魔入りましたよ 入間さん   作:自堕落無力

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百二十六入

 

 鈴木入間は魔界にて十五歳となった。

 

 今まで両親の影響で嫌いであり、無関心であった誕生日だったが、遅れながらも魔界における誕生日会、『降魔の儀』で盛大に祝われた事は入間としては珍しく感動し、至福であり、喜んだ事で涙を流す程の事だった。

 

 これにより、入間は誕生日に対する印象は『大好き』に変わったのである。

 

 

 そして、十五歳となった入間だが一つ、彼にとって大事な行事があった。

 

魔界はなんと人間界にはない、独自の月が存在し、それはなんと13月。

 

 人間界より月が一つ多いのだ。

 

 この13月は13日しかないがだからこそ、悪魔達にとっての祝い月。

 

 魔王が業務を離れ、新しい年への喜びを民と共にどんちゃん騒ぎした月である。

 

 よって、今でも13月には魔界の各地で祭りが行われるのだ。

 

 悪魔たちにとってはそんな楽しい楽しい13月の月越しである12月31日に行われる一大イベント。

 

 

 

 『13月の月越しに~、男も女もよっといで~、祭りを迎える華騒ぎ~』で魔界ではお馴染みの【アクドル大武闘会(だいうんどうかい)】が開催されるのだ。

 

 この【アクドル大武闘会】は年に一度、アクドル達が汗と涙を流しキラキラの成長を魅せる祭りだ。

 

 魔界のトップアクドルはここで名を上げており、まさしくアクドルの大華道ともなっている。

 

 因みにこの祭りは全魔界中継だ。

 

 よってどのアクドルの事務所もこの【アクドル大武闘会】に向けた準備を始めている。

 

 そう、この【アクドル大武闘会】に入間はアクドルのリンとして活動しているので参加するのである。

 

 

 

「とはいえ、うちの事務所の特徴だから仕方ないけど動ける子は少ないのね」

 

「まず、見た目の良さ重視ですからね。うちは」

 

「せめて、あと一人なんですけどね」

 

 リンにくろむが所属する事務所である『デビムス』では見た目の良さを主としているのでダンスなど動ける者が少ないのだ。

 

 大武闘会に参加するのに必要な人数は四人だが、動けるデビムスのアクドルはリンにくろむ、そして褐色肌の獣人悪魔の女性である農地生まれで大自然育ちの新人アクドルことメルンの三人だ。

 

 

 

「じゃあ、もう緊急でスカウトするしかないわね。当てはあるし」

 

「え、当てがあるの?」

 

「よ、良かったぁ~。じゃあ、お願いしますね」

 

 リンの発言にくろむは首を傾げ、メルンは安堵した。

 

 

 

 

 

 そうして翌日のバビルスにて……。

 

 

 

「〜〜という訳で少しの間だけ、アクドルをやってくれないか?」

 

「よ、よろしくお願いしますクララさん」

 

「良いよ~、このクララに任せなさいっ!!」

 

 入間にアクドルのくろむことケロリはクララを人気のない場所に呼び出すと大武闘会が終わるまでの間、アクドルになって欲しいと頼み、クララは承諾したのであった……。

 

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