」
『ライダータイム!』
『カメンライダー、ゲイツ!』
「試す…か。」
『ジオウ!』
「俺が『試す』側だ。…変身!」
『ライダータイム!』
『カメンライダー!ジオウ!』
「ほう、大きく出たな。それがハッタリではない事を祈るが。」
「ハッタリかどうかは…これから分かる!」
『ジカンギレード!』
『ジカンザックス!』
「はぁっ!」
「せぇい!」
剣と斧。火花を散らしながら、何度も打ち合う。
「ほう、なかなかやるようだな。」
「そりゃどう、も!」
『ジオウ!ギリギリスラッシュ!』
『ゲイツ!ザックリカッティング!』
「強い…これが本当にサーヴァントの強さか!?全盛期よりパワーダウンされるはずだろ!?」
「カラクリは知らん。だが…俺のよく知るジオウが細工したようだ。」
「俺のよく知る…って、まさか…常盤ソウゴ!?なぜ…!?」
常盤ソウゴ。原作における仮面ライダージオウ。最高最善の魔王であり、真なる王の器。敵には容赦なく対応する一面もあり、未来世界において君臨する魔王そのもの。ただし、本編最終話にて王の座を返還し、その後の道程は未だ不明…となっている。
「なぜ、常盤ソウゴが…!?」
「さぁな。…ウォズ、聞いているか。」
「一通りはね。こちらのジオウ…未来の時村創真くんとの接触でね。」
「未来の俺…!本当に何考えているんだ…!」
仮想特異点群しかり、今回しかり。
「だが、そんなことはどうでもいい。」
「どうでもよくはないけど…今は確かに関係ない。」
そう言うと、お互い新しいライドウォッチを取り出す。
『ゲイツリバイブ・剛烈!』
『ジオウII!』
「「変身!」」
『リ・バ・イ・ブ!剛烈!』
『カメンライダー!ライダー!ジオウ!ジオウ!ジオウII!』
「第二ラウンドだ!」
「行くぞ!」
「おや、もう来たのですか。まだかかると思ったのですが…」
「残念だったな、紫。回りくどいお使い、全部こなしたぜ。」
「訳わからないのも多かったけどね…!紅魔館でフランドールのお世話、白玉楼で幽々子の飯作り、魔法の森でキノコ採取…」
「…キノコ?それは知りませんわ。」
「…結菜〜!?」
「悪いな、ここまでくれば一つや二つ変わらんと思ってな。」
「な、なんだそれ〜…!」
心底疲れた表情を見せる楓。
「さて、本題といこうぜ。こんな面倒な事をした理由は?」
「実力を測っていたのですわ。耐えられるか。」
「耐える?何に?」
「魔界に。」
「は…。」
魔界。そう聞いた結菜の表情が変わる。
「魔界?何それ?」
「簡単に言えば、人間界とも幻想郷とも違う場所にある世界ですわ。」
「どっちのだ?」
「…ふふ。」
「なぁ、紫。どっちの魔界かって聞いてるんだ。」
「結菜…?」
「そんなに怖い顔しなくても。もちろん、旧魔界の方ですわ。」
「え、魔界に旧とか新とかあるの……うわ、結菜それどういう表情。」
「いや…そうか、旧の方か…ちなみになぜなんだ?」
「気分ですわ…冗談です。そうですわね…顔合わせのためのアポ作りといったところでしょうか。」
「その使者を務めろ、と?」
「はい。詳しくは知りませんが、よくご存知なのでしょう?」
「…まぁな。」
「あ、でも…その前にやる事がありますわね。」
「…やる事?」
「これ、お仲間の物なのでしょう?流れ着いたと聞いておりますわ。」
そう言って取り出したのは……
『キングギリギリスラッシュ!』
「フッ、甘い!」
『スピードタイム!』
橙色のアーマーが展開し、内部から青色の装甲が現れる。剣の斬撃を高速で避ける。
「やっぱ、無法だろ…!」
そう言いながらもジオウIIの能力、未来視を発動する。
数秒後の未来、高速で撹乱しながら、ゲイツはジオウに背後から攻撃する。
「見えた…!そこだ…!」
「俺には届かん!」
未来視を、高速移動で上回る。
「当たらねぇ…!」
「隙を見せたな!」
『フィニッシュタイム!』
『百烈タイムバースト!』
連続してライダーキックをジオウに叩き込む。
「ぐぁっ!?」
その威力に地面を転がる。
「ふん、これで終わりか?」
「終わりな…わけないだろ…!」
肩で息をしながらも立ち上がる。
「(しかしどうするか…剛烈の防御力、疾風のスピード…他のウォッチさえあれば…!いや、無い物ねだりをしても仕方がない。何か…何か無いのか…!?)」
周囲を見渡すと…
「あっ、あれは…アナザージオウ…じゃなくて加古川飛流!?」
地面に倒れている加古川飛流の姿があった。
「えぇ…そのまま放っているのか…」
「何か問題があるのか?」
「いや無いけど…ん?」
加古川飛流の周りに、いくつかのアナザーライドウォッチが転がっているのが見えた。
「確証はないけど…やるだけやってみるか!」
地面に向かって剣を振り下ろし、土煙で辺りを囲む。
「む…」
ゲイツが足を止めたのを見て加古川飛流の元に走り出す。
「(壊される前にやられたのか!ラッキーだった…何のウォッチがある…?ダブル…エグゼイド…アギト…駄目だ、ゲイツリバイブに対抗できない。他は…あった、カブトだ!)」
『カブト…!』
アナザーウォッチを起動する。
「これで疾風に追いつける!」
『カブト…!』
「変身!」
『アナザータイム…!』
『カブト…!』
通常のカブトアーマーとは違い、より悪役らしく、アナザーライダーみたく各所がアナザーカブトっぽくなっている。
「よし、じゃあ…」
「祝え!」
「えっ、何!?」
「全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え、過去と未来を知ろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウアナザーカブトアーマー!今回は継承したわけでないため…簡略版である。」
「うわ、そういえばこういうのあったな…」
「お前、本当にいつもこんな事をしているのか…」
「さて、第三ラウンドだ!」
『フィニッシュタイム!カブト…!』
『クロックタイムブレーク!』
「ほう、スピード勝負を挑むか。来い!」
アナザーカブトアーマーの赤い閃光、ゲイツリバイブ疾風の青い閃光…二つの残光が激突する。
「くっ、余波がここにも…申し訳ないが私は退散するとしよう。」
ウォズはワープで少し離れたところに移動した。
激突するときにのみ衝撃波が発生し2人の残像が一瞬見える。
アナザーとはいえ、流石に一フォームと強化フォームではパワーが違うのか段々と数が増えていく。
「どうした!お前の力はそれだけか!」
「なんの…!はぁぁぁぁ!!!」
『フィニッシュタイム!カブト…!』
『クロックタイムブレーク!』
さらに必殺を発動する。
「まだまだ…これからだ!」
突如、向こうの方で衝撃波が起こりこちらにまでその余波が届く。
「今のは…!?」
「ものすごい衝撃…!向こうで何が…!」
「余所見してていいの?」
「隙を見せるとは、余裕だね!」
「隙?いいえ、これは隙ではありませんよ?」
銀狼のシュートアタックにも意に介さない。キャスター・アルトリア。異聞帯のモルガンと同じ存在。聖剣鋳造のもとになった妖精。それにこの地は、人理の守護者、セイバー・オルタがいるためか、通常よりもパワーアップしている。
「これは…対粛正防御?うそ、そんなチートある?」
「チート?あなたが言います?」
「な、なにおう!?」
「に、しても…あの力…邪悪そのものですが、使いこなせている…やはり、力が増大しているのでしょうか…」
「え、どういうこと?」
「向こうで彼が使っているのは悪の力です。ヒーローの力では無い。」
「…もしかして、アナザーライダーの力を使ってるって事?そもそも、アナザーの力使えたんだ…?」
「なるほど、流石は平成最後の仮面ライダー、という事か。」
「…ウィズ?」
「あぁいや、こちらでもある程度事情は把握しているんだけどね。彼はその強大な力故に未だ全力を出すことがなかった。いや、出す方法が分かっていなかった、という事かな。王の器ではない人間がそこまでやれるのも興味深いが…それに、彼の力は時の王者の力。多少、逆行したとしてもパワーダウンはしないはずなんだ。」
「…へぇ、そうなんだ。」
「知らなかったわ。」
「…まぁそれはいいか。とにかく、ここまで時間稼ぎできたんだ。俺たちの目的は達成されたというべきかな。」
「…な!?」
「も、もう!?」
その言葉に目を見開く。
「…行きなよ。無駄だろうけどさ。」
「え、え?」
「…何が目的なのかしら。」
「さてね。本当に行った方がいいよ?間に合わなくなっても知らないからね。」
「星奈…」
「…そうね。疑問は残るけど、行きましょう。」
「またどこかで会おう。」
「会いたく無いんだけどー!」
手を振るウィズ。
「…よかったの?」
「……何がだい?」
「分かってるくせに。まだカルデアと黒い騎士王の戦いは終わってない。今から行けば、ギリギリ間に合う。」
「…だからだよ。そもそもそういう予定調和にしたくない。俺はね、その予定調和から抜け出した人を知ってる。その結果、世界が消えたり闇に堕ちた人を知ってる。だけど…」
言葉を切って、大聖杯の方向を見る。
「ただ1人の少女が犠牲になるなんて、そんな話はゴメンだよ。それはエルくんでも、スカーレットでも言うと思う。どうにか手を尽くして、それでも無理ならそれはもうどうしようもなかったというだけだ。でも、何か手があるのなら…」
「へぇ、意外と熱いんだね。」
「やめてくれ…」
「まぁ、ここまで来たなら協力しようかな。」
銀狼は電子モニターを展開すると、カタカタと操作をし始める。
「チートを付与するなら、どうする?」
「…そうだね、本来の力…未来での力を使えるようにする、とかはどう?」
『フィニッシュタイム!』
『クロックタイムブレーク!』
「はぁーっ!」
サイキョージカンギレードとアナザーカブトアーマーの必殺技の同時発動。
しかし。
「甘い!」
『パワードタイム!』
「なっ!」
「これで逃げられんぞ!」
ゲイツリバイブ疾風から剛烈に。スピードから圧倒的防御力に。
アナザーカブトアーマーの必殺技はその防御力の前には無力だったようでまるで効いていない。さらに、その状態で腕を掴まれ逃げ場はない。
「これで…とどめだ!」
『フィニッシュタイム!』
『一撃タイムバースト!』
『キングギリギリスラッシュ!』
「どこから…!…チッ!」
伸びる『ジオウサイキョウ』の文字。キングギリギリスラッシュの刀身であり、いくら剛烈でも無視できないダメージを叩き出す必殺技。ゲイツは舌打ちをすると、ジオウを離す。
「…っぶねぇ。」
「妙な小細工を…だが、それもこれで終わりだ!」
「ガンド!」
ゲイツの動きが止まる。
「何…!?」
「ま、間に合ったー…!」
「ヒーローは遅れてやってくる…という事よ。」
「琴葉、星奈!」
「あの2人はどうした?」
「突破してきたわ。」
「あの星奈さん、突破したんじゃなくて見逃されただけなのでは?」
「うるさいわね、概ね一緒よ!」
「概ね一緒でも無いような…あ、なんでもないでーす。」
「とにかく!私達はこれで行くから!」
「…どこに?」
「大聖杯のところにね。今ならギリギリ間に合うらしいから!」
「なっ、だったら急がないと!」
「行かせると思うか?」
「…だよね。難しいかもしれないけど、どうにか足止めしてみせるよ。」
「無駄な事を…」
その時、創真と星奈の体にバグのようなモヤが発生する。
「これは…!」
「力が…湧いてくる?」
創真の手には黄金の光が集まり…グランドジオウウォッチが現れた。
「グランドジオウウォッチ!?」
「何だと…?」
「こっちも…未来の力が使えるって事?」
「えっ、いいな!私も…そういえば私って戦力としてはほとんど変わらないんだった。」
「まぁまぁ…」
「…ふむ。」
「ウォズ…これはどういう事だ?」
「私に聞かないでくれたまえ。」
「ハァ…なら、俺も出し惜しみはしていられんな。」
『ゲイツマジェスティ!』
「マジェスティ…本気のようだね。ならばこちらも。」
『グランドジオウ!』
「みんなは先に行ってて。これを託しておく。」
あるライドウォッチを星奈に渡した。
「分かった。」
「ここは任せた!」
そう言って2人(とサーヴァント1人)は走って行った。
「さぁ、第…何ラウンドか忘れたが、最後のラウンドだ!」
「それはこちらの台詞だ!」
「「変身!」」
『グランドタイム!』
『マジェスティタイム!』
「ほう…いやはや、まさか君たちがここまでやるとはね。計画の予想外にして、私の寛容の許容外だ。48人目のマスター適性者。まったく見込みのない子供だと見逃した私の失態だ。」
「レフ教授…!?」
本来の歴史とは同じ流れ。
「もっとも予想外なのは君だ、オルガ。爆弾は君の足元に設置したのに、まさか生きているなんて。」
「……え?れ、レフ?それは、どういう、意味?」
リィンカーネーションズが介入しなかった歴史。しかし、これこそが詰みを回避するための必要措置。
「なっ…体が宙に…何かに引っ張られて…!」
「最後に君の望みを叶えてあげよう。君の宝物とやらに触れるといい。私からの慈悲だ。生きたまま無限の死を味わいたまえ。」
オルガマリー・アニムスフィア。彼女がカルデアスに触れ、内部の地球に落ち、永きにわたって人体実験を施される。
「いや、いや、助けて、誰か助けて!こんなところで死にたくない!」
「所長…!(駄目だ、間に合わない…!)」
その時である。
猛スピードで影が迫り、オルガマリーに斬りかかった。
「何…!?」
夢か幻か、斬られたオルガマリーは2人に分裂し、片方はそのままカルデアスに飲み込まれ、もう片方は意識を失って影に背負われる。
「…ギリギリセーフ!危ないところだっ…いえ被害はもうあるのよね。とにかく死んではいないわね。おーい、起きれるかしら…?駄目だ、意識がない。」
「な、な…!」
「あ、いたのね。レフ・ライノール。いや…三下、と言えばいいかしら?」
「貴様…!何者だ!」
「ならば、答えてあげましょう。私達はリィンカーネーションズ。人理修復を目指し、平和を望む組織よ。…なんてね。以後お見知り置きを。」
フッ、と小さく笑う。
「後はそうね…」
オルガマリーに手を翳す。
『ムゲン魂!』
仮面ライダーゴースト ムゲン魂の力を持つライドウォッチ。このウォッチを使用する目的はただ一つ。オルガマリーを生き返らせる為である。
既に命が尽きたオルガマリーに寿命を分け与える役目を果たす。
「とは言っても、私達の寿命はなぁ…そう思わない?」
「…は?」
新たに召喚したのは、半機械生命体ギャラクティック・ノヴァ……の残骸である。
「まだこの時計は生きていてね。悠久の時を過ごしている。そこから、大体…100年でいっか。」
オーラがオルガマリーに吸い込まれていく。
「…よし、これでいいわね。
異空間ロードをカルデアに繋げる。
「ほいっ、と。」
その中にオルガマリーを放り込む。
『うわぁ!?よく分からない穴から所長が落ちてきた!?』
レフはこちらに気を向けており、その隙に藤丸とマシュは無事帰還したようだ。
「さてと。…ここからどうするべきかしらね。」
「後は私に任せてくれ。」
「……ウォズね。」
「これで歴史は書き換わった。君たちも帰る時だ。」
「そうね。…ちなみに、向こうは?」
「互角で終わったよ。私は創真くんを応援していたのだがね。」
「あ、そう…」
その瞬間、意識が遠くなる感覚がする。
「これまで、ね…」
「後の事は私に。ではさらばだ。未来の転生者達。」
パチリ。目を覚ます。どうやら深く眠っていたらしい。
「…あ、起きた!?」
「ん…どういう状況?」
「俺が聞きたいんですけど!?所長は急に倒れるし、冬木組はぐっすり眠ってるし!」
「あー…戻ってきたか。」
「創真も!もうわけ分からんのだけど!」
「ん〜…おはよう。あ、カルデア…ということはどうにかやれたのか。」
「これで全員起きた…けど、あとで説明してもらうからな…は?ムゲン魂ウォッチ!?なんて?」
いつのまにか電話が繋がっていたのか、オルガマリーの様子を見て混乱している。
「…とにかく、これで詰みとやらは回避できたようだな。」
「まさかここまで疲れるとは思わなかったけどね。」
「あー…大変だったよ。」
「さて、ここまでは歴史通りだな。」
「…おい、俺にも見せろ。」
「見せるわけにはいかない。君はまだ役目があるからね。」
「何?」
「君には、最終局面…」
ウォズは逢魔降臨歴、ではなく。『Fate/Grand Order』と書かれた本を閉じた。
「おっと、ここから先は少し未来の出来事でしたね…」
「…誰に言ってるんだ?」
次回が二部序章になるか間章が続くかは不明です。
もし間章であれば説明回になります。
ちなみにリベンジ冬木の時系列としては大体10月〜11月の話になります。
二部序章の1ヶ月前。
誤字脱字報告、感想などよろしくお願いします。