問題児クラスと飛行試験で優秀な成績を示した一年生によるチームで教師陣を相手に行っている『心臓破り』。
この『心臓破り』においては66分という制限時間がある。
そんな『心臓破り』を見ている悪魔の生徒達は大いに盛り上がっていた。教師陣有利なはずなのにものの見事に翻弄されているからである。
『ちょ、構えただけでなんか襲ってきてるぅぅぅぅぅぅ!?』
リードチームを倒そうとし、入間の仕込みで校舎の外へと吹っ飛ばされてからは弓を構えようとするたびにどこかから攻撃が飛び続けているので逃げるのに必死であった。
また、クララチームを倒そうとしたスージーは入間が作り出した捕喰植物であるドラコプレデターに襲われている。
『グオァァァァァァッ!!』
『ちょぉぉぉっ!! 植物を食べて進化するってどういうことですかぁぁぁっ!?』
しかもドラコプレデターはスージーが用意した『弾丸草』に『トゲアカヒメ』を喰らうと弾丸の花を両肩から、翼のような棘を背中から生やし、弾丸と棘による弾幕でスージーを攻撃し始めた。
スージーは何とか逃げながらもドラコプレデターを生み出した入間に文句を叫ぶ。
そして、教師達が追い詰められていく様子を見て……。
「おかしい……私がこうした事態を対策しない訳が……」
試験開始からある程度の時間が経過すると教師を追加する事になっているので、それまでの様子見で待機の教師たちはモニターで心臓破りの様子を見ていた。
明らかに入間による仕込みや細工に今回の心臓破りの前に少しでも入間がやる行為をすべて禁止にしたカルエゴ。彼にとってはそのつもりでルールを設けた筈なのだ。
しかし、ルールブックを見ても現在、入間がやっている行為において禁止とみなせるような行為は書いてなかった。
「おのれ……またなんかとんでもない事をやったな、あいつめぇぇぇっ!!」
こうした違和感であり、ルールブックの不備は入間による物だとカルエゴは確信していたのであった。
「くくく、ルールってのはそこにないものならどれだけ滅茶苦茶しようとルール違反にはならないんだぜ、カルエゴ先生」
指定の時間が来るまでカプセルの中から出られない入間は今頃、自分がやっている事に絶叫しているだろうカルエゴに対して精神内で言う。
どうしてカルエゴが入間対策に設けたルールに不備が起こっているか……。
それは世界規模の儀式魔術によって、ルールブックに書かれていた複数のルールの記憶を消し、それらのルールが無かったことになったからである。
ある程度のルールは残しているが、不自由がないように入間は心臓破りのルールにすら干渉してしまったのであった……。