今回の『心臓破り』においてカルエゴは入間がやりそうな『憑依』や『変身』、魔具の譲り渡しなど彼がやりそうなことを考え抜き、それをルールで禁止した。
確かにそのはずだったのだが、入間はカルエゴの更にその先を行く。儀式魔術によって、自分が不自由にならない程度にルールを皆の記憶ごと消し去ったのである。
故に入間は制限時間が来るまで介入できない筈の状態から自由に介入する事が出来るし、状況によって事態を打開する指示は勿論、色々と魔具や魔物を渡したりもしているので教師陣に生徒達でも対応可能な状況である。
そうして、試験開始から13分が経過し……。
『それでは試験開始から13分が経過しましたので、ここで教師陣を追加します』
ダリが生徒達の相手をする教師の追加を告げた。
追加されたのはブルシェンコにマルとモモノキ、精神医学教師のムルムル・ツムルに戦術学教師であるイポス・イチョウ、そしてアトリであった。
「それでは諸君、作戦通り……基本、自由行動で報・連・相だけは大切に」
追加教師陣においてリーダーであるブルシェンコが指示をした。
高位階の教師陣が複数いても基本、行動方針は変わらない。自由行動が基本である。とはいえ、巡回ルートは教師一人一人、決められているのと生徒が他の教師と戦闘している時には加勢しないのが最低限のルールだ。
「さあ諸君……準備は良いか。今回、我々は
ブルシェンコは教師達の今回の立場を再認識させていく。
「
そうして生徒を探し、風船を割って脱落させるために解散した。
指示を出していたブルシェンコの後ろ……。
「(ふふ、悪いけど僕は見つからないよ)」
ソイが家系能力である【認識阻害】で存在感を極限まで薄くしていた。家系能力の【認識阻害】は魔力量を調節し、イメージする力を高める事によって他者へその能力を付随できる。
これにより、ソイはチームの一年生で髪が長く身体も大きいセイル・セパータと同じく身体は大きく、角があり毛むくじゃらな顔に身体のニックス・ニコマルの二人と共に存在感が凄まじく希薄にしていたのだ。
「(イルマ君との鍛錬のお陰で自然にこなせてるからね)」
入間による鍛錬で今までなら極限に集中しなければ出来なかったのを呼吸するくらいのレベルでソイは出来るようになっていた。
そうして、ソイは誰も気づかず……アトリが軽く気づきかけた反応を見せたので集中して存在感を更に消し、これによって教師陣に気づかれず、見事にやり過ごしたのであった……。