「ようこそおいで下さいました。勇者様と御一行様ここはトータス。貴方様達が居た世界とは別の世界になります」
視界が晴れた先でそう言うのは豪奢な服を着た老人であった
「長い話はどうでもいいからとっとと説明しなさい」
そう言う綺羅に顔を引き攣つらせつつも説明を始める老人…
「わ、わかりました。説明します…」
そうして聞いた話を要約すると、魔人族強すぎてヤバいから神様の力で異世界から神の使徒呼んで戦ってもらおう!という事らしい…尚、老人の名前はイシュタルと言うらしい…
「ふざけないで下さい!そんな事信じれるとでも!?」
「うるせぇから黙ってろチビ」
同じく巻き込まれた先生…愛子が抗議しようとするとそれを亜鶴が黙らせる
「今やるべき事はギャーギャー騒ぐ事じゃなくて状況把握を優先するべきよ。それとほぼ間違いなく異世界に居るわよ?」
「えっ!?」
「さっき携帯見たけど完全に圏外になってる。今の御時世、衛星が飛んでいるからありえないのよ」
「そ、それは…」
「現実を受け止めれないなら隅でガタガタ震えてなさい。話の邪魔よ」
「おい!そんな言い方は無いだろう!」
「イシュタルだったかしら?一応確認だけど私達が生活する場所はあるのかしら?」
光輝が何を言っても聞かないことにした綺羅はイシュタルに水を向ける
「あ、はい。既にこの神山の麓にある国が受け入れ体制を整えて貰っています」
「なら案内してちょうだい。今後の方針も含めて話し合う必要があるわ」
「了解しました。では皆さんこちらに…」
ガンガン話を進める綺羅…因みに亜鶴は弁当食いながら話を聞いて居たので喋らなかった…そうして麓の国、ハインリヒ王国の王城に入り、王様からも話を受ける…はずが…
「あら?貴方マスターハンドじゃない」
「え…あるええ!?なんでキーラ様が!?」
「ん?てことはお前はクレイジーハンドか?」
「ふぁっ!?だ、ダーズ様!?」
王族付きのメイドがまさかのかつての部下、マスターハンドとクレイジーハンドであった…
「え?綺羅姉達の知り合い?」
「一応元部下よ」
「まさかの部下!?」
「だが俺達はお前らを力で従えてたんだぞ?ぶっちゃけ俺達の部下として従う理由も無い気が…」
「いえいえ…確かに嫌々従っていた者も居ましたが私達は本心から御二方に従っていたのです。それは生まれ変わっても変わりません」
「そうか…なら今後もよろしくな!」
「私達はこの世界に関する知識は無いからね…色々世話になるわ」
『御心のままに!』
「…あ〜話を進めても良いかの?」
「ん?ああ、ごめんなさいね?」
「いや、気にしないでくだされ。とりあえず専属メイドは彼女達を付けます」
「助かるわ。とりあえず今後も含めて話し合いましょう」
クラスのメンバーはこの人たちが1番頼りになるくない?と思い始めていた…
「そう…あの老人から聞いた話と大差は無いわね…」
そう考える綺羅はとりあえず戦争に参加するとは明記せずに、色々調べた方がいいと考えた…が
「皆!今こうしていても仕方ない!俺は戦争に参加する!皆も手を貸してくれ!」
『はっ?』
思わず声を出してしまった綺羅、亜鶴、ハジメ、雫…だが龍太郎や香織が参加すると言ってしまったこと、更に戦争に勝てば元の世界に帰れるかもしれないと言う言葉に縋り、大半が賛成してしまった…
「…とりあえずまだ情報が足りないから私はまだ参加しないわ」
「俺も同じだ」
「悪いけど僕も…」
「私もよ…」
「なっ!?」
光輝はありえない物を見るような目で見てくるがこの場合綺羅達の対応が正解である
「雫まで…おい!一体雫に何をした!」
「うるさいわねぇ…ああ、そうだ…貴方にちょっとお話があったのよ…」
そう言う綺羅が見る先にはフードで顔を隠しているが、美しい銀髪のシスターが居た…
「…なんでしょう?」
「いやいや…なにも変な話じゃないわよ?ねぇ…神の傀儡さん?私結構怒ってるからね?ハジメを巻き込んだ事…」
そういう綺羅を目を見た…否、見てしまったシスターは思わず動きを止めてしまった…そして、それが隙となり、精神への干渉を許してしまう
(っ!抵抗を…)
(今はその干渉を受け入れ、媚へつらい隙を見て弱点を知らせろ)
彼女はエヒトの使徒であった…故に創り主であるエヒトの命令に従い、抵抗を止める…すると…
「貴方には感情が無いみたいね?だから感情を与えてあげる…!」
「っーーーーーーー!!!!!!!」
「亜鶴、貴方も感情を与えなさい。私は善性は与えられても悪性は与えられないから」
「あいよ~」
声にならない絶叫を上げ、シスターの精神に感情という物が与えられ、更にエヒトとの繋がりも完全に断ち切られた…
「はいはい、怖くない怖くない…」
まるで子供をあやすように言う綺羅…そうしてシスターの視界は色あせた灰色の世界から、色付いた美しい世界に変わった…が、明らかにヤバいことやってると理解したクラスの面々はドン引きし、光輝は許さないと意気込んで止めようとして亜鶴に叩き潰された
「神崎綺羅様、堕刻亜鶴様、無知なる私に感情を与えてくださり感謝申し上げます。代わり映えの無かった世界が急に色づき戸惑いはありますが、今後は信託に従い御二方に永久なる忠誠を誓わせて頂きます」
最後の言葉は完全に拡大解釈である。あくまでエヒトは媚びへつらうようには言ったが、シスターはエヒトの干渉が完全に排除され、今の主は完全に綺羅達になっているため、嘘は一切無い…因みにこれをリアルタイムで見ていたエヒトは既に白目を剥いていた…
「そう言えば名前は?」
「ノイントと申します」
「ノイントちゃんゲットだぜ☆」
「ポケ○ンゲットだぜみたいに言わないの…亜鶴」
教会のシスターを引き抜くと言う行いにハジメすらもドン引いていたがイシュタルはワナワナと震えていた。「あ、これヤバいやつだ」とハジメが漏らすとイシュタルはハジメにとって予想外の行動をとった
「エヒト様ご本人からの信託ですと!?御二方は教会の権力も使い、何不自由無く暮らせるようにしましょうぞ!」
そう言うイシュタルだが、綺羅は…
「そう言うのはいいわ。でも別のことを要求していい?」
「できる範囲でしたらなんなりとお申し付けください!」
「だったら出来るだけ自由に行動させて欲しいの。護衛ならノイントちゃんがいるから大丈夫よ。国王様もそれでいい?」
「そのような事で良いのでしたら!」
「私も構いません」
「あ、勿論弟のハジメと友人の雫もね?そこにいる子よ」
「わかりました!」
なんかトントン拍子で話が進んでいく中、光輝がなにやら騒ぐ
「待ってくれ!南雲だけが自由に動くなんて認められない!勝手に話を進めないでくれ!」
「なんで貴方の許可がいるのよ?許可を出すのはあくまでイシュタル教皇とエリヒド国王よ。貴方の許可なんて必要無いわ」
「そもそも俺達はお前らの事が嫌いなんだよ。ハジメの事を悪く言ったり、そう言われてる原因を作って反省しない女…雫は例外としてもハッキリ言うぞ?二度と関わんな!」
「なっ!」
なにか反論しようとする光輝だがそこでノイントが4枚の板を取り出す
「皆さん、こちらはステータスプレートになります。血を付ける事でステータスを数値化できます」
「へー。じゃあやってみるか!まずはハジメからな!」
「えっ!?ま、まぁいいけど…」
そう言ってハジメは針を刺し、血を擦り付ける
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名前 南雲ハジメ
天職 錬成師・光と闇に愛された者
筋力 3000
体力 3000
耐性 3000
敏捷 3000
魔力 3000
魔耐 3000
技能 錬成・闇魔法・光魔法・言語理解
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「な、なんと…!これほど高いステータスとは…王国騎士団団長のメルドでも、全ステータス700程度であると言うのに…しかも天職の光と闇に愛されし者…これは見たこともありません…光魔法と闇魔法を持っているという事は戦闘職である可能性が高いですが…」
「じゃあ次は俺が行くぜ!」
亜鶴は形こそ人間だが本質はそのままなので針では傷1つつかないので指を歯で切り、血を垂らす…するとステータスプレートが漆黒に染まった
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名前 堕刻亜鶴(ダーズ)
天職 闇の「神」
筋力 最強おおおおおおおお!!!
体力 無尽蔵!!!
耐性 無敵!!!
魔力 神の魔法ですらお遊びだ!!!
魔耐 魔法なんてホコリ以下だ!!!
技能 多すぎぃ!!!
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「数値化出来てねぇじゃん!!」
表記されたステータスを見て叫ぶ亜鶴…ハジメと雫はこれを見て遠い目をしていた…が、綺羅は少し気になることがあったらしい…
「じゃあ次は私ね」
そう言って綺羅も血を垂らす…今度は純白に染まり、ステータスが表記される
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名前 神崎綺羅「キーラ」
天職 光の「神」
筋力 世界一ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!
体力 世界一ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!
耐性 世界一ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!
魔力 世界一ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!
魔耐 世界一ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!
技能 なんでもできます!!!!
ノイントは差し上げます!敵対する者は全力で排除致しますし絶対に敵対しません!!!出来るだけ要望にも答えますので命だけは取らないでください!byエヒト
PS 配下神のアルヴを通じて魔人族側にも話を通しているので安心して観光して言ってくださいまし!(`・ω・´)ゝ
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まさかのエヒトが下僕になってしまった!下僕になるなら消滅は止めてやろうと思った綺羅だが…
(私も亜鶴も神ではなく化身だったはず…何故神になっているのか…まぁ気にしてもしょうがないわね…)
そう思い、ハジメ達にステータスプレートを見せると更に遠い目をし始めた…
「とりあえず次は雫ね」
「わ、わかったわ…」
そう言って血を垂らす…
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名前 八重樫雫
天職 剣聖
筋力 5000
体力 5000
耐性 2000
魔力 3000
魔耐 2000
技能 剣聖技・隠形鬼・言語理解
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「雫も大概じゃない?」
「いや2人と比べたら弱いわよ…神様なんでしょうに…」
「まぁそうね…後神様がどうとかは隠しとくわよ?」
「あ、了解」
そうして、とりあえず4人は訓練は自由参加にしてもらい、色々情報を集めることになった…
1週間後…
綺羅と亜鶴とノイントは図書館で調べ物をしていた…
「さて…結構情報は集まって来たわね…」
「相変わらず勤勉だねぇ…」
「まぁそう言わないでよ。情報って割と重要なんだし…そう言えばハジメは何処に行ったのかしら?」
「確か訓練場に向かっていたはずですよ」
「なら行きましょうか」
そう言って訓練場に向かう途中…なにやら声が聞こえてきた…
「あら?なにかしら…」
「こっちからだな…」
そう言って声が聞こえる方に向かうと…ハジメが檜山達に暴力を振るわれていた…
「…は?」
「…あ?」
「え?」
それを認識した3人は…一気にブチ切れた
『…死ね』
そう言って一瞬で四肢をもぎ取り壁に磔にする
「っ!!!ギャァァァァァァァ!!!」
「イデェ!いでぇよぉぉぉぉぉぉ!!!」
「なんでごんなめにいいいいいい!!!」
「この程度で済ませると思ってるの?」
そう言って檜山の腹に虹色の帯で作られたレイピアを刺し、グリグリと捻っていく
「ギャァァァァァァァ!!!」
「お前も呆然としてんじゃねぇぞ?」
そう言って亜鶴は近藤の腹を黒い触手でできたハンマーを叩きつける
「げぼっ!!!」
そうしてドンドン痛めつけていく綺羅と亜鶴…ノイントはハジメを介抱していた
「…もう飽きたわね…」
「だな…」
『だから死ね』
そう言って既にズタズタの3人の心臓にレイピアと触手の槍を突き刺し絶命させる…
「ハジメ、大丈夫?」
「大丈夫か?ハジメ」
「う、うんノイントが介抱してくれたから大丈夫…ウップ…」
どうやら人が死ぬのを見て気持ち悪くなってしまったらしい…
「ああ…ごめんなさいね…」
そう言ってクロスレーザー爆弾を生成し、死体を消滅させる…だがそれを見ていた人物が居た
「…何故だ…何故殺したんだ!」
「南雲くん大丈夫!?あ、香織は大人しくしてなさい」
「わ、わかったよ…」
光輝達である。尚、天職が勇者であることから綺羅達からは勇者(笑)と呼ばれている
「あら雫。ハジメは大丈夫よ」
「そう…でもなんでこんな事に?」
「多分修行付けてやるとか言ってリンチにしてたんでしょ。まぁハジメのステータスだと傷1つつかないでしょうけど…許す許さないは別問題よ」
「…まぁしょうがないわね…」
雫は納得できたらしいが勇者(笑)は納得できないらしい
「怪我していないなら殺す必要はなかっただろう!それに本当に檜山達はリンチにしていたのか!?訓練をサボっていた南雲に訓練を付けようとしただけかもしれないじゃないか!!」
「お前になにも聞いていない。すっこんでろ!!」
「がはっ!!?」
火に油を注いだ勇者(笑)は見事にアッパーで後方4回転を決めて地面に後頭部を打ち付けた…
「こ、光輝!おい!流石にやり過ぎ…」
「うるせぇつったろ!!!」
「げふっ!!」
龍太郎はボディブローを叩き込まれて呼吸困難で動けなくなった…
「ふ、2人とも!」
「これはなんの騒ぎだ!?」
新しくやって来たのはメルド・ロギンス騎士団長…人格者で教皇達のような狂信者ではない
「檜山達がハジメを訓練と称してリンチにしていたのでボコして殺したらそこの勇者(笑)と脳筋が絡んできたので亜鶴がアッパーとボディブローで沈めました」
「そ、そうなのか…」
メルドは人格者であるが故に今回の件は檜山達が悪いと理解した…勿論嘘の可能性もあったが、綺羅達がこんな事で嘘をつく性格ではないとわかっているので、檜山達が悪いと判断した
「とりあえず坊主は大丈夫なんだな?」
「はい。大丈夫です」
「そうか…今回の件は一応上に報告するが…」
「構いませんよ。それは当然でしょうし」
「助かる…お前達はどうするんだ?」
「雫やアーク(マスターハンド)、イルシア(クレイジーハンド)と一緒に外に魔物を狩りに行こうと思います」
「了解した。外出許可証は持って行ってくれよ?」
「分かっていますよ。行きましょう?雫」
「ええ…それじゃあね?香織」
「う、うん…」
そう言ってのこり2人を呼びに行く雫達を香織は寂しそうに見つめていた…
?side
トータスから離れた世界…そこでは黒と白の翼を持った1人の少年が楽しそうに綺羅達を見ていた…
「…感情を持たなかったが故に化身止まりだった彼女達…転生させて正解だったね…神になる条件である感情を持つこととある一定以上の力を持つこと…見事に満たして神に至った…さぁ何処まで僕を楽しませてくれるかな?」
その存在はそう独り言を言うかの存在の名は…天魔神族の王、灰崎聖夜であった…
後書き!まさかのかつての部下と再開!ハジメ、魔王にならなくても強かった!そしてエヒト下僕になる!!色々カオスだぁ!次回もお楽しみにぃ!