今年、開催された『師団披露』の本祭は例年よりも凄まじい盛り上がりを見せた。何よりも最近、魔界にて大物なアクドルであるくろむや主にネットで活動すDJ.MAIRU&EGIIが特別ゲストとして出た事、姿こそ隠していたがいつもは屋上で演奏する『双魔の妖精』、そして入間が派手にライブした事が大きい。
そうして翌日となり、バビルスの講堂にて師団披露の最終行事である『後夜祭』が開催されようとしていた。師団にとっては自分たちが賞を取れるかどうかなので緊張していた。
そんな中……。
「只今より、師団披露最終行事である優秀師団表彰式を始めます!!」
『オオオオオオオッ!!』
生徒会の一人、キッシュがマイクを持って宣言すると全生徒が歓声を上げた。
「プレゼンターは我らが会長、アザゼル・アメリ!!」
行事が行事なため着飾ったアメリが登場し、キッシュからマイクを受け取る。
「皆ご苦労だった。今年も盛大で賑やかな披露になった事を嬉しく思う。では」
手短に労いの言葉をかけると早速……。
「早々に表彰へ移ろう。まずは第3位、努力賞。サキュバス師団」
前夜祭・本祭ともにその華やかさで祭りを盛り上げた事を評価されたサキュバス師団が賞品として『豪華師団室』を勝ち取った。
「続いて第2位、凄いで賞。魔術開発師団」
魔術体験コーナーなど生徒との交流を通じ、魔術の発展に貢献し新魔術に目を見張るものがあったと魔術開発師団は『団費増額』と『希望商品の贈呈』の商品を勝ち取った。
「それでは最後、皆準備は良いな? 2日間の師団披露、その中で最も評価された第1位の師団だ」
そうして、第1位の特賞を勝ち取った師団の発表へと移り……。
「皆で彼らの栄誉を称えよう。栄えある特賞は『魔具研究師団』!!」
アメリの居る舞台に入間にアリス、クララとエリザベッタが登場した。
前夜祭での豪華な花火のショーに加えて本祭でのライブと盛り上げに盛り上げ切ったその手腕は称賛に値するとアメリが告げた。
実のところ、本来の団長であるキリヲのやらかそうとした事はかなり問題である。師団披露前にいらぬ混乱を防ぐために入間を団長代理として参加させはしたが、披露での結果がどうあれ……景品など論外であったのだがしかし、入間の手腕が余りにも凄まじすぎた上に師団披露も盛り上がりまくり、評価する声がゲストである家族らからもあったので『魔具研究部』を特賞にせざるを得なかったのだ。
「おめでとう、入間」
「ありがとうございますアメリ会長。ですがすみません……景品についてちょっと良いですか?」
「ん?」
アメリからマイクを受け取った入間は……。
「皆の中にも俺たち『魔具研究師団』の事情を知る者は居ると思うんだが、本来の団長であるキリヲ先輩が家系の事情でバビルスを去っちまった。だから先輩を差し置いて景品を受け取るなんて出来ない。それにこのままだと師団としての活動も3年生1名以上か位階4以上の団員3名以上という条件も満たしていないから出来なくなっちまう。だから、特賞の景品としてエリザベッタの位階を2階級上げて位階『3』の団員4名という事による特例での師団活動続行を認めて欲しい。皆、どうだ?」
『良いぞーっ!!』
入間が特賞の景品変更を要求し、まず生徒たちに問えば同意の声が返って来た。
「皆からも同意を得たという事でアメリ会長、どうですか?」
「全く……これで拒否したら私が悪者になってしまうではないか。ああ、それならば活動を良しとしよう」
念話にて掛け持ちこそするものの、自分はちゃんと生徒会に所属する事を告げながら言えばアメリは苦笑しつつ、頷いた。
「ありがとうございます。教師の皆さんとサリバン理事長も生徒と生徒会長も認めたって事で良いですよね?」
「勿論、良いよっ!!」
サリバンが早速、入間の問いに応じ教師たちもそれぞれ頷く。カルエゴはもう好きにしてくれとばかりの態度であったが……。
「特賞も取れたし、これからも頑張っていきましょうねイルマ君」
「ね、入間ち」
そうして魔具研究師団の活動続行が決まった事でそれをエリザベッタとクララは喜びながら、入間へと近づき……。
『ちゅ』
「お、おい……」
二人で入間の口へと同時に素早く口づけし、入間が戸惑う中、更に入間の両脇へと寄り添ってアメリに対し、挑戦的な表情を浮かべる。
「ふふ……」
それに対し、生徒会に入間が所属するので二人よりもっと関係を深めてやるとばかりに二人の挑戦に応じつつ、不敵な笑みを浮かべた。
そうして『ヒュー、ヒュー』と黄色い声が上がったり、嫉妬や恨みの念を入間に送る男性生徒が多数出たりして混沌にもなったが『後夜祭』は終わったのであった……。