魔入りましたよ 入間さん   作:自堕落無力

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二十八入

 新入生に対する位階の認定が落ち着き、更には師団見学の解禁、一年生争奪戦及び師団への入団と色々賑わうバビルスであるが、当然ながら授業はちゃんとある。

 

 しかし、こんな時期に教師としての服を着た男がバビルスへと新任教師としての初の出勤をしていた。

 

「ここが憧れのバビルスかぁ」

 

 緑色の短髪だが、長目の一房と小さめの一房が上に跳ねている独特の髪型をした青年が呑気にバビルスを見て、笑みを浮かべた。

 

 彼の名はバルス・ロビンで担当授業は使い魔交流である。物事に飽きっぽい悪魔としては逆に物事に対して一点集中する性格の彼は始業式を忘れるくらい、準備に没頭し過ぎた結果、今ようやく初出勤を迎える事になった。

 

「えーと、今日授業を受け持つのは一年の『問題児クラス』かぁ……」

 

 そう言って、問題児クラスの地図を持ちながら歩いていたロビンは……。

 

「え、ええええええええっ!? なんか学校の中に万魔殿(パンデモニウム)が立ってるんだけどぉぉぉぉっ!!」

 

 問題児クラスの教室がある場所には今までは洞窟だったのに今では『万魔殿(パンデモニウム)』の如き、荘厳であり、広壮な建物となっているそれを見てロビンは驚愕した。

 

 これは『中は弄りまくったし、次は外だっ!!』とやはり、入間による魔術と魔具によって創造されたものである。これにカルエゴは文句を言いたかったし、何なら血涙は流したし、胃も損傷したが泣く泣く、何も言わない事にした。

 

 というかそもそもバビルスの理事長は入間を甘やかしまくっているサリバンだ。権力でどうにでもなってしまうので文句を言うだけ無駄だし、入間に対しても余計に弄られるのでカルエゴはやはり、抗議は止めた。

 

「ふふ、これは楽しくなりそうだぁっ!!」

 

 ロビンは万魔殿の如き、その中へと入り込み、『問題児クラス』の教室へと嬉々として向かえば……。

 

『ようこそ、ロビン先生っ!!』

 

 豪華な王室の内装の如き、教室の中で待ち構えていた入間たち、問題児クラスの生徒がクラッカーを鳴らして歓迎する。

 

良く見れば、『ロビン先生、ようこそ』と書かれた横断幕が部屋の上で掲げられていたり、お菓子やジュースがあるなど歓迎の用意がされていた。

 

「早速、親睦を深めましょう。ロビン先生」

 

「うわあぁぁい、君たち、大好きだぁぁぁっ!!」

 

 入間が笑みを浮かべて近づけばロビンは大層、歓迎の宴を喜んで楽しみ始めたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 1年『問題児クラス』の担任であるナベリウス・カルエゴにとって今日は試練の日である。なので……。

 

「カルエゴ先生。だ、大丈夫なんですか?」

 

「ええ、これが俺にとっての適量なんですっ!!」

 

 ある時間となった瞬間、大量の胃薬の瓶を複数空けてかっ喰らうように口内へと入れ、噛み砕いて呑み込むという異常な行動をするカルエゴに対し教員が問いかけるとカルエゴはそう叫んだ。

 

「では少し、用があるので逝って来ます」

 

「何か字が違いませんっ!?」

 

 そしてカルエゴは席を外して職員室を去った。

 

「(さあ、呼ぶなら呼ぶが良いっ!!)」

 

 そしてさっさと今日の授業である『使い魔交流』にて入間に最高評価を取らせて飛び級で単位を終えさせるために決死の覚悟を持って使い魔として入間に召喚されるのを待ち受けたカルエゴの体が光り輝き、そして……。

 

「それでは、契約通り俺の使い魔としてよろしくお願いしますねカルエゴ先生。そして、お喜びください仲間が出来ていますよ」

 

 校庭にて入間は使い魔の姿として覇気の如き威風を纏った高貴であり、美しき鴉の鳥人悪魔と化しているカルエゴに笑顔で言う。

 

「やぁ、カルエゴ君。使い魔としては貴方が先輩ですね。よろしくお願いします」

 

 そして入間に続き、覇気の如き威風を纏い、高貴であり、美しくモフモフな赤い毛並みの猫人悪魔と化したオペラが手を上げた。使い魔召喚をすれば入間が緊急事態に陥った時、直ぐに呼べるし、サリバンからも安心できると頼まれてオペラは入間との使い魔契約を交わしたのである。

 

 因みにモフモフはオペラからの希望である。

 

「いやぁ、使い魔として呼ばれるというのも中々、新鮮で面白いねカルエゴ君」

 

 そう、カルエゴへと自分の姿を新鮮な目で楽しそうに見ているのは長身で筋肉質の身に覇気の如き、威風を纏った高貴で美しい白鷹の鳥人悪魔であり、嘴にマスクを付けているという入間の使い魔としての姿となっているバラムである。

 

 彼はある日、放課後にやって来た入間からバラムが心優しい悪魔で信頼できると判断したので自分の正体が人間である事を明かし、そうしてバラムは入間の保護を考え、使い魔契約を交わしたのだ。

 

「お前はそれで良いのか、シチロウ……」

 

 

 カルエゴは使い魔としての姿になっているのを喜んでいるバラムに呆れていたが……。

 

 そして、更に……。

 

「カルエゴ先生、イルマ君はとんでもない悪魔ですね……」

 

「ええ、まったく。それで貴方は?」

 

「……オリアスです」

 

 先程まで沈んでいた覇気の如き、威風を纏い高貴で美しい金色の獅子という獣人悪魔という入間の使い魔としての姿となったオリアス・オズワールはカルエゴへと歩み寄って、意気投合してみせた。

 

 何故、オリアスが入間の使い魔になったのかと言えば、入間が以前、師団潰……師団見学をした際、見学に向かった遊戯師団の顧問であるオリアスに挑み、その時、『勝者は敗者に対し、可能な限りの範囲内で絶対服従』という条件のもとに遊戯を行った。

 

 そして入間に敗北した瞬間、入間のバビルス学生として過ごす数年間、オリアスは彼に使い魔として従う事になってしまったのである。

 

 

 

 

 そしてそして更に……。

 

「うわぁぁぁぁっ、イルマ君。僕を嵌めたなぁぁぁぁぁっ!!」

 

 そう言って、入間に詰め寄り泣きながら抗議をするのは覇気の如き、威風を纏い高貴で美しい緑色の駒鳥の鳥人悪魔となったロビンである。

 

 彼は歓迎の宴を受けて有頂天となっている時に『ロビン先生、これにサインしてください』と何も書かれてない紙を入間へと差し出されたので何も考えずに『良いよ☆』と自分の名前を書いた。

 

 しかし、それは名前を書くことで契約が執行される特殊な紙であり、しかも内容は魔術で隠蔽されていたものだった。

 

契約執行となったその内容は『入間の学生生活の間、使い魔となり、その格は使い魔の中でも一番下』、『用務員なども含めたバビルス全教職員の命令に絶対服従』、『歓迎のためにかかった費用は彼自身の給料から天引き』というあまりにもロビンにとっては不条理な契約が執行される事になってしまった。

 

「いや、これがバビルス流の歓迎のやり方ですよ。それに今頃、のこのこやってきておいて何の罰も受けないなんて都合良い事があると思ったんですか?」

 

 入間の言う通り、ロビンに対する扱いはバビルス全教員の総意でもあった。

 

「そういう事だ……これからたっぷりと厳粛に教員としての教育をしてやるからな。新入り」

 

「もう既にゲームオーバーだよ、新入り君☆」

 

「う、うぁ……うあああああああああっ!!」

 

 そして、ロビンの肩を背後から掴んだカルエゴとオリアスは八つ当たり気味にかつ嬉々として新任教師でありながら、入学式をすっぽかし学校開始日にも来ないという教師としては舐めているとしか思えない事をしたロビンに対し、制裁を始めたのであった……。

 

 

 因みにこの日以降、カルエゴとオリアスは飲み仲間となり、親睦深くなったのは余談である。

 

 

 

 

 




 やったね、カルエゴ先生。仲間が増えたよっ!!
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