限界など知らぬとばかりに盛り上がっているアクドルの大祭典である【アクドル大武闘会】は次の種目へと移行する。
大昔、戦場において悪魔は相手の羽を捥ぎ取る事で戦果としていた。それが流れに流れ、悪魔たちの矜持をかけた大合戦である『
『プレゼントは私♡ つかめ その手に!! 【アクドル大騎羽戦】』
そして、今――『大騎羽戦』が行われようとしていた。
ルールは簡単で四人一組で『騎羽』を作り、そしてその四人ともリボンを身体のどこかに巻き付ける。大将となる一番上は百Pとして計算され、下の騎羽は二十Pで計算される。
つまり、他の騎羽のリボンを奪い合う合戦だ。当然の話だが、飛行や魔術は禁止である。
『つまり、間違って服を引っ張り、ポロリと……と』
『良し、ゴンテツそろそろマイク切るぞ!!』
ゴンテツがルールを話すマチャラのそれに対し、欲望に塗れた言葉を漏らした。イベントのボルテージに合わせてこの男もテンション上がっているし、色々と抑制が効かなくなっているのだろう。
そろそろ、この男駄目かもしれない。洒落にならない発言もあってマチャラも敬語すら使わなくなっている。
そして、デビムスの『騎羽』の構成だが、一番上は当然、くろむだがそれを背に乗せるはリンであり、左から支えるはくらりんであり、右から支えるはメルンである。
『(大丈夫なのか?)』
基本、背が低い娘たちで構成されているデビムスのアクドル達を観客たちは心配する。
『(行ける)』
他のアクドルも一人の競技じゃ無く、四人での競技なら狙い目と思考する。
ましてや運動の種目で驚異的な体力や身体能力を発揮したくらりんやメルンが背負う立場の二番手では無いのだから。もっともくらりんは最も背が低いので元から無理だったりはするが……。
『それでは……よーい、スタート!!』
そうして、マチャラが競技開始を告げた瞬間……。
「よっとっ!!」
『はあっ!?』
リンであり、入間は弓使いとしての集中力を活かして相手チームの隙を見抜いてはそれに滑り込むようにして接近し、くろむがそれに反応して相手チームからリボンを取っていく。
攻めもそうだが、元々危機感知能力も優れているので機先を制した動きで相手の攻めを回避し、くろむがリボンを奪い取れるように導いていく。
そうして……。
「これでしっぽ綱引きの借りは返したわよ。ギャリー」
「っ、へへっ、それでこそくろむだ」
ギャリーのチームとはそれなりに白熱したリボンの奪い合いをしたが、くらりんやメルンが隙を衝いてギャリーの騎羽のリボンを奪い、くろむもギャリーのリボンを奪った事で【アクドル大騎羽戦】に勝利したのであった……。