バビルス学園に通う一年生の昇級行事にして、最終表現となる『音楽祭』まで四週間となった。
一年生の各クラスは当然、他のクラスに負けないために『音楽祭』での演技の練習を頑張っていた。
そんな中で……。
「円滑な行事の管理は我々、生徒会の務め。よってお前達には一年生の出し物の聞き取り調査に行ってもらう」
生徒会長であるアメリは生徒会に所属する会員の中からとある二人を選んだ。
「目立てるなら、頑張るロノウェ!!(イルマ様の命令からも解放されるし)」
「ギョー!!」
調査を任された二人はロノウェとナフラである。
アメリはロノウェへ生徒達との交流は生徒会の花形業務であり、音楽祭を機にロノウェの名を一年生に知らしめるチャンスだとロノウェの性格を分かっているが故の説得をしていた。
ロノウェは自分が目立てる機会を得られる事と使い魔としてイルマに使役される事は無いという解放感からアメリの指示に乗り気だった。
何故、アメリがロノウェに調査を依頼したのかと言えば、彼は前年度における『音楽祭』において自分のクラスを優勝に導き、アメリの学歴に敗北を刻んだ男でもある。
彼の家系能力もそうだが、ロノウェのカリスマは本物である。
ロノウェの影響を受けた一年生は更に出し物を向上させる努力をし、更に面白い物にするという的確な判断もある。
それはそれとして……。
『(イルマのクラスはどういう出し物をするんだろう……)』
入間のクラスである『問題児クラス』はどういう出し物をするか程度の差はあれ、興味あるのであった。
そうして、ロノウェは一年生の各クラスの教室へと行き、独自の観点からの意見を出していった。
もっとも好き勝手言うし、好き勝手やるので各クラスからは生徒会に対して苦情が止まなかったが……。
「さあ、後はイルマ様のクラスだロノウェ。どんな出し物か楽しみだロノウェ」
「タノギョギー」
こうしてロノウェとナフラは『王の教室』へと向かうと……。
『!?』
教室の扉を開けば垂れ幕がかかっていた。そして……。
垂れ幕が上がっていくと共に……。
『♪』
入間のピアノとソイのトランペットによる合奏とアリスたちによる『ヘルダンス』の演技が行われた。
それは人間界でいう『インド映画のダンスシーン』や『ヒップホップ』、『ミュージカル』と様々な演奏や表現へと変幻自在の如く、変わっていく。
「ぁぁ……なんて、なんて素晴らしいんだロノウェ……」
「ギョー……」
あまりの見事さにロノウェとナフラは超絶的に感動したのだった。
そうして、演技の終了と同時に垂れ幕が下がる。
ロノウェとナフラは盛大な拍手を送ったのであった。
「試しの演技は上々だ、やったな」
入間の言葉にアリスたちは満足げな笑みを浮かべる。
「まだまだ四週間もある。もっと練習頑張ろう」
『おおおっ!!』
入間の言葉に皆が声を上げる。
そして、生徒会では……。
「言葉では言い表せないんだロノウェ」
「ギョー」
『何しに行ったんだっ!?』
余韻に浸っているロノウェとナフラに対し、アメリたちはツッコむのであった……。