『収穫祭』が終わり、その打ち上げも終わった入間は魔界での自宅であるサリバンお屋敷へと向かう。
「やっぱり、帰れる場所があるのは良いよな」
数日間、『収穫祭』の会場である森にいたわけだがこうして、サリバンの屋敷に帰ってくると落ち着く雰囲気や安心感をなにより、帰ってきた感覚を感じる。
日本ではとにかく両親に幼い頃から振り回され、自立させられたと共に働かされまくったので帰れる場所、家が無かった。
しかし、魔界にはあるのだ。入間にとっての帰れる場所であり、安心できる家が……改めてそうした感覚に入間は浸った。
「桜を見たから、ホームシック的な物になったか」
自己分析しながらもサリバンの屋敷の扉を開け……。
「イルマ君……お帰り」
「イルマ様……お帰りなさいませ」
サリバンとオペラが微笑みながら、入間へと手を伸ばす。
「ただいま爺さん、オペラ」
入間も微笑んで二人の手を掴む。
「ふふ、数日間の収穫祭はお疲れ様……そして『伝説のリーフ』開花と優勝おめでとう、どちらもルビデとしてだけどね。ともかく、パーティをするよ。めいっぱいね」
「やったな、パーティは大好きだ」
そうして、三人で移動する中……。
「爺さん、オペラ……俺と家族になってくれてありがとうな」
「っ……それはこっちの台詞だよイルマ君」
「そうですよ、イルマ様」
そんな話をし、そうして入間はサリバンにオペラと家族としての時間を過ごすのであった。
そんな中で……。
「さて、ふざけた事をしてくれた奴をどうするかな」
自分の部屋の中でオチョとオチョを送った奴に対してどんなことをするか考えるのであった……。
二
魔界のとある僻地に建造されている屋敷があった。
「オチョの奴、しくじったな」
その屋敷の主は 現『13冠』の一人である『雷皇』にして、魔界においてあらゆる悪事にその集団ありと言われ、逸話も多くある超有名な元祖返り集団の『六指衆』の主でもあるバールだ。
『収穫祭』が開催されるバビルスにバールはオチョを潜入させて、一年の中で元祖返りしそうな悪魔の生徒を調べさせていたのだが『収穫祭』が終わって数日経つのに戻ってこない事からバールはオチョがしくじったと判断する。
そして……。
「っ……ほう」
突如、バールがいる部屋に『バール様へ、貴方にとって大事な物をお届けします』と書かれた札が張りつけられた大きな段ボールが出現した。
バールはそれを剥がし、ガムテープを剥いで中身を開くと……。
「…………っ……はは、やってくれるじゃねえか……」
オチョの写真と特殊なガラスキューブとでもいうような物の中脳に目玉、顔の左や右、肩や手、五臓六腑に肉に骨など模型にでもしているかのような加工をしつつ、オチョを一つ一つ細かすぎる程に分解したそれが入れられていて、バールは驚愕しながらも笑みを浮かべるのであった……。