悪魔学校バビルスにおいて一年生のクラスが一つ、『問題児クラス』。他のクラスもそうだが今日から本格的に授業を受ける日であり、本格的にクラスとしての活動が始まる。
そんな『問題児クラス』で初のホームルームを行おうとしたカルエゴは早速、入間によって弄り倒されながらも生徒の出席を取ると……。
「本日より他の先生方の授業が始まる。
カルエゴは最初はサブノックへと忠告するように言い、次に入間の席へと近づいて彼の顔を睨みつけながら強い口調で言った。
「やだなぁ、先生。なんでそんな遠回しながらも俺に対して念入りに言うんですか。それじゃあ、まるで俺がいつも問題のある行動をやらかしている問題児の中の問題児みたいじゃあないですかっ!!」
「みたいじゃ無くて実際、貴様はいつもやらかさないと気が済まないのかってくらい問題をやらかしてばかりだろうがぁっ。今までの自分の行動を胸に手を当てて思い返してみろっ!!」
心外だとばかりに叫ぶ入間に対し、カルエゴが反論すると入間は胸に手を当てて今までを振り返るような行動をし……。
「先生……見解の相違って難しいですね」
「その一言で済ませるには無理がありすぎるだろう。っというかお前にとってはあれらが問題にはならないと考えてるのか……」
入間は深い息を吐いてカルエゴに言い、カルエゴは入間の一言に若干、戦慄しながら告げた。
「そもそも先生、前提が間違っているんですよ」
「ほう、聞こう」
「良いですか、先生。『問題を起こさない』なんて事は僕達には不可能なんです。そう、だって僕達は……」
カルエゴに対し、分かってないなぁという態度と共に指まで振りながら入間は語り出し、最後にクラスメイトの皆へと目配せしながら「せーの」と言い……。
「『問題児クラス』ですからっ!!」
入間も含めてクラスメイト達は立ち上がり、そして思い思いにポーズを取りながら、どや顔で自分たちのクラス名がなんであるのかを叫び、入間が締めた。
「開き直って、身も蓋も無い暴論を出すんじゃあないっ!!」
カルエゴは叫びながら、生徒それぞれのどや顔やポーズも止めるよう指摘もする。
「はぁ……もう良い。速やかに準備して授業塔へ向かえ……それと入間……お前、本当に後で覚えておけよ」
カルエゴは疲れ果てた事で溜息を吐きながら指示し、最後に入間へと告げると……。
「ええっ、そんなっ!?
入間はわざとらしく、棒読み口調で対抗策を言い始めるとカルエゴは入間の両肩に置き……。
「頼む……それだけは本っ当に止めてくれ。私が悪かった……」
「そこまで言うのなら……」
真剣な表情で訴えかけ、謝りすらするカルエゴに入間は頷く。
「まったく、とんでもなく性質の悪い奴だ」
カルエゴは小声で呟きながら、教室を出ると……。
「よぉし、それじゃあ皆……カルエゴ先生が『
『おおおおおっ!!』
すぐに入間は皆へと呼びかけ、皆はそれに勢いよく応えた。
「えぇい、入間。貴様は鬼かぁぁぁぁっ!!」
「悪魔ですけど?」
それにカルエゴは当然、反応して教室の外から扉を開いて入間に言い、入間は平然と首を傾げながら答える。
尚、入間の本当の種族は人間である……。
2
そんなこんなで隔離状態の『問題児』クラスの教室から予定された授業を受けるためそれぞれの授業塔へと向かって授業を受ける『問題児クラス』の生徒達。
その態度は至って真面目というか……問題を起こせば自分が許さないとばかりに入間が注意を向け、指摘もするので皆、そうせざるを得ないのである。
入間は理事長であるサリバンの孫として、それに相応しい実力や成績を示す事で他の悪魔から自分を通してサリバンの名に泥を塗ったり、サリバンが蔑まれたりすることの無いよう心掛けている。よって問題など起こさないし授業に真摯に取り組んでいた。
カルエゴとの先のやり取りはあくまで入間流のカルエゴとのコミュニケーションでしかないのだからそれはそれ、これはこれと切り替えている。
ともかくそうして授業を受けつつ、次の授業が予定されてる『植物塔』へと向かう問題児クラスであるが……。
「やっぱり、俺たちのクラスからは授業塔は遠いよなぁ……っていうか、なんで俺が先頭なんだよ。しかも行軍みたいになってるし」
授業塔への移動中、必ず入間が先頭であり両側にアリスとクララ、後にジャズやリードらが続くといったような整列体勢になっていた。
「いや、だって入間君は理事長の孫だし、雰囲気的に似合うし、それに……ねぇ?」
「カルエゴ先生をあんなに弄り倒せるんだからねぇ、本当凄いよ入間君は」
「流石は我がライバルよ」
「ふふ、お前達も入間様の凄さがようやく分かってきたようだな」
「入間ち、頼りになるー」
ジャズとリード、サブノックが入間の言葉に返答し、それにアリスが満足しながら頷き、クララは入間に抱き着いた。
他の者も入間が先頭の方が良い(ケロリは渋々な感じだったが)と言った事で「お前らがそれで良いなら、良いけどよ」と入間は納得はしつつ、そうして植物塔へと辿り着く。
植物塔の内部はその名の通り、様々な植物が……それも明らかに物騒であり、禍々しさいっぱいの植物が並んでおり、その中で……
「ふいっ、問題児クラスの皆さん初めまして。植物塔にようこそ……此処では魔生物についてお勉強してもらいます」
そうしゃっくりのようなそれを漏らしつつ、穏和な声で語り掛けるのは長い金髪ながら後頭部の方では跳ねているような感じになっており、後はそのまま後ろへと伸ばしているような特徴のある髪型、頭には十字が並んだ飾りと両耳にもピアスに飾りのついたそれをしていて頭の両側には小さい角と尻尾は植物の芽のような形状になっている小柄な女教師、魔生物担当のストラス・スージーが問題児クラスへと語り掛ける。
「今日は魔術を使ってお花を咲かせてみましょう。ふいっ」
そう言うと彼女は鉢を持ち出し、その中にある芽へと手を翳して【クワンックワンッ】と呪文を唱えた。
すると芽は成長を開始し、光を放つと穏やかに微笑んでいる花が誕生したのである。
「このお花で自分の魔力を形として見ることが出来ます。さぁ、皆さん始めましょう。ふいっ」
そうして授業は開始される。
「ん、人だかりが出来ているな。それにあれは……」
上の方で悪魔たちが自分たちの様子を見ているのに入間は気づく。更に明らかに格式の違う制服を着ている男の悪魔と女の悪魔も居た。
「上級生ですね、それにあれは生徒会……一年の
「いやいや、幾らなんでも買い被り過ぎだろう。まぁ、良い……やるか」
入間自身に魔力は無く、入間の使える魔力は実際の所、右手の中指に填められている『悪食の指輪』に込められたサリバンの魔力である。
だからこそ、サリバンの恥とならないように心がけながら入間は質を求めるために出力は最大の『魔神』モードにしながら制御はしっかりとしつつ、苗に手を翳して咲かせたい花のイメージをし……。
「【クワンックワンッ】」
そうして誕生したのは漆黒の闇のような色合いでありながらも禍々しい雰囲気と妖艶な雰囲気が混ざり合い、暴力的ともいえる程に美しき大花であった。
『……』
入間の咲かせた花にクラスメイトも物見に来た上級生に生徒会、そして教師であるストラス・スージーも皆が凄まじく心も魂も奪われたからこそひれ伏してしまった。
そうして入間はスージーより特別評価で超最大の成績であるS+を貰ったのであった……。