魔入りましたよ 入間さん   作:自堕落無力

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百二十入

 

 

 魔界において最も激しく悪魔たちが争っている北方の戦場。

 

 現在進行形で悪魔たちが争い合っている戦場から遠く離れた場所にとある準備をしている者たちがいた。

 

「準備は良いですか、ポロちゃん様?」

 

「もう、バッチリよぉ~~イルマちゃん」

 

 一人はサリバンの孫である鈴木入間であり、もう一人は『音楽祭』にて審査員を務めた者で元13冠にして音楽の王であったアムドゥスキアス・ポロである。

 

 『音楽祭』が終わった後で入間は合奏の約束をしていた。なのでその約束を果たそうとしているのである。

 

 そして、どうせならと魔王デルキラとアムドゥスキアスが魔界にて刻んでいる逸話の一つ、戦場で二人が大演奏会(リタイサル)を行う事で敵軍を666時間足止めしたそれをやってみようと言ったのだ。

 

 そうして、入間が用意したマイクスタンドやらピアノ、ギターなど数多くの楽器型の魔具の中で……。

 

 

 

「それじゃあ、イッツ……リタイサルだ」

 

「楽しむわよー」

 

 入間とアムドゥスキアスは演奏を始めた。

 

 その曲は様々であり、人間界で言うヒップホップやテクノ、バラードと本当にいろんな曲を演奏していく。

 

「ははは、流石音楽の王、ポロちゃん様です」

 

「そういう貴方こそ最高よ、イルマちゃん」

 

 入間とアムドゥスキアスは息の合った演奏を始め、互いにテンポや演奏のやり方などを変えたり、アレンジを加えるなどして大演奏会を楽しみ始める。

 

『……』

 

「いやぁ、良い演奏だねー。イルマ君にポロちゃん様……かつての『大演奏会』みたいだ」

 

 入間とアムドゥスキアスによる演奏は悪魔たちの戦争を止めさせたうえで夢中にさせた。

 

 その様を見つつ、フルフル軍曹も演奏を楽しむ。

 

 こうして、長時間の演奏会の後……。

 

 

 

 

『うおおおおっ、良かったぞー!!』

 

 演奏会の中で普通に演奏に乗って囃したりした悪魔たちは演奏の終わりに拍手をして讃えた。

 

『今日はというか、しばらく戦争は良いや』

 

 そうして演奏を楽しんだ事で満足感などから戦争をやりたくなくなり、余韻に浸りたい事から今まで毎日激しく争っていた悪魔たちは戦争を1週間以上しなくなったのである。

 

 

 

 

「どうでしたか、俺との演奏は?」

 

「デルちゃんとの演奏会と同じぐらい楽しかったし、懐かしかったわ。ありがとうイルマちゃん」

 

「満足いただけたなら良かったです」

 

 入間からの問いにアムドゥスキアスは本当に満足気に笑みを浮かべて入間に伝え、入間も笑みを浮かべた。

 

 こうして、魔界にまた一つイルマとアムドゥスキアスが『大演奏会』にて北方の激しい戦争をしばらくの間、停止させたという逸話が出来上がったのであった……。

 

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