後は展開に困ってました。
ちょっと分かりづらいところもありますが、ご了承下さい。
では、本編どうぞ。
2017年12月26日/31日
2017年12月26日。例の日まであと数日、という日。
人類最後のマスター……書類上は……である藤丸立香はこのカルデアともお別れか、と思いながらカルデア内を歩いていた。
「聞いたか?査問会の連中、もう山の麓まで来ているらしいぜ?外の吹雪が止み次第、ヘリでやって来るんだとよ。」
「そうなの?リィンカーネーションズのあの子達ならとっくに来れるのに…この一年で価値観がガラッと変わってしまったわ。」
「だな。それに、魔術協会から選ばれた新所長に取り巻き50人…俺たちは事前情報があって対策できてるが、その査問団はどうするんだろうな…」
「こういうところは直していかないといけないわね…」
もうすぐ来る査問団…その彼らについてカルデアスタッフが話している。既に今後来たる事件についてスタッフには周知されている。
一旦このカルデアを抜け出し、新たな拠点…移動式の拠点に移って行く。藤丸もその事は知っており、新拠点の名前は知らないが準備は万全だと。
「おや、藤丸ちゃんじゃない。散歩かしら?」
「はい。そろそろこことはお別れか、と思いまして。」
「そうだなぁ…これからも物凄い問題が起こるんだろ?俺は技師畑だから魔術に関しては素人も同然だが、それでもヤバいのは分かる。これからここを襲撃されるんだろ?マリスビリー前社長にスカウトされてから15年…家同然のここを去るってのは惜しいところもあるが、仕方ないか。」
「それに、リィンカーネーションズの子達に対策をしてもらっているしね。」
「にしても俺も散歩するかなぁ。もうここにいられるのは短いんだし。」
カルデアスタッフ2人と別れ、カルデア工房にやってきた。
「…おや、立香ちゃんじゃないか。マシュと一緒にいなくても良いのかい?」
「余計なお世話でーす。それに、これでお別れじゃないので。」
工房にはダ・ヴィンチがいた。
「そうだね。…といけないいけない。レポートの途中だった。」
「レポートですか?」
「明日までに急ぎの雑務があってね。このレポートも出したところで意味はないと思うけど、ブラフのようなものさ。というわけで書きながらでいいなら話しても構わないよ。」
「ありがとうございます、ダヴィンチちゃん。緊急脱出装置の事なんですが…」
「それについては問題ないとも!この施設内に無数の出口を用意している。公園にある遊具のすべり台のように地下へと続いている。その地下には技師スタッフや転生者の彼らの力を借りて移動式拠点がある。その拠点でこの場所を素早く脱出するという手筈になっている。」
「それは良かった…」
「君も何か話す事はあるかい?」
「…ふむ。霊基グラフの隠匿ならびに保存、各サーヴァントの退去…これらの仕事の大部分を行ったにもかかわらず、それらがあまり目立たない、というのは少し思うところはあるけどね。」
「ホームズ!?」
「可愛らしい反応ありがとう。しかしレオナルド・ダ・ヴィンチ。私の事は機密事項では無かったかな?」
「もちろん、機密事項だとも。私、ロマニ、オルガマリー…そして転生者の皆しか知らないんだ。カルデアスタッフにも秘密だぜ?もちろん提出するレポートにもホームズのホの字さえない。」
「今後の事件に備え、対策が必要だという事さ。その事件の存在が既に明らかになっているこの状況だからこそ出来た事だがね。事前に事件の内容が明らかになっている事ほどつまらないものはない。しかし人命には代えられない。」
「確か創真くんの力の一つに探偵のものがあったね。えーと、仮面ライダーW、だったかな?いつか平和になった時、勝負してみてもいいんじゃないか?」
「探偵勝負か…」
「だが!今はやる事がある。君もサボってないで働くんだ!」
「あはは…」
管制室。未だ人の出入りが激しい場所であり、中にはオルガマリーやロマニを中心に数多くのスタッフがいた。
「こんにちは。所長、Dr.ロマン。」
「おや、藤丸じゃない。何か用事?」
「いえ、ただの散歩と言いますか…」
「この場所ともお別れだからね。寂しい気持ちも分かるよ。」
「ロマニ。そう言ってもサボタージュは許さないわよ。」
「分かってるさ。ここで準備を万全にしておかないと、大変なことになるからね。」
「なら、良し。それにしても、やっぱりここを離れるなんて不思議な気持ちね。父から受け継いだ時はどうにかしなくちゃ!なんて思ってたのに、今はもうそういう重荷から解放されたみたいで。」
「マリスビリー前所長は色々黒い噂もあったからね…噂じゃなく事実もあるけど。」
「とはいえ、形式上でも所長じゃなくなるなんて、一年前の私に言っても絶対信じないわよ。それどころか騒ぎそう。」
「分かる。」
「ロマニ?」
「…なんでもないです。」
「もうすぐ査問団が来るし、私たちも忙しい。あなたは今後に備えて休みなさい。どうせ査問会という名ばかりの乗っ取りもある事だし。」
「世界を救うためには仕方ないことでも、カルデアは禁則をいくつも破ってしまってるからね。向こうもそれなりの事はしてくるはずだ。立香ちゃんはマスターとして誠実に答えてくれればいい。どうせ魔術の事はあまり知らないのだし、変に嘘をつくよりは良いはずだ。」
「というか憂鬱なのは私たちよ。気が重いわ…」
「こんな時に限ってリィンカーネーションズはカルデアにいないし。連絡は取れるけど、彼らも忙しいらしいし。」
「とは言え、防御手段も提供してもらったし多少は休んでも良いと思うわ。あの子達もまだ10代後半から20代前半でしょ。」
「確かに。」
苦笑いを返すしかなかった。不知火楓は藤丸立香よりも年下なので。
2017年12月27日。
昨夜までの吹雪は既に去り、雲一つない快晴、晴天となった。
カルデアに向かって黒いヘリコプターが飛んでくる。
『あれカプコン製じゃないよね?大丈夫?』
「ちょっと。バイオハザードはやめてね?」
『立香姉、また現実で言ってる。それ側から見たらデカい独り言だから気をつけなよ。』
『…ならもっと良いやり方を教えてくれない?気合い、じゃ難しいんだけど。』
『その気合いとかいう冗談で本当に出来る方がおかしいんだからね?昔からやることなす事全部出来るなぁとか思ってたけどその次元じゃないし。』
『えぇ…』
掲示板を介しての通信。遠くに離れていてもラグ無しで会話できるのは便利だが、少しミスればヤバいやつである。ちなみにどうでも良い会話ばっかりしているせいで雑談用の掲示板がすぐに埋まる。
[査問団到着]カルデア脱出案内板[目指せ全員無傷]
1:開拓の狩人
査問団全員到着!
2:一般通過勇者
確か基本的にゴッフ新所長の私兵とかだっけ。傭兵だっけ。
3:地球国家元首
まだ!まだ私が所長よ!
4:幻想郷の魔女
でも「まだ」なんだ。
5:地球国家元首
……それは今後の状況次第ね。
6:超高校級の希望
それと側にいるピンク髪には注意しろよ?コヤンスカヤって言って、ビーストの幼体…みたいなやつ。
7:ソロモン諸島
またビーストか…
8:万能の天才
ティアマトに続きゲーティア、そしてコヤンスカヤか。
9:開拓の狩人
獣であれば狩猟するのは得意だよ。あ、討伐かな。
10:カルデアのマスター
確かモンスターハンターの力持ってるんだっけ…
11:ソロモン諸島
モンハンかぁ…新作やりたかったなぁ…
12:超高校級の希望
めちゃくちゃ未来、とかのは無理だがある程度のものなら出来るぞ。
13:カルデアのマスター
なんで!?
14:開拓の狩人
こう…入手源があったから…
15:一般通過勇者
あと言峰神父は敵だぞ。…どうせ裏切る。
16:幻想郷の魔女
だなぁ。そいつはマジで気をつけろよ。
17:はるかぜの旅人
今どんな感じかしら。
18:ソロモン諸島
5人1組でまとめられて部屋に閉じ込められてる。
19:カルデアのマスター
謹慎室に入る事なんてほとんど無かったから逆に新鮮で楽しい…
20:開拓の狩人
そりゃあなた昔から謹慎とか反省とかそういうのと無縁だからでしょ。
21:カルデアのマスター
そう言われても……あ、呼ばれた。
22:地球国家元首
気をつけなさい。前に言った通り下手な発言はしないように。ちょっとでも分からないことがあったら私やロマニらに任せてた、って言いなさいよ。
23:カルデアのマスター
分かりました!
64:開拓の狩人
で、結局今は何時間くらい経ってるっけ。
65:万能の天才
そろそろ6時間になるはずだぜ。
66:カルデアのマスター
緊急です!コヤンスカヤさんにAチームの事聞かれたんですけどどこまで話して良いですか!
67:地球国家元首
コヤンスカヤが?……そうね、彼らの名前と魔術適性、過去に時計塔のどこの学科に所属していたか、くらいはいいでしょう。それ以外は言わないこと。
68:カルデアのマスター
了解です!
69:万能の天才
コヤンスカヤか…ビースト幼体という事だが、転生者の君たちからすると脅威度はどれくらいだ?
70:最高最善の魔王
上位のサーヴァントかな。神話系には及ばないが、相当力は強い、はず。対獣は色々と策はあるから大丈夫だと思うが。
71:一般通過勇者
ビーストの力を発揮したら話は別だが、今の段階ではそうでもない。というよりむしろ言峰神父の方が厄介かもな。代行者だったか?対人に特化しているなら面倒だぞ。
72:超高校級の希望
対人なら俺がいればなんとかなると思うぞ?
73:開拓の狩人
いない場合の話をしてるんだけど?
74:カルデアのマスター
それで、これからどうすれば?
75:幻想郷の魔女
あー……数日間部屋で過ごすくらいじゃないか?
76:開拓の狩人
暇だろうしボードゲームくらいは渡しておくよ。
77:万能の天才
助かるよ。ついでに他のスタッフにも渡しておいて欲しいな。あと…そうだな。設備の点検も。
78:はるかぜの旅人
分かったわ。出流に見させる。
79:ソロモン諸島
準備は万全にしているはずだけど、一応ね。
213:万能の天才
…コフィンが開いたよ。疑っていたわけじゃないが、本当にもぬけの殻だったわけだ。
214:ソロモン諸島
並びに、コフィンBからG。中には何もない。
215:地球国家元首
今すぐ警戒を!この場にいないスタッフ全員に伝えて!
216:一般通過勇者
既に進行形で見てるから大丈夫だ。存在が感知されにくくなる『石ころのお面』と仮面ライダーゼロワンの『ザイアスペック』っていうアイテムでのリアルタイム配信で共有済みだ。
217:幻想郷の魔女
来たか。
「よし、ミッションスタートだ。」
『ジオウ!』
『グランドジオウ!』
「柄じゃ無いんだがな、変身するのは…!」
「変身!!」
『グランドタイム!グランド!ジオウ!』
仮面ライダージオウ…は呟く。
「最適解で切り抜ける。」
『クウガ!』
『オーズ!』
『ゴースト!』
仮面ライダークウガ タイタンフォーム、仮面ライダーオーズ ガタゴリーター、仮面ライダーゴースト グレイトフル魂を召喚する。
「カルデアスタッフの保護を優先!余裕があれば敵対生物の足止め!さぁ行って!」
「クソ!ついに来やがった!」
「慌てないで!この時のために渡されたものがあるでしょ!」
「そ、そうだ!え、えーと、こうだ!」
『ハード!』
「じ、実装!」
『レイドライズ!』
『インベイディングホースシュークラブ!』
「よ、よし!」
カルデアスタッフが変身したのは、インベイディングホースシュークラブレイダー…通称バトルレイダーである。
仮面ライダーゼロワンに登場するいわゆる擬似ライダー、怪人というものでありリィンカーネーションズが対策として渡したのがこのプログライズキーなのだ。
派手な音を出したカルデアスタッフ/バトルレイダーに対して襲撃者…殺戮猟兵が銃を向け撃つ。
弾丸による衝撃はあるものの、致命傷にはならない。
「よ、よし!」
「逃げるわよ!」
「そうだな!」
サーヴァントではない、ただのスタッフは戦闘技術を持ち合わせていない。最低限のものはあるが、殺戮猟兵には及ばない。
カルデアスタッフはそのまま脱出場所…格納庫へと向かっていく。
「せいっ!はぁっ!…もう!数が多い!」
「文句を言ってないで!手を動かせ!」
銃弾を躱しながら理玖と楓は言う。
「今どこ!?壁もボロボロで現在地分からん!」
「私に聞かないで!…後ろ!」
「…助かった!」
気を抜くとすぐに敗北に直結するこの瞬間。無駄口を叩きながらも警戒は怠らない。
「『キャストリス』!『アグライア』!」
アグライアの金糸の力で殺戮猟兵達の行動を阻害し、召喚獣ボリュクスを召喚して殺戮猟兵を相手取る。
「今のうちに周辺の把握を!理玖は…。待った、ここ…管制室だ。」
「何だって?」
その時、アナウンスが聞こえてくる。『本来ならば聞こえてくるはずのないアナウンスが。誰も操作するものはいないのに。なぜか聞こえてくる。』
『…ああ…誰か、誰か!誰かいないのか!誰でもいい、誰か、誰かー!』
「マジかよ…好都合じゃん。…楓、隠密できる装備とかあるか?」
「あー…あるよ。でも20秒くらいかも。」
「あるならいい。ゴルドルフ新所長を助けるぞ。」
「まだ新所長かどうかは決まってないけどね!」
「オルガマリーには悪いが、ゴルドルフの方が馴染みあるんでね!」
そうして、管制室に入ると。
「……誰もいねぇ!」
「あれ〜、ゴルドルフ新所長がいたのって管制室じゃなかった?」
正確には、数分前には脱出している。
「マジかやらかした…!とりあえず探し回るぞ!」
「合点承知!」
「流石だわ。この氷も一級品のものね。私がいなければ、この東館は極寒の監獄になっていたわね。だけど…」
スーパー能力ドラゴストームの炎を立ち昇らせながら星奈は言う。
相対するのは無数の殺戮猟兵、そして一基のサーヴァント。
「とはいえ、そこまで大きな声も出していないし、大量の兵士たちに囲まれてこちらの声など聞こえていないだろうけど。」
炎の龍で殺戮猟兵たちを無双ゲームのように薙ぎ倒していく。
「ああ、もう!本当にキリがないわね!」
その時、通信が入る。
『こちら格納庫、オルガマリー・アニムスフィア!スタッフは9割避難完了したわ!』
「あら、それは良い知らせ、ね!」
『一部スタッフは逸れているけど、貴方達のおかげでほとんど無事!後は、最後まで残っていたダヴィンチと、』
その時、通信先で轟音が響く。
「もう、何!?」
『………』
「ちょっと!何があったの!?…返ってこないわね。」
気がつくと、殺戮猟兵の先にいたサーヴァント…アナスタシアがいない。
「これはまずい事になったわ…」
爆発。ものすごい衝撃でそこにいたスタッフ達は吹き飛ばされる。
「…あら、ごめんあそばせ?」
「くっ…あともう少しだというのに…!」
コヤンスカヤの攻撃でスタッフは気絶、かろうじてオルガマリーとロマニは意識を保っているが、それも時間の問題だろう。
「近代兵器がここまで強力だとは…!」
「魔術にも劣らないと思いません?ただまぁ、それも異聞帯の方々には劣りますがね。」
「異聞帯…!」
「あら、ご存知なのですか?どこで知ったのやら…詳しく聞かせてもらいましょうか。」
「伏せろ!」
貴重な一枚を使う。
「『氷符 アイシクルフォール』!」
氷の波がコヤンスカヤ達とカルデアスタッフを分断する。
「貴重な一枚を使ったんだ、早く逃げろ!」
「今のは…サーヴァント、ではありませんね?貴方…何者?」
「言うはずがないだろう!」
「あらあら。」
結菜が弾幕を張り続けながら答える。
その時、氷の壁が破壊される。
「お出ましか。氷の皇女…!」
「……」
「だが、お前の相手は私じゃないぜ。」
後ろから来ていた人影…仮面ライダージオウが行動する。
『龍騎!』
『ダブル!』
『フォーゼ!』
仮面ライダー龍騎、仮面ライダーダブル ヒートトリガー、仮面ライダーフォーゼ ファイヤーステイツが召喚される。
「今のうちだ、今のうちに退却だ!」
「何ですそれ!?召喚術にしてはやけに近代的な装備を、」
「答えるかバーカ!あばよ!」
ジオウ、そして結菜はその場から退却する。
格納庫。本来の歴史より余裕を持って退避できていたはずのその場所に緊張が訪れる。
「やああーー!」
魔術杖を鈍器のようにして殴りにいくキャスター・アルトリア。
「何だってこんなところにまで来てるんだ!」
「というか、誰!?」
無数の殺戮猟兵から守るように立ちはだかるアルトリアと琴葉の前に現れたのは、ある男だった。
「ほう。なぜ、と聞きますか。これが物語の筋書き通りだからです。」
「はぁ!?いや、アンタなんかいなかったよ!」
「えぇ。…そしてそれは、あなた方もでしょう?」
「うっ…それは…」
「だから、この私が選ばれたのです。なので試してあげましょう。あなた方が、あの英雄と同じかどうか!」
「今以外なら良いんだけど!本当に迷惑な野郎だよ!」
「そもそも、この襲撃。何の目的があると思いますか?」
「えっ?えー…汎人類史の撲滅じゃないの?って私は何正直に答えてんだ…」
「半分正解、というところでしょう。」
「…えっ?半分?」
「もう半分はカルデアス、とやらを凍結させるためです。」
「???」
「全てを明かしても面白くありませんしね。私はこの辺りでお暇しましょう。」
「はぁ?いや、待て!」
「期待していますよ。輪廻外の者達。決められた結末から逃れられるか。」
『ブックゲート!』
扉が開いて、男はその中へと潜り抜ける。男が通り抜けた次の瞬間には扉は消えており、その場に残すのは、琴葉とアルトリアのみとなった。
「は、はぁ!?」
「どういう事…?」
「やっと見つけたわ。」
そこに現れたのは、紫髪の長身の女性。
「貴女は…?」
「私は、カフカ。サーヴァントよ。そうね…楓ちゃんの関係、と言ったら伝わるかしら。」
「あ、スターレイル関係のか…ちょうど良かった、手が足りなくて。もし良ければ手助けを、」
「マスター!そいつサーヴァントじゃない!」
「えっ?」
「もう遅いわ。『聞いて』」
その言葉を最後に、意識が途切れる。
最後に見たのは、駆け寄ってくるアルトリアと、不敵な笑みを浮かべるカフカだった。
「迷った!」
「またかよ!俺もだけどよ!」
「ただでさえ似たような景色なのに破壊されてボロボロになってるから本当に今どこか分からない…!」
「掲示板の方は…みんな混乱しているから連絡なし!」
「チッ…!」
「舌打ちしないの!ほら、あのコンテナを目印に…」
ふと、外を見る。度重なる戦闘で外壁が破壊されたのか、外の雪山の様子が確認できた。
コンテナが、滑走している。
「おい見ろ!あれ!」
「何………え?」
コンテナがカルデアを飛び出したという事はつまり。
「既に事を終わっているという事だ。」
「嘘でしょ!?なんで誰も連絡してくれない…待って。この後確か、爆撃されるんじゃ…!」
その時、轟音が響き渡る。破壊音、ではない。明らかに爆撃の音だ。
「マズい、間に合わない…!」
「だろうと思った。」
「カルデアスタッフは全員無事を確認。一部…は置いて行かれてるが、心配はいらないよ。」
「了解、それでは…」
「補習、開始。」
放たれたミサイルはコンテナに向かって一直線に飛んでいくが、突如現れたプレス機によってコンテナに着弾する前に爆発する。
「あれは…オシオキの?」
「なんでもいい!無事ならそれで…!」
「ここにいたのか。」
「あぁ、俺たちは無事…」
振り返ってみると、そこにいたのは4人。
桃瀬星奈。
高野結菜。
佐藤出流。
そして、ロマニ・アーキマン。
「な、んでロマニここにいんの!?」
「それはひどくないかい!?」
「いや、そういう意味じゃなくて向こうに行ってないかって…」
「いや待て。…お前がここにいるのはおかしい…出流。ならさっきのは…」
「これで、分かるか?」
出流が取り出したのは、ジオウライドウォッチ。
「あ、そういう。能力の交換ね。」
「………そういえばそんなものもあったな。」
「それより、楓。ワープ門出してくれ。」
「えぇ。星奈でいいじゃん。」
「違うのよ。…何か、使わない方がいい、そんな気がして。」
「使わない方がいい…?」
「さっきからこればかりでな。行き先は…あー…一旦幻想郷で。」
「え?コンテナに行けばいいんじゃ?」
「そのコンテナ爆走状態なんだが。」
「待ってほしい。話をするのはいいんだが、あれを見てくれ…!」
地表にまっすぐ向かって進む光。それも7つ。
「…急いでくれ!白紙化が来る!」
「わ、分かった!『開け、百界門!』」
『良いのですか?彼女を彼らの元に帰してあげなくて。』
「えぇ。それにあの子にはまだ利用価値がある。サーヴァントシステムの解析のためにね。」
『そうですか。』
「準備は整ったよ。君たちも来るといい。いくら君たちが強くても、白紙化には耐えられないだろうし。」
「ありがたいわね。貴女も来るでしょう?」
「…貴女達…」
「おっと、そこから先はまだ早いわ?貴女に許された行動はここで消えるか、大人しく従うか。」
「…今は従うよ。気になることもあるし。」
「賢明ね。」
次回も未定です。