入間達バビルス学園一年生、『問題児クラス』は『音楽祭』にてアクドルの『ヘルダンス』と入間のピアノにソイのトランペットによる演奏を合わせたものをする事にした。
それは『魔の楽祭』というもので大勢の悪魔が音楽を奏で、それに合わせて踊るというものである。
音楽祭においてこれ以上ない代物だが、何もかもが自由なので実力が試されるのだ。
「じゃあ、『ヘルダンス』についてはケロリがアクドルの大ファンで真似ができるくらいのガチ勢だから、彼女の指導をしっかり聞くように」
『はーい』
こうして、入間とソイ以外の者たちは『王の教室』にある運動部屋へ……。
「まずはアクドルがどういう物か、改めて見せますね」
そうしてケロリは女性アクドルだけでなく、男性アクドルとしての雰囲気をそのパフォーマンスだけで表現してみせた。
『すっげぇぇぇ!!』
ケロリのパフォーマンスに全員が感動し、今すぐアクドルとしてやっていけると言ったりする。
まあ、実際には現役な超人気アクドルであるのだが……。
「ともかく、まずはダンスの基本からみっちり叩き込んでいきます。もうすでにイルマさんがヘルダンス用の練習魔具を用意してくれていますし」
『(イルマ君って本当にちゃんとしてるよねぇ……)』
入間の用意の良さを改めて『問題児クラス』一同は頼もしく思うのだった。
そうして、入間とソイの演奏組は演奏部屋にいる。
魔界におけるピアノは意思を持っている。なのでいきなり触ろうとすれば蓋が閉じ、指を挟み込もうとするのだ。
なので基本は最初にお辞儀をしなければならない。
その後、ピアノの椅子に座る事で演奏者に影響されて形を変える。
入間が座った場合は弓のように獲物を喰らうかのような捕食者という印象を持たせるピアノに変わる。
「じゃあ行くぞ。1、2、1、2、3」
入間は拍子を取ると基本曲をプルソンと共に弾き始めた。
「プルソン、テンポが速い。余計なアレンジで入間に合わせられているぞ。負担をかけるな」
「はい」
そうして、大体の楽器を演奏できるし魔―ケストラ鑑賞が趣味の一つであるカルエゴに入間は演奏を聴いてもらいながらの指導を頼んだ。
「イルマはもっと、遠慮なく弾け。プルソンに合わせようとする分、遠慮があって違和感が出ている」
「分かりました。流石はカルエゴ先生」
「(もっと普段からそういう態度でいろよ)」
カルエゴは教師であるので指導を頼まれれば基本、引き受ける。ま、普段滅茶苦茶虚仮にしたリ、揶揄ったりしてくるのにこういう時は素直な生徒になる入間にはやはり、やりにくそうにするのだったが……。