私の最後は飛行からの堕落が良いと思った。
羨ましかった。
ずっと高い所からの眺め。俯瞰は私の意識を上へ、
寂しかった。
一緒に飛んでくれる人を探した。肉体は地に墜ち、魂は飛行する。
━━━━━━やはり、私の最期は飛行からの墜落が良いと思った。
結果、私は飛べなかった。
私は突き落とされた。それは、おそらく絶望というなにか。
残された道は閉ざされた。
生き残った私は、身体を直して貰い動ける身になった。
久しぶりに地上を歩いた時、世界は変わった。それは暴力的な変化。上の方にあった意識を無理やり落としにくる。
立ち眩みのような感覚に陥り、よろめいてしまう。
うつむき目眩に耐える。そして自分の足が地についているのを確認した。
二本の足で身体を支え、しっかり踏みしめている。
今、感じているのは一体なんなのか? 嬉しい? 寂しい? それとも怒り?
だけど、ぐちゃぐちゃなこの感情に不快感はなかった。
◇◇◇
彼女は身寄りの無い私を引き取った。大きな家だった。沢山部屋があって迷子になりかけた。
居候として私はこの家に住むことになる。衣食住を保証して貰う代わり家の手伝いをする。初め、こんな広いお屋敷の掃除なんて! と思ったが、いざ仕事内容を聞けば大したことないものばかりで安心したのは記憶に新しい。
たまに帰ってくる彼女。そんな日の夜、どうすればいいか分からない私は、気付くと彼女の隣に寝ていた。
綺麗な寝顔。人形のよう。死んだように見えるけど、ひっそり呼吸をしている。かすかな吐息が私の耳をくすぐった。
食い入るように顔を見る。━━━━ゆっくりと、じわじわと、顔と顔の距離が縮まってゆく。
整った鼻筋、瑞々しい唇。
暗闇の中でも決め細やかな肌が見えるくらい近付いたところで、私は布団に潜る。
何故か顔が熱い。異様に熱い。それに、心臓の音が五月蝿く一向に眠れなかった。
朝、隣の人を起こさないよう部屋を出て行く。そして、自分に宛がわれた部屋で昼間で寝てしまうのだった。
……………………生き残ってしまった私の責任、ちゃんと取って下さいね。
たまにあのビルの近くを通ることがある。上を見上げれば彼女達は見えなかった。
彼女等はちゃんと飛べたのだろうか………………
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不思議な人だった。凛々しく美しい
私を見透かしているようなあの眼。正直怖かった。その
眼から逃れたくて、すぐにうつ向いてしまった。
痛い、痛い、イタイ。
あの痛みが生きていると実感できる。
もう痛まない。恐ろしい
でも、時たま、傷が疼く。赤と緑の螺旋が見えてしまう。
私の友達の鮮花からよく話を聞く。
意地悪された。からかわれた。気にくわない。でも憎めない。優しい一面もある………………………色々聞いた。大半が愚痴だけども悪い人じゃないのは分かる。
あまり関わったことのないけど、その人とお話してみたくなった。
巫条の分家の生き残りの姉妹はたしか遠野家で働いていたはず。
巫条霧絵√ ?