魔入りましたよ 入間さん   作:自堕落無力

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三十五入

 

 バビルスにて開催されている『師団披露』の本祭も残り、二時間程となっており、空の色も夜になっている事で黒に染まっていた。反して会場内は師団それぞれが用意した明かりや元々、ある照明などで明るい。

 

 そうして賑わいを見せていたが……突如、高所から二重奏による音が鳴り響き始める。

 

「っ、これはっ!?」

 

「ダ、双魔の妖精(ダブルピクシー)だっ!!」

 

 此処、バビルスでは常日頃、放課後になると屋上のそれぞれの端からトランペットによる二重奏を行っている何者かが二人いて、バビルスの生徒達は『双魔の妖精』と呼んで評価しており、実際にファンもいたりした。

 

 そんなピクシーが今回は屋上にて一緒になり、祭りの雰囲気に相応しい軽快で明るい演奏をしているのである。

 

 それに皆が聞き惚れ、数分による演奏が終わると……。

 

『ウオオオオオ』

 

 歓声と拍手を送って称えたが……突如、中央広場にて大きな魔方陣が構成され次の瞬間……バビルスは超大規模なライブ会場へと変化した。

 

「さあ、『魔具研究師団』による盛大なショーを楽しんでくれっ!!」

 

 ライブ会場のステージの中央で入間は戸惑う多くの者たちに向けて有無を言わせず、そう言うと自分はエレキギター型の魔具を、更に魔力を込める事で動かすことが出来るのが基本でその他、高性能な人形の多くを用いて楽器型の魔具による演奏を始めた。

 

 その演奏する中には衣装で体格を隠しつつ、仮面で素顔も隠したプルソン・ソイがトランペットを演奏する。

 

 彼の家系のしきたり上、目立ってはいけないが姿を隠している上に正体がバレないのなら問題は無く、だからこそ彼は演奏を心から楽しんでいる。

 

「(どうやら、良い友達が出来たようね)」

 

 師団披露にやってきたプルソンの母は楽し気な様子のソイに満足し、彼の友達であろう者に感謝した。

 

 

 

 

 因みに裏方ではアリスにクララ、エリザベッタが入間達の演奏に聞き惚れつつ作業に励んでいる。

 

 ともかく、入間たちによる凄まじいロックに皆が乗せられ、それが終わった事でやはり歓声と拍手を送る者達に対し……。

 

「師団披露の本祭も残り二時間程度だ。なら、より一層盛り上がって燃え尽きて行こうぜ。それこそ祭りの醍醐味だ、違うか?」

 

 いつの間にか付けているヘッドマイクで入間は皆へと問う。

 

「違わない」

 

「盛り上がって、燃え尽きたいか?」

 

「オオッ!!」

 

「良し、それじゃあ燃え尽きていこうぜっ!!」

 

「オオオオオオオオッ!!」

 

 そうして様々な曲を演奏すると共に入間は聞く者を魅了する歌声を披露し続け、更に観客を沸かせた。

 

 

 

 

 

「それじゃあ、次は特別ゲストを紹介するぜ。DJ.MAIRU!!」

 

『オオオオオオオオッ!!』

 

「(いや、それもお前だろうがぁぁぁぁぁぁっ!!)」

 

 最近、話題の悪魔が登場するという事で皆が更に湧き上がるが、入間の突然のライブの開演に驚きを通り越して呆然としていたカルエゴは突っ込む。そうして、一旦、暗闇が訪れると次の瞬間にはナイトクラブへと周囲が変化した。

 

「YO、YO、YO!! お前ら、盛り上がりたいんだって? なら、その意気込みを聞かせてくれ。俺がHOと言ったら、HOと返してくれよ。先ずは練習だ」

 

 ターンテーブルによって電子音による演奏を挟みながら、DJ.MAIRUと化した入間は観客に対してコール&レスポンスを要求する。

 

 

 

 

「SAY HOー!!」

 

『HOー!!』

 

「HOー、HOー」

 

『HOー、HOー』

 

「HO、HO、HOー」

 

『HO、HO、HOー』

 

 そうしてコール&レスポンスが終わると電子音による演奏をしながら、特殊音をも鳴らす。

 

「まだまだ気持ちが足りない気がするなぁ、まあ、練習だからしょうがない。本番はしっかり決めてくれよな。それじゃあ、先ずはゲストである一年生の親御さんたちだ。準備は良いかぁっ?」

 

『イェェェェイ!!』

 

 そうしてコール&レスポンスを開始し、終えると……。

 

「良いねぇ、それじゃあ次はバビルスの教師の皆さんだ。生徒たちの模範としてゲストに負けないくらい、ノッテくれよ。手本としてカルエゴ先生にオリアス先生、いーくぞぉぉぉぉっ!!」

 

 次に教師たちへ呼びかけながらまずはカルエゴとオリアスにコール&レスポンスを求めた。

 

「SAY HOー!!」

 

『……ほ、HO』

 

 カルエゴもオリアスも色んな苦悩を経て、入間に応じた。

 

「ちょちょちょ、どうしたどうしたお二方。ゲストに負けてるぞー。皆、二人を励ましてやってくれ」

 

『頑張れー』

 

 入間の声にゲスト、特に子供たちは純粋にカルエゴとオリアスを励まし始める事で二人の精神をその実、抉った。

 

「気を取り直して、いくぞー」

 

 そうして再開したコール&レスポンス。カルエゴもオリアスもヤケクソとばかりに盛大にノッたのである。

 

「OKOK、流石だお二方。皆……盛大な拍手を……それじゃあ他の教師の皆さんも二人に続けよ」

 

 そうして改めて教師陣とコール&レスポンスを交わし……。

 

 

 

 

「それじゃあ、次は翌年から色々と忙しくなってこの師団披露にも参加しづらくなる3年生だ。お前ら、悔いの無いよう、そして教師に負けないようにノッていこうぜっ!!」

 

『オオオオオッ!!』

 

 そうして3年生とコール&レスポンスを交わす。

 

 

 

 

「よぉしっ!! じゃあ後輩として負ける訳には行かないよな2年生っ!!」

 

『オオオオオオッ!!』

 

「良い意気込みだ。じゃあ、ちょっと試してみようか良いだろう、アメリ会長?」

 

「ふ……良いだろう、来い」

 

 そうして、入間はアメリとコール&レスポンスを交わすとそのまま2年生全体とし……盛大に演奏を行った後……。

 

「いよいよ今回の主役、1年生だ。お前ら、準備は出来てるよな?」

 

『オオオオッ!!』

 

「さっきまでのノリに負けねぇよなぁ?」

 

『オオオオオッ!!』

 

「じゃあ、行くぞぉぉぉ」

 

 そうして1年生とのコール&レスポンスを終えると……。

 

 

 

 

「お前らの意気込みは分かった。それじゃあお望み通り、至高のビートを聞かせてやるよ」

 

 そうしてダブステップによる演奏や様々な曲をEDⅯに編集したものを流して更に周囲を沸かせる。

 

 

 

 

 そうして……。

 

「この盛り上がりならいけるだろう今こそ降臨しろ、EGIIと愉快な仲間たちっ!!」

 

『ちょ、ま……』

 

 入間はそう皆へと告げてカルエゴとオリアスの制止も聞かずに魔方陣を構成すれば……。

 

 次の瞬間、入間の近くにヒップホッパーの如く、帽子とだぶだぶの衣装を着たモフエゴを始めにそれぞれ、モフエゴのように小型のマスコット状態でモフモフなオペラにバラムにオリアスにロビンの姿があった。

 

「早速いこう、EGII」

 

「お前、無茶ぶりにも程が……」

 

「やりましょう、EGII君」

 

「楽しもうよ、EGII君」

 

「諦めましょう、EGII」

 

「頑張ろうEGII」

 

入間の無茶ぶりにカルエゴは文句をいうものの、オペラとバラムにロビンがノリノリでカルエゴを励まし、オリアスは諦めの境地でカルエゴに告げ……。

 

 

 

「粛にっ!!」

 

 

 結局、カルエゴはモフエゴ状態で『SHU☆KU☆NI』、『GEN☆SHU☆KU☆NI』、『BAN☆KEN』を歌わされた揚句(オペラたちはダンス)……。

 

 

「それじゃあ、新曲『NA☆BE☆RI☆US』いくぞぉぉぉぉっ!!」

 

「貴様ぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

 ナベリウス家の賛歌のEDM曲まで歌わされてしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 その後、MAIRUでの演奏は止めて入間としてのライブを再開する。その締めに人間界の洋楽を歌い終えると……。

 

「じゃあ、最後は超特別ゲストに締めてもらうか。超大人気なアクドル、くろむちゃんだぁぁぁぁぁっ!!」

 

「バビルスの皆―、師団披露盛り上がってるー?」

 

『盛り上がってるーっ!!』

 

 魔方陣から登場したバビルスの女子生徒服姿のくろむの登場に皆は盛大な声を上げた。

 

 

 

 

「それじゃあ、本祭の終了もあと少し……今まで以上に盛り上がっちゃおうっ!!」

 

「いえぇぇぇいっ!!」

 

そうして最後はケロリことくろむのライブと化して盛り上がりに盛り上がったのだった……なお、これにより以後の師団披露やまだまだ1年の行事として控えている『音楽祭』等のハードルが上がりに上がったのは言うまでもない。

 

 




 因みに入間が歌った人間界の洋楽は『I Will Survive』です。
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