大魔牛を倒し持ちかえったトレーナー達は、一緒に倒したターボ、イクノ、マチタン、テイオーと宴に興じる。そのさなか、テイオーがトレーナー達のパーティーに、更にネイチャがターボ達の旅に同行することを決めた。一同は新しい仲間が加わることに喜びながら解散し、明日の旅立ちに備えて眠るのだった。
窓から日差しが差し込み、外から鳥のさえずりが聞こえてくる。俺は重い瞼をこすりながら体を起こした。
「ふわぁ...。」
「トレーナーさん...おはようございます...。」
「おはようカフェ...ってあれ?ここは......?」
「もしかして忘れたんですか...?私たちはゲームの世界に入ってしまったんです...。」
「ああ、そうだった...」
普通に忘れていて気づかなかった。俺たちはあの爆発事故(?)でゲームの世界に入ってしまったのだった。
「だいぶぐっすり寝れたな...そういえばカフェ、今何時ぐらいかわかるか?」
「それが、この世界に入ってから時計らしきものを見ていないんです...。」
「そんなことあるか...?いや、確かにこっちに来てから見てなかった気がする...。」
「こういう時はブルボンさんに聞くべきでしょう...。ブルボンさん、質問があるのですが...。」
「はい、おはようございますカフェさん。質問とは何でしょうか。」
「この世界での時計について知りたいです...。」
「時計についてですね。了解しました。」
「まずこの世界での時計は珍しいもので、魔力を使って時の流れを知ることができる人以外は教会や役場が鳴らす鐘の音を頼りに生活しています。朝の九時から三時間おきに六回鳴るようです。」
なるほど、確かに昔は時計がなかった時代もあるわけだしな。ターフの上でも普段暮らす上でも今まで時間にとらわれ続けていたし、時間を気にしすぎない生活も良いかもしれない。
「この村にもギルドがありますので、そちらの中にあると思います。他に質問はありますか?」
「では一つだけ...この世界にコーヒーはありますか?」
「コーヒーですね。コーヒーや紅茶、ココアなどの嗜好飲料は今日向かう宿場町かケースビットの城下町にある休憩所で販売されています。ですがこの世界で飲料水や沸騰に使うエネルギーを考えるとそこまで流通しているわけではありません。」
「大抵は家で飲まれる中流層以上の方が買われるようです。たまに魔法を使える方が豆や粉、ミルなどを携行し旅先で飲む事もあります。ですが、豆や粉はともかくミルなどの道具は高価ですので、私たちが携行するのはだいぶ先になるでしょう。」
「なるほど...とりあえずこの世界にもあるのですね...。教えていただきありがとうございます。」
「この村からカーラックの宿場町に向かうのであれば、九時の鐘が鳴るころに出発すれば、日没よりは前に到着するでしょう。ではまた何かあれば呼んでください。」
そういうとブルボン人形はしゃべらなくなった。相変わらずタキオンはまだ寝てるし、再び二人だけの静かな時間に戻る。
「そういえばトレーナーさん。身支度をしてからでも良いですので...私の髪を編んでいただけませんか...?」
「昨日言ってたやつか。いいよ、顔洗ったりとかしたら編むな。」
「ありがとうございます...。」
カフェにそういいながら廊下にある洗面台に向かうと、ばったりテイオーと遭遇した。俺がめをぱちくりさせながら固まってるとテイオーから声をかけてきた。
「トレーナーおっはよー!どうしてそんなに固まってるの?」
「て、テイオー?何でここにいるんだ?」
「えー?だってこの村の宿ってここしかないでしょ?」
「確かに...言われてみればそうか。他の三人は?」
「みんなまだ寝てるんだよねー。ボクだけ先に目が覚めちゃって、顔を洗いに来てたんだ。」
「なるほどなぁ。そういえば俺たちのパーティーに加入するって言ってたけど、朝ごはんはどうするんだ?」
「一応三人と食べるつもりだよ。まぁ皆は食べたらすぐに出発するみたいだし、食べ終わって見送ったらそっちに合流するね!」
「ああ、そうしてくれると助かる。」
「おっけー!じゃあ、後でねー!」
「おう、後でな。」
そういいながら部屋に戻っていくテイオーを見送り、俺は顔を洗うことにした。確かに宿が一つしかないとはいえ、こんなにばったりと遭遇するとは思わなかった。まぁそういうこともあるかと思いつつ俺は部屋に戻った。するとカフェが待っていた。
「トレーナーさんおかえりなさい...大分遅かったですが、何をされていたのですか...?」
「すまん、洗面台のところでばったりテイオーと遭遇してな...今日の事について話してたよ。」
「そうですか...なら仕方ありませんね。では、お願いします...。」
「りょーかい。じゃあ昨日みたいにそこ座って。」
そういってカフェを昨日のようにベッドに座らせる。俺はまたカフェの後ろに座りながら髪を編み始めた。後ろ髪を集め、重ね、潜らせて。しゅるしゅると一つの束にする。
「カフェは腰まで髪を伸ばしてるけど、くくったり編んだりしたことはあるのか?」
「いえ、特には...」
「そっか。綺麗な髪だし、俺はそのまま伸ばしてるのも好きだよ。」
「......そうでしたか。」
「もしかして嫌だった?」
「そんなことはないです。私からお願いしたんですし...。それに......」
「...それに?」
「...いや、なんでもないです...。」
「...まぁ何でもないならいいか。はい、これでどう?簡単なものだけど。」
そういうとカフェは立ち上がり窓で確認する。すると鏡には後ろに髪を一本に編まれたウマ娘が映っていた。普段とは違う自分に驚いたのか、しばらく固まっている。
「久しぶりにやったら楽しくて...どう?嫌じゃなかった?」
「嫌だなんてそんなことは...。ただ、今までしたことがなかったので、少し驚いてしまいまして...。」
「なるほどね、てっきり気に入らなかったのかと...」
「いえ、むしろ気に入りました...またお願いします...。」
「そうか?なら良かったよ。とりあえずタキオンを起こして朝食でも食べに行こうか。」
「はい...わかりました...。」
そういうとカフェはタキオンを起こしに行った。
「タキオンさん...そろそろ起きてください...。」
「うぅ~ん、あと五分寝かせておくれよ~...ってカフェか...ってその髪はトレーナーくんに編んでもらったのかい?」
「そうですが何か...?とにかく早く顔を洗ってきてください...。」
「わかったよ...ふわぁ~ぁ...」
そういうとタキオンは瞼を擦りながら外にある洗面台の方に行ってしまった。
「今日はカーラックの宿場町に行くけど、ある程度生活必需品は揃えたいな...」
「そうですね...。今日ギルドに向かった際に何か依頼はあるか確認してみましょうか...。」
「そうだな...今日の晩御飯のためにも何か良い依頼があるといいんだけど...」
そういってるとタキオンが帰ってきた。タキオンは顔を洗って改めて見たカフェの髪に驚きつつも「君たちは本当に仲がいいねぇ...」というとぷいっとそっぽを向いてしまった。おそらく自分も編んでほしかったのだろうが...タキオンはショートヘアだしなかなか難しいだろう。俺とカフェはタキオンをなだめると,
三人で朝食を食べにギルドの酒場に向かうことにした。
ギルドの酒場に着くとそこには朝食を食べながら談笑しているテイオーたちとネイチャがいた。俺たちが横の席をとると向こうも気づいたみたいで、声をかけてきた。
「あ、みんなも来た!おっはよー!」
「テイオーさん…おはようございます…。」
「皆さんは今から朝飯ですか?」
「ああ、俺達ももう少ししたら出ようかと思ってるから、軽く食べようと思ってな。」
「それなら奥のおっちゃんに頼んでくるといいですよ。」
「わかった、ありがとうな。」
というわけで俺達は朝食をギルドの酒場のおっさんにお願いすることにした。
「すみませーん、朝食をいただきたいのですが。」
「おっ!昨日の兄ちゃんたちじゃないか!お代はそこ置いといてくれ。ウマ娘が二人分と普通のが一人分でいいな?」
「はい、お願いしまーす。」
「おう!ちょっと座って待っといてくれ!」
俺達の他にも朝食をとっている冒険者がそれなりにいるところを見ると、冒険者たちは皆ここで食べてから依頼を受けるのだろう。と、そこまで考えても依頼のことを思い出した。席に着き、ネイチャに聞くことにした。
「なぁネイチャ、俺達はカーラックの宿場町に向かうんだが…別の町まで行ける依頼とかあるか?」
「それなら、配達依頼をやるのがオススメですね。」
「配達依頼…ですか?」
「うん。大きな街だと郵便屋があるんだけど、こういう村だとギルドに依頼されてるんだよね。冒険者とか旅人はやっぱり色んな所に行くし。」
「なるほど。つまり、別の町に行くついでに荷物も運べば都合が良いというわけか。」
「そういうことです。行き先の街のギルドや郵便屋に届ければ依頼完了になりますから、手間が省けて良いですよ。」
「なるほどなぁ…後でカーラックに送る依頼を探しておくか。」
依頼について決めていると、おっちゃんが朝ご飯を運んできてくれた。
「あいよっ!兄ちゃんたちお待ちっ!よく噛んで食えよ!」
「なるほど、これは……。」
「んん…少しばかり量が多くないかい...?」
おっちゃんが出してくれたのは、パンや村で収穫したであろう野菜のサラダや果物、ベーコンエッグ。それらが山盛りになっていた。昨日の料理もすごかったが、朝食のボリュームもなかなかである。
「でも、一日依頼をしたり旅してるとお腹すいちゃうから、食べといた方が良いよ?」
「まぁ、確かに...一日歩くんだからお腹は空くだろうし...食べとくか。」
「そうですね...では、いただきます...。」
「栄養分は問題ないが...まぁ、いただくとするか。」
そういうと二人は食べ始めた。俺もお腹が空いていたので、山盛りのパンから頂くことにした。
「はむっ...んっ、美味しいです...。」
素朴な味だが、焼き立てのパンは美味しかった。そのままベーコンエッグを自分の皿にとり、豪快に一口で食べる。
「はふっ......んっ、めっちゃ美味いなこれ」
「トレーナー君、もう少し落ち着いて食べたらどうだい?」
「だって、美味いもんこれ。タキオンも好き嫌いせず食べなよ」
そう言いながらタキオンの皿にもベーコンエッグを勝手に入れる。タキオンは不服そうな顔をしながらもしっかり食べた。何だかんだ言って食べるんだよな...。
そうやって言い合いをしながら食べてるうちに大皿の野菜や果物はほとんどなくなり、パンもいまちょうどタキオンが食べきった。たくさんあったが、あの量を平らげるところは流石ウマ娘というべきか。
「あー美味かった。ごちそうさまでしたっと。このパン」
「ご馳走様でした...。」
「悪くなかったね。量は多かったが。」
「お、そっちも食べ終わりましたか。じゃぁアタシたちはそろそろ出ますね。」
「じゃあ、ボクたちとはお別れだね...。」
「もう出るのか。村の人に挨拶してきたのか?」
「うん。村の人達、優しすぎて私なんかに色々持たせてくれて...あはは」
「それだけネイチャさんにお世話になったということです。」
「私たちもトレーナーさん達と冒険したいけど...ここで一旦バイバイだね。」
「ターボ達、次会ったときはもっと強くなってるからな!待ってろよー!」
「ああ、しばらく会えなくなるけど、皆元気でな。」
「では、また会いましょう...」
「次会えるのを楽しみにしているよ。」
「ネイチャたち、じゃあねー!!」
「こちらこそ、またね。」
そういうとネイチャ達四人はギルドから出て行った。彼女たちはこれから一日かけてカルメラの港まで向かう。俺たちは彼女たちの旅の安全を祈ると配達依頼を受けるために受付に向かった。
ネイチャがパーティーから離脱した!
テイオーがパーティーに加入した!
配達依頼を受けに来た俺たちはカーラックのギルドに届ける郵便物を何個か受け取った。報酬額は合わせて1000ゴールドぐらいは貰えるだろう。郵便依頼を見て分かったのは、この世界ではどうやら物流はそれなりに発達しているということだ。ウマ娘の速さと力は物流でとても重宝されているのか、ウマ娘がこなすような大型の郵便依頼は他の依頼より報酬が多かった(テイオーたちは持つと言ったがこれ以上は持ちきれないので腕っぷしの強いウマ娘に任せようと説得した)。
「あの村には結構いたんだよねー。」
村を出てカーラックに向かう道に入った後、荷物を背負って歩きながらテイオーがそう口にした。
「そうなのか?」
「大体二~三週間ぐらいかな?ずっとお世話になってたんだ。」
「私たちが来たのはつい昨日だったんですが、テイオーさんたちはそんなに前から来てたんですね...。」
「そこが気になるんだよねぇ。トレーナー君、私たちは何故この世界にバラバラなタイミングで来たんだと考える?」
「そんなこと俺に聞かれても...。なんとなくだけど、この世界に一斉に送りこむことが出来なかったんじゃない?」
「適当に振ったにしては良い答えが返ってきたね。だがまだ推測の域を出ないな。」
「適当に振るなよ...んで、タキオンはどう考えてるんだ?」
「私かい?おそらくだが...軍団となることを避けたのではないかと考えているよ。」
「軍団になることを避けた...ですか?」
「そうだとも。一斉に同じ場所に大量のウマ娘を送り込んで、同じ目標を目指させたとしよう。するとどうなると思う?テイオー君。」
「ボク?えっと...ボクなら皆と分担して、秘石を集めたりするかな。」
「そうだ。分担して集めるのが最良の選択肢となるだろう。そしてトレセン学園には、たった一人で大量のウマ娘を抑え込んでしまう怪物が何人もいる。そんな怪物たちを一斉に一か所に送り込むとどうなるかわかるかい?」
「ああ、確かに...それなら、タイミングをバラすのは必然とも言えるな。」
「あくまでも推測だがね。だが、さっきの村にいるウマ娘の中にトレセン学園から来たであろうウマ娘があまり見当たらなかったのはそういうことだろう。タイミングを、場所をズラしてこの世界に送っているのではないかと考えているよ。」
「なるほど...そういうことですか...。」
タキオンの考えはおそらく合っているだろう。資源その他もろもろを考えてもその推測を確信するには充分だろう。
「まー、今そんなこと考えてもわかんないよー?僕たちはとにかく七つの秘石を集めればいいんだよね?」
「ああ、そうだ。」
「テイオーさん...せっかく仲間になったんですし、ステータスって見せていただけませんか...?」
「ステータス?うん、いいよー!」
そういうとテイオーは笑顔でステータスを見せてくれた。俺たちよりレベルが少し高いとは知っていたが、本人から見せてもらえるのはありがたかった。
◎トウカイテイオーのステータス
●レベル23 スピード:173 スタミナ157 パワー164 根性145 賢さ158 火属性
●特性【帝王】スタミナが下がるにつれてパワーが上がる。
●特技【究極テイオーステップ】独特なステップで回避しやすくなり、スピードもあがる。
「なるほど...結構ステータスが高いですね...。」
「昨日、あの大魔牛?を倒した時に結構レベルがあがったんだよねー。」
「そうなのか?」
「うん。それに前より力が出るような感じがしてさ。なんでだろうね?」
「それ、昨日聞こうと思ってたんだけど何だかんだで聞けなかったんだよな。今なら聞けるし聞くか。おーい、ブルボーン。」
「はい、お呼びでしょうか。」
「ぴぇっ!?人形が喋ったー!!」
俺がブルボン人形を取り出してブルボンを呼ぶと、テイオーが変な声をあげて驚いた。そうか、ブルボンが喋っているところを見てなかったのか。
「昨日戦った時に喋っていたはずだけど、見てはなかったのか。テイオー、俺らを案内してくれてるブルボンの身代わりの人形だ。」
「テイオーさん、よろしくお願いします。」
「なるほどねー...よろしく!」
「状況の飲み込みが早いねぇ。それでトレーナーくん、ステータスがどうしたんだい?」
「そう。ステータスについてなんだが...俺はトレセン学園でやってたトレーニングみたいに、スタミナやパワーを鍛える運動をすることで、値を伸ばせると考えたんだよな。」
「トレーニングでステータスを伸ばすってことですか...?」
「言ってしまえばそういうことだ。ステータスを見ながら確認しようか。」
そう言いながら俺は一旦立ち止まりステータスを見せる。
◎トレーナーのステータス
●レベル10 スピード:64 スタミナ:42 パワー:33 根性:31 賢さ:116 無属性
「全体的にステータスが上がっていますが...特にスピードとスタミナが上がっていますね...。」
「昨日は依頼で体力を使って、テイオーたちのところに行くために速く走ってただろ?だから上がったんじゃないかなって思ってな。二人はどうだ?」
「私たちかい?ふむ...」
◎アグネスタキオンのステータス
●レベル13 スピード:146 スタミナ:121 パワー:112 根性:111 賢さ:129 光属性
マンハッタンカフェのステータス
●レベル13 スピード:121 スタミナ:147 パワー:111 根性:105 賢さ:115 闇属性
二人もステータスを見せてくれた。二人のステータスもやはりスピードとスタミナが大きく伸びている。
「なるほど...確かに、トレーナーさんの言ってる事と合ってますね...。」
「やっぱりそうか。昨日から思ってはいたんだが聞けなくてな...ブルボン、この考えで合ってるか?」
「はい。その通りです。この世界で体を動かしたり鍛えたりする事で、その分のステータスを上げることが可能です。」
「なるほどねぇ。つまり依頼をこなしたり魔物と戦ったり、こうやって歩いていてもステータスが伸びるというわけか。依頼をこなせば報酬をもらえるし、まさに一石二鳥と言ったところだな。」
「よーするに、ボクたちはあそこにいる魔物とかを倒したりすればいいんだよね?」
テイオーに言われて指さす方向を見てみる。すると道の真ん中に魔物がわらわらと出てきていた。俺は驚きながらもステータスを覗く。
「この魔物たちはオークというらしい。俺達のことを見て道を塞ぐかのように出てきたし、戦闘は避けられないと思う。」
「わかりました。私達に危害を加えるならただじゃおきません...。」
「ふっふーん、テイオー様の実力を見せてやるー!」
「丁度いい。私達の実験相手になってくれたまえよ?」
オークファイターAが現れた!
オークメイジが現れた!
オークファイターBが現れた!
タキオンのウィンド!
オークファイターAに69ダメージ!
オークメイジに58ダメージ!
オークファイターBに72ダメージ!
テイオーの切りつけ!
オークファイターAに67ダメージ!
オークファイターAを倒した!
カフェのリザイア!
オークファイターBに54ダメージ!
オークファイターを倒した!
お友達のリザイア!
オークメイジに27ダメージ!
オークメイジを倒した!
オークの角を3つ手に入れた!
「はぁ...とりあえずこの魔物たちは倒せたね。」
「ああ、でもこの先もまだまだモンスターは出てくるよな...」
「ですね...。まだ太陽を見ても昼前ぐらいですし日没の危険はありませんが、気を付けていきましょう...。」
「そうだね。気を付けて進むとしようか。なぁに、今日中に宿場町に着いて荷物を無事に運べばいいのだから、急いでいるわけでもないからね。」
「ああ…とりあえず進むか。」
俺達は息を立て直すと、再び歩き始めた。歩いてる道中、ブルボンにふと気になったことを聞く。
「そういえばブルボン、さっきからカフェたちの戦闘を見てたんだけど…この世界での魔法って呪文を唱えなくても問題ないのか?」
「はい、問題ありません。呪文名自体は存在しているものの、無詠唱で唱える事ができます。」
「一応あるんだね。皆は唱えたりせずに右手を出してえいって感じで出してるし、てっきりないものだと思ってたよ。」
「呪文名を唱えたりすることで威力は上がりますが、その分時間がかかるので基本的には無詠唱で問題ありません。」
「なるほどなるほど。呪文名はどんな感じなんだい?」
「先程タキオンさんが出してたのはウィンドといい、カフェさんが出していたのはリザイアという呪文です。」
「へー…やっぱり、上位魔法とかもあるの?」
「はい。レベルが上がったり、使用者のアレンジ次第で新たな魔法を獲得することが可能です。ですが基本的に本人の属性の魔法しか使用することはできません。」
「なるほど…本人の属性以外の魔法を打つとどうなるんだ?」
「それは実際に試してもらった方がわかりやすいかもしれません。カフェさん、先程からタキオンさんが撃っていたウィンドを出そうとしてみてください。」
「わかりました。では……。」
ブルボンは俺の隣を歩いていたカフェに声をかける。カフェが手を出し目を閉じる。すると何やら手の上に黒くて小さな渦が出てきたが、すぐに消えてしまった。
「はぁ……はぁ………いままで撃ってた魔法よりもかなり疲れます。形にもなりません…。」
「はい。違う属性の魔法を出そうとすると、普段よりもかなり魔力を消費して、かつ小さなものしか出せません。」
「カフェが出した渦は黒かったが、これは理由があるのかい?」
「はい。これは発動させた方の属性によって変わります。火属性の方だと熱を纏ったり、水属性の方だと水滴を飛ばすことも出来ます。ですが複数属性を持ってる方でないと、大きくすることは難しいでしょう。」
「つまり、特性で複数属性を使えるタキオンは特別で、属性を組み合わせたりするには基本的に何人かで協力しないといけないってことだね。」
「はい。その通りです。...話している最中ですが、前方に魔物の出現を確認。戦闘態勢に入ってください。」
「タイミングが悪いですね...ですがやるしか...。」
「私もあまりスタミナが残っていないんだ。手早く済まそう。」
「無敵のテイオー様が一撃で倒しちゃうもんねー!」
「皆、この先の丘を越えればすぐ宿場町に着くはずだ。あともう一踏ん張り頑張ってくれ!
オークファイターが現れた!
オークウォーリアーが現れた!
タキオンのウィンド!
オークファイターに74ダメージ!
オークウォーリアーに69ダメージ!
テイオーの切りつけ!
オークファイターに70ダメージ!
オークファイターを倒した!
カフェのスタミナグリード!
オークウォーリアーに71ダメージ!
オークウォーリアーを倒した!
オークの角を2つ手に入れた!
「戦闘終了です。お疲れさまでした。」
「はぁ...トレーナーく〜ん、疲れたからおぶってくれたまえよ~。」
「今荷物背負ってるんだから無理だってば。この丘を越えたら町だから...町で荷物渡したら、先に宿に行こうか。」
「タキオンさん、もうすぐですから...あ、見えてきましたよ...。」
カフェに言われて前を見てみると宿場町が見えてきた。ランフの村はのどかで静かなところだったが、やはり宿場町ということもあってたくさんの人で賑わっている。
「ここがカーラックの宿場町です。ここから西にある王都ケースビット、そしてここから東にあるスカラテの港の丁度中間に位置しています。」
「なるほどねぇ…これだけ大きい町ならトレセン学園から来たウマ娘を探すことは難しくないだろう。」
「この町に…コーヒーが……」
「カフェ、コーヒーが飲めなくてつらいのはわかるけど、後でにしような。」
「ねーねー、着いたら何か食べよー?ボクもうお腹ペコペコだよー!」
「まぁ、そうだな...依頼を完了させて宿をとったら、何か食べるか。」
三人を引き連れながら町の中へと入ってゆく。とりあえず今日は何か食べたら町をまわって...
「......?」
誰かに見られている気がする。なんというか、自分達だけを見られているというか...だが気にしても仕方ない。そもそもウマ娘三人と男が一人なのだから、不思議な目で見られても仕方ないだろう。そう自分に言い聞かせることにした。
「あの方達が...ついに見つけました!」
大幅に投稿が遅れてすみませんでした...ゲームにモチベが吸われてしまって、全く手つかずでした。ですがコメントをいただいて(正確にはいただいたことに気が付いて)、これは書かなきゃいけないと頭を絞って書きました。
前回は八千文字程度でしたが、今回はさらに増えて一万文字オーバーしました。書きたいことが出てくるのは良いことですが、ダラダラ書くのは僕の悪い癖ですね。このあとがきみたいに。
文字数はどのくらいが読みやすいですか?
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5000文字以下
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5000~7500文字
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7500~10000文字
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10000文字以上