近々、バビルスにおいて開催される一年生による最終重要行事が『音楽祭』。
入間は優勝するためにまずは掟として能力を発揮するなど目立つ事をせず、中立を絶対的に保つ事を重視する悪魔の家系、プルソン家へと行き、プルソンの父親を言葉によって制する事でソイが実力を発揮する事を認めさせた。
ならば後は『音楽祭』当日まで練習するだけである。
「そういう訳で『音楽祭』で俺達が何をするか、俺が考えていたからそれでやっていくぞ」
入間は今までの間にこの『問題児クラス』で音楽祭は何をしていくか、考えていたので発表する。
「おお、流石はイルマ君、頼もしい」
「ホントホント、イルマ君が何をするのか興味も出て来るしね」
クラスメイト達も今までのイルマの様子もあって、興味を惹かれるし乗り気だ。
「まず、俺達がするのは『
入間が言う『魔の楽祭』とは大勢の悪魔が集まって音楽を奏で、その音楽にまた大勢の悪魔が踊るという単純なものである。
それが故に自由度が高すぎ、全てはそれを行う悪魔たち次第というものだ。
全ては自由であるため、制限が全くないという利点もあるが……。
「なんだか、楽しそうだね」
「ああ、絶対に楽しくなるぞ。じゃあ、具体的にどうするかだが……」
入間は『魔の楽祭』をどうやっていくのか、語る。
「まず、演奏係は俺とプルソンの二人だ。俺はピアノでプルソンはトランペットだな。残りの皆はダンスだ」
「イルマ様は踊らないので?」
「良くも悪くも今までの事があるからな。ダンスなんてしたら俺に注目を集めちまう。『音楽祭』は一人だけ目立っても意味が無いからな」
「イルマちはちゃんと考えているんだね」
「おうよ」
アリスの指摘に応え、クララの言葉にも応じる。
「で、ダンスの方はアクドルに詳しいケロリなら良く分かる『ヘルダンス』をやるぞ」
「へ、ヘルダンスっ!? あの禁断のダンスを!?」
『ヘルダンス?』
入間の言葉にケロリは驚愕する。
『
悪魔たちを楽しませるアクドル、その進化形として生まれた
それは悪魔においてかなりの苦行である。なにせ、悪魔は一部を除いて集中が大の苦手な生物である。
大人数が他の悪魔に合わせてピッタリそっくり長時間、同じ振り付けで踊る事を強制されるのは想像を絶する苦痛なのだから。
くろむがやった時は彼女ともう一人のアクドルが出来ただけで残り、四人は全滅して失敗した。
六人でも大失敗するのに十一人でやろうとするのは正気を疑われるものですらある。
ヘルダンスは全員の息が揃わないと成立しない、一瞬でもおかしな動きをしたら途轍もないみっともないものになってしまうのだ。
「でも、俺達ならやり遂げられるさ。そうだろう?」
『おおっ!!』
「良し、そして音楽祭で優勝出来たら今度、開催されるくろむとリンのアクドルライブのVIP席のチケットを取って皆を連れて行ってやるよ。皆、ライブに行きたいか?」
『勿論っ!!』
ケロリ以外の者が即答する。
「しゃあ、やってやろうぜぇっ。優勝あるのみだぁっ!!」
『うおおおおおおおっ!!』
入間の声にケロリ以外の者が応じる。
「(流石はイルマさん。自分の力が及ぶ範囲で皆にとって得になる事をしている)」
アクドル側からしてもライブに少しでも人が入るのは人気という名の力になるのでありがたい。客を多く確保する姿勢にケロリは感心するのであった……。