魔入りましたよ 入間さん   作:自堕落無力

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百六十二話

 

 魔界の『絶岸壁(デススクエア)』近辺には悪魔において唯一、弓を使う一族であるバルバトス家の本家がある。

 

「こんにちは、大頭領、バチコ師匠。遊びに来ました」

 

 その本家へとイルマは師匠であるバチコに呼ばれたのもあって、遊びに行った。

 

 

 

「おう、いらっしゃいイルマ」

 

「良く来たな」

 

 大頭領もバチコも快く入間を迎え入れる。

 

「しかし、サリバン様も面白い事を考えなさるもんだ。『TS(トリックスター)計画』なんてよ」

 

 そうしてお茶を始めた入間達だが、大頭領はバチコから聞いた魔王になる資格を持つ者を三傑や13冠が育てるという『TS計画』について言及する。

 

 「魔界はこれから大きく動くだろうな……それとよ、最近実に興味深い出来事があったんだよ」

 

 大頭領はそう言って、モニターを出す。

 

 

『私は狙った獲物は逃がさない主義なのよ』

 

 そのモニターにはアクドル大武闘会の様子が映し出されており、入間のアクドル姿であるリンが種目の一つ、【的当て】に挑んでいる時のそれであった。

 

「うーん、可憐で美しいアクドルですねぇ。大頭領もアクドルチェックしてるんですか……」

 

 入間は普通にそしらぬ様子で実質的な自画自賛をしながら、大頭領に言う。

 

「だ、大頭領……」

 

 バチコは戸惑っていた。

 

 

 

「おう、アクドルは好きだぞ。だからアクドル大武闘会を観てたんだが中々、華やかで白熱してて面白かった。若者風に言うなら……」

 

 大頭領は楽し気に語りつつ……。

 

『超デビキャワ~~』

 

 大頭領と入間が一緒にアクドルを褒めるときのワードを言い、軽くポーズを取った。

 

 「そして、中でも気になったのはこのリンという娘だ。なんといっても弓を使うし、立ち姿から足捌き、弓のコントロールまで完璧だ。この娘はぜひ嫁入りさせてぇな」

 

 大頭領はそう、リンへの意見を言い……。

 

 

 

「ロビンとか良さそうだよな」

 

 そんな事も言ったので……。

 

「あ~、大頭領……そういうのは無理だ。だって、リンは……」

 

 入間は流石に真実を教える事にした。言いながら魔術を使って姿を変え……。

 

「この私よ」

 

 そうしてアクドルのリンとなりつつ、髪をかき上げる。

 

『上ええええええええええええっ!?』

 

 大頭領とバチコは驚愕の叫びを上げながら、目玉を飛び出させる。

 

 

 

「ま、まあそれなら弓が上手いってのには納得だ。というかそれ、姿だけ女なのかい?」

 

「ちゃんと全部、女性よ。この姿の時はね」

 

「なんで女になるのに抵抗ないんだ。お前は……アクドルまでやって」

 

「楽しいからいいじゃない……それと嫁入りなら無理だが、バチコ師匠に許嫁になってもらう話なら喜んで応じるぞ」

 

「おう、そういう事ならこっちもOKだ」

 

「ちょ「俺じゃ嫌か。師匠?」……い、嫌じゃねえけどよぉ……」

 

 リンから入間になり、そうして許嫁の話になると大頭領も応じ、バチコは声を上げたが入間が真摯に見つめると顔を赤く染めて、視線を逸らしながらもじもじとする。

 

 ともかく、こうして許嫁の話についてはゆっくり話し合っていく事になったのだった……。

 

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