気がつくと三人は草原にいた。周りは草木や花が生えていて、遠くには街らしき物が見えている。
「トレーナーくん?大丈夫かい?意識がはっきりしてないようならタキオン特製気付け薬を飲ませることもやぶさかではないが。」
「いや飲まないし。意識もはっきりしてるから問題ないぞ。」
(以下カフェ)「それにしても…ここはどこなのでしょうか…。」
近くには見たことないような植物や動物もいる。ここがトレセン学園、というより日本ではないことは確かだ。
「そもそも、なんでこうなったんでしたっけ…?」
とりあえず俺達三人はここに来る前のことを思い出すことにした。
「新作ゲームを買ってこれたし、美味しいコーヒーも飲めたし、今日は楽しかったな!」
「あの店は雰囲気も良くて、コーヒーの味がより美味しく感じられました…また行きたいですね。」
「ああ。また休みの日に行こう!」
トレーナーはカフェとお出かけに行った帰りに新作ゲームを買ってきていた。書類仕事やレースでしばらく忙しかったが、最近は落ち着いてきたのでせっかくならばと購入したのである。
カフェも疲れていたトレーナーを見兼ねて、お出かけに連れていく事で気分転換が出来たら…と今日誘ったのだ。
「ふふふ…!ついにできたぞ…!これがあれば私は……!!!」
「今日も元気にマーベラース☆」
一方、向かい側からはアグネスタキオン。そしてマーベラスサンデーが周りを見る気配もなく走ってくる。
4人とも、ぶつかる直前まで周りが見えていなかった。
「「あっ」」
「あっ」
「マーベラース☆」
ちゅどーん!!!!
そして現在の状況に至る。いつの間にか二人は勝負服になってるし何がどうなってるんだ…
「そういえばマーベラスがいないね。」
「まぁ彼女のことだし何とかなるだろう。」
「それでいいんですか…。」
「とりあえず現状の整理からだね。私達三人は事故で違う世界に飛ばされた…のだろうな。まあそれしかわかっていないのが問題だが。」
「そういえば何かこの世界って俺が買ってきたゲームに似てるような…」
「なるほど…トレーナーさんはどんなゲームを購入されたのですか…?」
「俺が買ったゲームは、『ウマ娘ファンタジー 〜7つの秘石の秘密〜』だ。」
「そのウマ娘ファンタジーとやらはどんなゲームなんだい?」
「その質問には私が答えましょう。」
「!?」
すると透明なモニターのようなものが浮かび上がり、顔が表示される。この顔は確か…
「こんにちは。私はあなた達冒険者のサポートをするこの世界のガイド、ミホノブルボンです。」
「なるほど。じゃあブルボン君。質問に答えてくれるかい?」
「了解しました。応答モードを起動します。」
「まずこの世界はどんなところなんだい?」
「現在、あなた達はナックス大陸のケースビット王国という国にいます。この世界からの脱出、つまりゲームクリアをするには7つの秘石を集める必要があります。」
「あなた達はこの世界で『特技』と『特性』という物を持っています。試しにトレーナーさん、『ステータス』と唱えてみてください。」
「わかった。ス、ステータス!」
すると、透明なタッチパネルのようなものが現れた。勝手に浮かんで、何やら文章が書いてある。
◎トレーナーのステータス
●レベル1 スピード:16 スタミナ:12 パワー:10 根性:13 賢さ:59 無属性
●特性【天性の観察眼】使用者のレベル以下の相手の特性・ステータス・レベルを閲覧することができる。使用者のレベルより上だった場合には一部しか見れない。
●特技【平和的解決】相手の体力が一定以下の時に使うと戦闘を終了させることができる。無属性魔法。
「なるほど、結構色々書いてあるな…」
「天性の観察眼に平和的解決…なるほど、戦闘向けではなく指揮官の様な後衛タイプか。レベルも低めなのはヒトだからもあるだろう。」
「トレーナーさんはヒトですし、基本的にはウマ娘の方がステータスは高いですね。」
「このステータスって周りの皆に見えるんですね…。となるとあまり外ではできないのでは…?」
「唱えると周囲の人間に見えますが、心の中で念じると自分にのみ見えるようにすることができます。今回は最初なので、お二方も唱えてみましょう。」
「ステータス。(!)」
すると二人の前にも同じようなパネルが出てきた。これが二人のステータスなのだろう。
◎マンハッタンカフェのステータス
●レベル5 スピード:83 スタミナ:98 パワー:94 根性:86 賢さ:89 闇属性
●特性【漆黒の摩天楼】「お友達」を喚ぶ事ができる。強さは召喚者に依存する。
●特技【スタミナグリード】対象のスタミナを奪い、自身のスタミナを回復する。無属性魔法。
◎アグネスタキオンのステータス
●レベル5 スピード:92 スタミナ:85 パワー:85 根性:88 賢さ:100 光属性
●特性【超光速の粒子】対象のスピードをあげることができる。
●特技【狂気の科学者】スタミナの消費量が増えるが他の属性の魔法を使用することができる。
「これは…ふぅん、自分のステータスを見るのはなかなか面白いものだな。カフェもそうは思わないかい?」
「ええ……この属性やスピード等は何を示しているのですか?」
「それについては…右側の岩場に丁度よくスライムがいるので戦いながら説明しましょう。」
見てみるとそこには大きなゼリーみたいな物がいる。これがスライムか…結構動いてて面白いな。
「まず、トレーナーさんは特性でステータスを閲覧してください。特性を使うにはスキル名を念じてください。」
ブルボンから説明されたように念じてみる。するとスライムのステータスが浮かび上がった。
◎スライムのステータス
●レベル1 スピード:11 スタミナ:10 パワー:8 根性:5 賢さ:3 水属性
「なんか色々出てきたぞ!レベル1…そして水属性だ。」
「この世界には属性というものがあります。基本は水、火、土、風、光、闇の6種類です。スピードは速さ、スタミナは体力、パワーは攻撃力、根性は防御力、賢さは特性や特技を使える回数となります。」
「なるほど、俺はそういった敵の情報を見て、二人に伝えればいいんだな?」
「その通りです。では次にカフェさんは特性で『お友達』を喚んでみてください。」
「こんな感じですか…?……なんか小さい私が出てきましたが。」
「それで問題ありません。どうやら今のカフェさんがお友達を召喚するとカフェさんの姿を真似て、実体化して出てくるようです。ではそのお友達とスライムに向かって、一緒にパンチしてみてください。」
「わかりました…えいっ。」
カフェとお友達のパンチ!
スライムに89ダメージ!
スライムに42ダメージ! スライムを倒した!
スライムの液体を手に入れた!
トレーナーはレベルが2に上がった!
「スライムにパンチが効くとは思いませんでした…。まあ何も持ってないですし、パンチするしかないのは仕方ないですね。」
「戦闘お疲れ様でした。動きは分かって頂けたでしょうか。」
「ああ、なんとなくはな…タキオン、さっきから全く喋らないと思っていたらデータを取ってたのか…。ダメではないがタキオンも戦闘に参加してくれ。」
「私にあんなベチャベチャしたものを殴れというのかい?お断りだね。」
「そんなタキオンさんのために今度は魔法について説明しましょう。大丈夫です、難しいことはありませんので。」
「またスライムと戦うのか?」
「はい。皆さんには前方にいるスライムの群れと戦っていただきます。」
「え、でもあの群れは5~6匹はいますよ…。」
「そういった集団と戦うための術が魔法なのですまずはカフェさんから。カフェさんの特技は単体攻撃です。心で対象を捉えて、その方向に力を放ってみてください。」
「そう大雑把に言われましても…。」
そういいながらもカフェは黙って集中し、スライムの群れの1匹に向かって右手を向けた。そして
「スタミナグリード!」
瞬間、カフェの右手に吸い込まれるような渦が生まれ、スライムの1匹に伸びてゆく。
その渦はスライムを捉えると、スライムから何かを吸っているように見える。やがてスライムは小さくなり、弾けた。
カフェのスタミナグリード!
スライムCに84ダメージ!カフェの体力を42回復!スライムCを倒した!
スライムの液体を手に入れた!
「不思議な感じ…これが魔法…?」
「ほう!これは面白い!素晴らしいデータが取れるぞ!」
「おいタキオン。何かに書きとめたくなる気持ちはわかるが君も魔法を使えるんだから戦ってくれ。」
「カフェさん、見事です。初めてとは思えませんでした。」
「ありがとう…ございます。」
「次はタキオンさんです。タキオンさんの魔法は応用で無限大の動きができますので想像力が大切です。」
「無限大…というと?」
「特技を使用することで他の属性の魔法を使ったり組み合わせることが可能ですので、臨機応変に動けるからです。今回のスライムは水属性なので、土属性の攻撃が有効となります。」
「どうすればいいんだい?」
「頭の中で作りたいものをイメージしてください。土の壁、崖、大きな岩…それを任意の場所で起こすだけです。」
「ふぅん…まあやってみようじゃないか。」
そう言いつつもタキオンは凛とした顔になり、何かを狙っている。そして
「堕ちよッ!」
そう唱えた瞬間、突如巨大な岩が頭上に出現し、スライムたちを押しつぶした。
俺達は口を開けたまま、しばらく動けなかった。
タキオンのメテオ!
スライムAに145ダメージ!スライムAを倒した!
スライムBに142ダメージ!スライムBを倒した!
スライムDに146ダメージ!スライムDを倒した!
スライムEに140ダメージ!スライムEを倒した!
スライムの液体を5つ手に入れた!
トレーナーはレベル5に上がった!
カフェはレベル7に上がった!
タキオンはレベル7に上がった!
「……トレーナー君」
「……なんだタキオン」
「すごいなこれは!!いきなり大きな岩を出現させて、敵を押しつぶす…これが……まほ…う………」
そういうとタキオンは倒れた。
「タキオン!?タキオン!!??」
「呼吸はありますし、おそらくスタミナの使いすぎだと思います。寝かせてあげましょう。」
「その通りです。しばらくすればまたタキオンさんは目覚めるでしょう。」
確かに特技説明にも書いてあった。ステータスを確認すると【睡眠】と書いてある。
「そりゃあんだけの魔法撃ちゃあなぁ…まぁとりあえず、タキオン背負ってどこか行くか。」
「えぇ、そうしましょう。ブルボンさん。このあとはどうすれば良いですか?」
「近くに村があるのでそこに行きましょう。ギルドに行って、冒険者登録をしておくと、お金を稼ぎやすくなります。」
確かに、この世界でも生きていくのにお金は必要だ。一行はブルボンの説明に従いながら村へ向かうのであった。
こんにちは、作者の時雨boyです。
今まで読み専だったのですが、書きたいものができたので試しに投稿してみることにしました。
モチベとアイデアが続くうちは書きます。
属性とかの設定は他ゲームを参考にしてます。
文字数はどのくらいが読みやすいですか?
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5000文字以下
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5000~7500文字
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7500~10000文字
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10000文字以上