魔入りましたよ 入間さん   作:自堕落無力

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二十一入

 

 

 『位階昇級対象授業』であり、試験の『処刑玉砲』がつい先程まで行われていた地下運動場。

 

 カルエゴによる特別試験を乗り切り、勝利までした入間は衣服もぼろぼろで、肉体にも結構の重傷、体力も魔力も消耗しきっている有様でそれこそ気合で立っている状態であった。

 

「見事な勝利、おめでとうございます入間様」

 

「入間ち、これ」

 

 アリスとクララがすぐさま駆けよって、声をかけながらクララが入間へと家系能力によってポケットから薬液の入った瓶を渡す。

 

「サンキュー」

 

 入間はクララから渡されたそれ、効能として体力に魔力の回復と傷の治癒を促進する入間自身が製薬した回復薬を飲む。たちまち、治癒が始まり、目に見えるところとしては入間の傷がどんどん治癒され始めた。

 

「いやー、改めて入間君には驚かされるよ。実力でカルエゴ先生に勝っちゃうなんてさ。もし、勝負してたらと思うとゾッとする」

 

「そこについてはカルエゴ先生に感謝だね。でも、本当格好良かったよ」

 

「それでこそ、我がライバルよ」

 

「入間君の雄姿、惚れ惚れしたでござる」

 

「いやはや、お見事でしたな」

 

「目が覚めちゃったよ」

 

「入間君、勝利おめでとう」

 

「正々堂々の勝利、天晴」

 

 ジャズにリード、サブノックにガープにカムイ、アガレスにプルソン、アロケルらも次々に入間に称賛の声をかける。

 

「入間君ってとても熱いモノをもってたのね……格好良かったわ」

 

「……その、凄かったです」

 

 何やら頬を染めながらエリザベッタとケロリも入間に声をかけた。

 

「皆、ありがとうな」

 

 入間は皆へと笑顔で感謝を告げる。

 

「……粛に……おい、入間」

 

 すると先程最終的に入間によるヘルハウンドの突撃で吹っ飛ばされながらも少しのダメージで凌いでいたカルエゴが入間に声をかける。

 

「試験は文句なしに合格だ。貴様の『3(ギメル)』への昇格を認める。そして、ウァラク。お前もだ」

 

 カルエゴは色々と文句言いたげそうにはしながらも『3』と書かれたバッヂを入間とクララに投げ渡す。

 

「おお、やったなクララ」

 

「うん、これでアズアズと一緒だね。入間ち」

 

「ウァラクはともかく、入間様と同じ位階で私、大変感動しております」

 

「試験はこれからもある。お前らももっと真面目にやれ……以上だ」

 

 そうしてカルエゴは皆へとそう告げるとさっさと運動場を後にし、皆も試験が終わった事で帰宅しようとカルエゴに続いていった……。

 

 

 

 

 

 時間は『処刑玉砲』が行われる3日前に遡る。

 

 入間は自分はカルエゴと勝負する事になると今まで散々弄って来たから(でも、楽しいから止めるつもりは一切ない)、読んでいてそれを見越してオペラとの特訓などの準備に励んでいた。

 

 だから、3日後に訪れる本番までの追い込みとしてアメリにその日までは『初恋メモリー』の朗読は出来ないと謝りながら連絡をしたのだ。

 

 これにアメリは『気にせず、自分の事に集中しろ』と返答し、そうして入間による試験の結果を見届けるべく、生徒会のメンバーと共に『処刑玉砲』が行われる地下運動場へと足を励んでおり……。

 

「……あれが特待生、イルマ……」

 

「カルエゴ先生を使い魔にしているのは伊達じゃ無いな」

 

「あのサリバン理事長の孫だけはある」

 

「天才というレベルじゃないですね……」

 

 生徒会のメンバーであるセンター分けで黒と白の2色という髪色、眼鏡をかけた生真面目さ漂うザガン・ジョニー・ウエスタン、柔らかそうな印象を受ける黄色い短髪のキマリス・キッシュライト、黒髪を後ろで縛り、両頬には2本線があり、無骨漢な印象を受けるグシオン・サニー・グレイヴら男悪魔3人にアメリと同じく女性悪魔でピンクにも思える紫の短髪で目元は髪によって隠れている。そして髪も肌色も紫で唇は青みのある紫色というアスタロト・スモークが入間がカルエゴに勝利した一部始終に驚愕しながら呟く中……。

 

「(か……格好良い……)」

 

 アメリは普段は弟のように可愛がればなんだかんだそれに甘える入間がカルエゴとの試験中、燃える炎の如き意志であり、野心の如き執念などそうした言わば、男気や雄姿にアメリが知る普段の入間とのギャップに見惚れて頬を赤く染め、胸が動悸した。

 

 ともかく、声をかけるために何とか深呼吸して落ち着きながら頃合いを見計らって入間の元へと近づく。

 

「おめでとう、イルマ……」

 

「あ……アメリさん、来てくれたんですか」

 

「ああ、お前の活躍をしっかり見せてもらったぞ。そして、驚いた……まさか、あのカルエゴ卿に勝ってしまうなんてな」

 

「努力した甲斐がありました」

 

 アメリは入間に近づいて頭を撫でつつ、褒めると入間は笑顔を向けた。

 

「なら、その頑張りに見合う褒美を与えないとな……ちゅ」

 

「ぇ……ぁ……」

 

 アメリは凄い速さで入間の額に口付けすると身を翻して去り、入間は顔を赤くして戸惑いと混乱で停止していた。

 

「まっかちゃん、ズルい!! 私も入間ちにキスする」

 

「止めんか」

 

 これを少し遠くから見ていたクララは怒りつつ、入間の元へと行こうとしたのをアリスに止められていたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 因みにであるが、どうしても入間による『処刑玉砲』が気になったサリバンは密かに中継魔を地下運動場に忍ばせていて、入間とカルエゴの対決をバビルス全体で公開しており、これによって学生もカルエゴ以外の教師も入間がカルエゴのケルベロスと似たヘルハウンドを持っている事やカルエゴに勝利した事などからカルエゴを使い魔にしている事に納得したり、カルエゴ本人にもオペラから大量に入間に負けた事への煽りメールとどこから聞いたのかは知らないが、叔父からも揶揄うメールが届くなどカルエゴにとっては胃薬を大量に使用するしかないというそんな状況となったのだった……。

 

 

 

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