百三入
バビルスにて『秋』に行われる『収穫祭』は終わり、季節は『冬』へと変わった。
「うー、寒いときに飛行するのは堪えるよなぁ」
「ああ、寒くてたまらないよ」
そのため、学園へと向かう悪魔の殆どは防寒着を着て飛行していた。
勿論、バビルスへと登校している生徒悪魔たちもそうだが……。
「お、おおっ、何だこの勇壮な音楽は……」
「めっちゃ、ノれるな」
バビルスからトランペットの演奏を主としたEDMが流れてきて、まるで自分が戦士となって戦地に向かうが如き、音楽であったため、気分的に寒さはましとなり、やる気も上がった。
「おはよう、寒くなってきているががんばろうぜ」
無論、それは入間がトランペットを片手にもう片手ではターンテーブルを弄っている事による演奏であり、生徒たちを入間は鼓舞していたのだった。
「ああ、頑張るぜ」
「相変わらず、良い演奏だね。でもなんか気合入ってる」
「そりゃあ、そうだろう。もうじき、『音楽祭』があるんだからな」
生徒の質問に入間は答えた。
そう、『冬』の季節は合唱やバンドに舞台、音を楽しめれば何でもありという一年生最終表現である『音楽祭』があり、それはクラス別対抗音合戦なのである。
「ああー、そう言えばそう……うわぁ、勝てる気しないんだけどぉぉっ!!」
今までにも入間は音楽の演奏をしているのを思い返しつつ、一年生の悪魔の殆どが『音楽祭』は勝てる気がしなくなっていた。
仮に参加を認められないにしても『収穫祭』では規格外の方法で参加し、優勝して見せた入間だ。
やる気もあるなら、またなにがしかの方法で参加し、優勝を掻っ攫っていくのだろうと理解してしまったのであった。
「まあ、音楽を楽しもう」
「う、うん。そうだね」
笑顔で楽しげに言いつつ、演奏する入間に生徒たちは苦笑しながら頷いていったのだった。
そうして、登校の時間も過ぎて『問題児クラス』の教室内。
「いやあ、楽しみだねぇ『音楽祭』」
「なんせ今まで、凄い演奏してきたイルマ君がいるからね」
「おう、任せろ。皆で『音楽祭』を優勝してやろうぜ」
『音楽祭』の優勝を確信するジャズやリードに対し、入間は頷きながら言った。
「ただ、皆でって言ってもプルソンは確か……」
「うん、絶対に目立つなってきつく言われてるよ」
「音楽でも駄目なの?」
「うん、どんな分野でもあろうと目立つのは駄目って言われてるんだ」
「良し、なら俺に任せろ。説得してやる」
「く、くれぐれもカルエゴ先生みたいな事はしないでね」
「大丈夫だ、お話するだけだから」
一気に不安となったプルソンは無駄だと悟りつつ、入間に声だけはかけ、そんな入間は笑みを浮かべて言うのであった……。
入間が演奏した曲はトランペットを使う海外の有名DJである『Timmy Trumpet』の『Narco』という曲でめちゃくちゃ良い曲です。