時間という物は何が起ころうと必ず、平等に過ぎゆくものである。
そう、アクドルによるアクドルのための一大イベントである『アクドル大武闘会』が始まったのだ。
当然、その『アクドル大武闘会』を楽しむために観客たちは大勢いて……。
「いやあ、持つべきものはイルマ君だねぇ、このイベントなんて凄い倍率高いのに……」
「流石過ぎるよねぇ、いや、本当に……」
「もう既にいろいろな力が凄いと言わざるをえんな」
「うおおお、一生ついていきますイルマ様ぁぁ」
「こういう時は特別だよ、終わった後は良い夢見られるし」
「楽しむでござるよ」
「一度は来たかったんだ」
「ふふふ、最高ダ」
「しかし、既に凄い熱狂ねぇ」
「アホクララがいないだけで賑やかさが随分ましだ」
その観客たちの中には入間の手によって『アクドル大武闘会』を近くの席で見られるという『VIP席』の券を手に入れる事が出来たバビルス学園の『問題児クラス』の生徒達が既に期待やらなにやらで熱狂している雰囲気に浸りながら口々に感想などを漏らしていった。
グッズや軽食にドリンクなどを買って観客たちが始まりの時に備える中で……。
「熱狂ぶりが凄いわね、流石は『アクドル大武闘会』って感じ」
「賑やかなのは良い事だ」
「皆、頑張りましょう」
「おー」
デビムスのアクドルとして参加するリンにくらりん、くろむにメルンの四人が楽屋まで歩きながら雰囲気に対して感想を言いながらも気合いを入れたりした。
そうして……。
「今日はいよいよね、精一杯の力を出してちょうだい」
マネージャーのマルさんが楽屋にて出迎える。
「皆さん……頑張ってください」
くろむことケロリの応援として妹であるチマが皆へと照れつつ、声をかける。
「ええ、ありがとうチマちゃん」
「……う、はい」
リンが微笑みながらチマの頭を撫でるとチマは見惚れながら頷いた。
そうして準備をしようとしていた時……。
「よいしょーっ!!」
楽屋の扉を蹴破り、傍に女悪魔を侍らせながらギャリーが入って来た。
「会いに来たぜ、くろむ」
「何しに来たの?」
「決まってんだろ、挨拶だよ。宣戦布告という名のな」
くろむの問いに笑みを浮かべながら返答する。
「この武闘会、圧倒的に勝って……くろむ、お前を引退させてやるってな」
ギャリーは中々大きな事を言ってのけた。実はギャリーはくろむと同じ事務所でユニットを組んでいたが、ギャリーが移籍した事で軋轢で生まれ、くろむと犬猿の仲であると言われていた。
だが、それは違う。何故なら……。
「くろむ、さっさとアクドル引退してあたし様と結婚しろ♡」
「嫌です」
ずっと前からギャリーはくろむに積極的に告白しており、くろむはその度に断っているからだ。
「大胆な求婚、速攻で断られたわね」
「む、お前はあたし様をさしおいて一緒に歌ったりしやがったリンだな……憎らしい程に美しいがお前もアクドル引退させて、愛人にしてやる」
「すっげえ発言」
「まったくね。随分な自信家みたいだけど貴女こそ覚悟した方が良いわよ、アクドル引退させられないように……」
くらりんの意見に動じつつ、挑戦的な言葉と笑みをギャリーに送る。
「はっ、あたし様こそ最強のアクドルだ」
ギャリーも挑戦的な笑みと言葉で対応した。
「本番が楽しみね」
『あわわわわ』
去ってゆくギャリーにリンは声をかける中、マルとチマは雰囲気にあわあわしていたのだった……。