柔らかい世界と硬い世界。………あと河童ァ!   作:東風ますけ

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読んでくれてタコス。作者の本性が現れ始めたなぁ。


第5話「さて、状況を整理してみよう」

 

 

太陽は沈み、空には煌めく星々が浮かんでいる。街を見下ろすと街灯が辺りを照らしている。人はまだ起きている時間だ。そんなありふれた景色を見ながら河童の少年はこう呟く。

 

「やっぱなんか違うんだよなぁ。たしかに俺は異世界が好きで、いつか行ってみたいなとは思っていたが実際に来てみるとなんというかその、コレじゃない感がハンパない」

 

「具体的にはどんなふうにっキャ?」

 

「そうだなぁ………やっぱ、酒が飲めないことかなぁ」

 

「ルーベルトは飲んだことないくせに面白いことを言うっキャねぇ。そういえばルーベルト?」

 

「ん?」

 

「この世界に来たときのことを覚えているっキャ?」

 

何かそのセリフロマンチックだな。

そして俺が「ああ。あの時のだな」と頷くとキャロの口から衝撃の事実が発覚した。

 

「実はソフトワールドに来るときの召喚方法。あれ、行き先が完全にランダムっキャ」

 

「へー。じゃ、あれか?俺たちが火山の真上に飛び出して親指を立てながら沈んでゆく世界線があったのか?或いは海の上で水底まで沈む世界線もあったのか?」

 

「そうゆうことっキャ」

 

「ははっ」

 

もう何を言われても動じない気がする。気にしない気にしない。何で冷や汗が出てくるんだろうな?

 

にしても窓に手をかけて黄昏るのも悪くないな。

っと、酔っ払い共がコッチを見つめてきた。酔っ払い共はジョッキを片手に話しかけてきた。

 

「おーい!ルーベルト達もコッチおいでよー。主役がいなきゃ酒が進まないよぉ」

 

「そうだゾ。オデ達の酒の肴になるんだナ。ルーベルト」

 

「二人共。あんまりルーベルトをイジメ過ぎないようにしてくださいよ」

 

「そう言うジャガガこそ良い顔し始めてるよ?」

 

「あはは!バレちゃいました〜!」

 

「駄目だ。完全にイかれてる。というか主役がいないのに酒進みまくってるやんけ。ん?でもジャガガが飲んだの、その一杯だけか?」

 

メッチャ酒弱いやんコイツ。体がデカくてもアルコール耐性は比例しないか。逆にほか三人は酒樽を何個も空にしている。何処にそんな入るんだ。やはりこの世界の法則は俺の居た世界とはかなり違うらしい。何故こうも天邪鬼なのか。まぁ厨二心は疼くがな。

 

「ルーベルトはなにか飲まないのかい?これなんかどうかな………?」

 

カッブが何かの飲み物を棚から取り出した。とても高級そうな瓶に入っている。緑色のラベルは俺好みだ。

 

「特製のキュウリソーダだよ!前の君が愛飲していた至高の一杯さ!ボクも飲んだことあるけど、ボクには何が美味しいのか当時。わからなかったよ。今もよくわからないけどね」

 

とカッブは瓶に頬ずりしながら言った。

確かによく瓶を見てみるとキュウリのマークのラベルが貼ってあった。

 

「これはすごいよぉ。前の君が死んでも離さないというほど気に入っていたんだよ。何でも、飲むとその………「飛ぶ」らしいよ」

 

ゴクリ………前の俺がそんなにも大切にしているものなら少しは期待をしても良いのではないか?

 

瓶を開けると、ポンッ!といい音が鳴った。炭酸?かな?少しだけシュワシュワしている。カッブがキュウリソーダをグラスに注いでくれた。そうするとキュウリソーダは少し緑がかっていることがわかった。いざ、実飲。

 

「いただきます」

 

ゴキュッ!ゴキュッ!

 

瞬間。俺の脊髄に稲妻が走った。シャトルラン並みに全力疾走してる。

 

「ううううめめめえええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

美味い。マジで美味い。人間とは本当に美味い物を食べると美味いしか言えなくなることを今、初めて知った。俺、河童だけど。

 

「ははは!ルーベルトが面白い顔をしてるっキャ!元から面白い顔してるけど」

 

「黙れメスガキ。わからせるぞ」

 

「最近は逆わからせというものがあるのはご存知っキャ?」

 

「具体的にはどうやって?」

 

「防犯ブザーをプラプラさせる」

 

「ごめんなさい」

 

「よろしいっキャ」

 

俺とキャロが大喜利をしていると他の三人が荷物をまとめ始めた。どうやら帰るらしい。

 

「じゃ、また来るね〜。楽しかったよ〜」

 

「楽しかったです。また来ます」

 

「ジャガガ。オデにおぶられながら言ってもカッコよくは無いんだナ」

 

何かジャガガがモヤモシに本当におぶられてんだけど……。せめて逆であって欲しかった。青年がロリに背負われるというこの世の終わりみたいな光景をなんで俺は目撃しなきゃいかんのだ。

三人の存在自体がカオスそのもののような奴らの別れ言葉に俺たちは…。

 

「じゃあねっキャ!また来てねっキャ!」

 

「またな〜」

 

再開を、約束した。

 

■■■■■■

 

三人が帰り、後片付けをしたあと、キャロが突然、

 

「今から本城に行くっキャよ。ルーベルト」

 

「今からか?ここからどんくらいだ?」

 

俺の問いにキャロが、

 

「大体、徒歩一分位っキャ」

 

「へー。近いな。多分俺、もう何言われても動じないわ。でも本城っていうからには大きいはずだよなー。でも、周りにはデカい建物無かったぞ?」

 

異世界来てから何か変な耐性が付いちまったな。主に驚きと言う感性が鈍った気がする。まぁいいや。

 

キャロは本城へ向かって歩き出した。

俺は例の如く、キャロの後ろを間抜け面でついていった。にしても寒いな。俺の居た世界は今夏だったけどコッチは今冬かぁ。っと、キャロが足を止めた。着いたみたいだな。

 

「ココが本城っキャ!」

 

本城と言われ視線を正面に向けるとそこにあったのは、

 

「小屋じゃねーか。まさかこれが本城か?」

 

そう、小屋だ。しかもかなりボロボロ。

 

「そうっキャ。ワシ達が住めばそれはもう本城っキャ。住めば都っキャ。こう見えても中はキレイっキャよ。あと地下もあるっキャ」

 

「とりあえず中、だな」

 

俺が扉に近づくと扉が、

 

「ウイーン」

 

自動で開いた。あと喋った。「ウイーン」って。おいおいマジかよ…….なんでそこだけ無駄にハイテクなんだよ!自宅につけんなら王城にも付けろよ。王城は押し扉だったぞ。

 

「それは前のルーベルトが王城はせめて異世界っぽい物として取っておこうって言って付けたがらなかったからっキャ」

 

「心を読むなよ」

 

「クセになってるっキャ。(ルーベルトの)心を読みながら話すの。っキャ」

 

「それがやりたかっただけだろ絶対」

 

家に入った。確かにキャロの言う通り中は外見ほど悪くない。ていうかキレイだな。

家電も俺の居た世界の21世紀初頭位の物が多い。

 

「さて、ルーベルト?鼻塩塩。あれは今から36万いや、1万四千年前だったかな?まぁ良い。ワシに取ってはつい昨日の出来事だ。ルーベルトにとっては明日の出来事。(さっき900歳って言ってたやん)ルーベルトはこの世界、ソフトワールド。そしてルーベルトの世界。ハードワールドの「時間」の差って考えたことあるっキャ?」

 

「それをやりたかっただけパート2。んで、「時間」か?そういや異世界に来た興奮で考えたこと無かったわ。何日たったん?」

 

「あー。大体3日とちょっとっキャ」

 

「3日かぁ。家族は心配しているかな?心配してるよなぁ。どうするかなぁ……」

 

メッチャ家族には心配かけちまったなぁ。時間を戻せたらなぁ…。まぁ過ぎたことはどうしようもないか。

 

「喜ぶっキャ。ルーベルト。この世界とあの世界の時間の流れ方は違うっキャ」

 

「お?早いのか遅いのかで泣くか喜ぶか決めるで言うてみ?」

 

「遅いっキャ。良かったっキャな。ルーベルト」

 

「やったぜ。全力河童少年。異世界の小屋の中で喜びを噛みしめる。やったぜ。……いや本当に浦島太郎状態に成らなくて良かったぜ」

 

「昔話をゲームの状態異常みたいに言うなっキャ」

 

「まぁまぁ、それは置いといてくれ。んで、どれくらい差があるんだ?」

 

キャロは大げさなリアクションで三回転してから言った。その回転具合は正にスケーター。

 

「まぁ大体30倍前後っキャ」

 

「大体?変化するのか?」

 

「時間って言うのは常に動き続けるモノっキャ。水のように変化し続けていて色々なカタチになるっキャ。つまるところ不安定なんだっキャ」

 

「なるほどなー。んじゃあっちではまだ2、3時間しか経っていないのか」

 

「そうゆうことになるっキャね〜。ん。そろそろ寝るっキャ?」

 

「せやな」

 

「支度するっキャ」

 

キャロはそう言うと押し入れから敷布団を取り出して敷き始めた。

 

「あ、そうだったっキャ。お風呂にまだ入って無かったっキャ。ルーベルト。お風呂。洗ってこいっキャ」

 

「了解!洗ってくるぜ!」

 

お風呂場に移動した。

 

やっぱタイルの壁は良いねぇ……。このツヤがたまらない!っと。はよ洗わんとしばかれる。

 

シャカシャカ。ゴリゴリ。バリバリ。

 

ヨシっ!風呂洗い完了っと!

 

「終わったぜー!」

 

タッタッタ!

 

居間に戻ると布団が敷き終わっていた。いた、板………まな板。

 

「まな板!」

 

「ぶっ飛ばすぞっキャ」

 

「シテ……ユル……シテ」

 

「てゆうか、風呂洗いで聞かない音が時々聞こえたけど大丈夫っキャ?」

 

「大丈夫★」

 

「キッツ」

 

「辛辣ゥ」

 

何もそこまで言わなくても……。俺だって!俺だって!………特に無いわ。真面目に生きたことなんてあったかなぁ?いいや。ない。

 

「言ってて悲しくならないっキャ?ルーベルト。先に入ってこいっキャ」

 

「了解!行って来るぜー!」

 

ダッシュ!ダッシュだ!Bだ!B!風呂RTA界隈で名のしれた俺に入れない風呂は無いぜ〜!タイム連打も試しとこ。

 

■■■■■■

 

ふー。さっぱりした。さて、完走した感想ですが(激ウマギャグの味をしたタコス)。

 

「風呂。最高」

 

「お気に召すようで良かったっキャ」

 

「ああ。先に悪いな。空いたぜ。今なら河童の出汁入りだぞ」

 

キャロはやれやれといった様子で、

 

「見たら分かるっキャ!あとその言い方をされると入りたく無くなるんだよね」

 

キャロは風呂に向かっていった。(ダッシュで)てか家の中が外見の3倍くらいデカイの何でだ?異世界パワーか(悟り)。

 

俺はそこらへんに転がっていたリモコンを手に取る。

あ。テレビあるじゃん。見よ。へー。どっちの世界も変わんねぇなぁ。

 

ん?このアナウンサーカッブじゃね?アイツアナウンサーだったのか(驚愕)。神様が何でアナウンサーしてるんだ?

 

「今日はタコスがいつもより5割売れたそうです。やはりキャロ女王陛下の帰世界が影響しているのでしょうか。街では前国王。タコス大好き。ルーベルト陛下を見たとの声がありました。しかしまだ偽物や見間違いの可能性があると言う国民も。まぁボク的には本当にルーベルトが帰ってきたんだと思うよ〜。以上!

 

『美味っとタコスニュースでした!』

 

たーたーたーたー〜〜……。」

 

緩い感じが癖になる番組だな。てか俺のことが噂になってたのか。

 

「ん?そういや王位継承をするする言ってたけど結局やんなかったな」

 

「あっ!忘れてたっキャ!明日。明日正式にやるっキャ」

 

「お。出たか。お風呂上がりっていうのは基本的に扇情的になるはずだがキャロは色気がゼロだな」

 

「キレそう(そこはかとない怒り)」

 

「まぁまぁ。よし。寝るか」

 

「賛成っキャ。今日はもう疲れたっキャ」

 

電気を消して二人で布団に入った。落ち着くなぁ。

 

「なぁ。キャロ?寝る前に一言言ってもいいか?」

 

「何っキャ?」

 

「俺、枕が変わると寝られないタイプなんだよね⭐︎」

 

「さっさと寝ろ」

 

「辛辣ゥゥ!」

 

濃い一日だったせいか、俺はすぐに微睡の中に落ちていった。

 




ネタが多いなぁ。

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