魔入りましたよ 入間さん   作:自堕落無力

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三十八入

 

 

 悪魔学校のバビルスにて活動する数多くの師団の中でバビルスの秩序を保ち、監督する事を目的とする師団こそ『生徒会』である。

 

 そして生徒会の者は大体が学生寮通いなのもあって、活動は朝早くからとなる。

 

 今日も又、早朝のバビルスにて活動をしようとする生徒会だが今回は変化があった。

 

「という事で今日から我らが、生徒会の一員となるイルマだ」

 

「アメリ会長や皆さんの名に泥を塗らないよう、頑張りますのでよろしくお願いします」

 

『師団披露』の最後の行事である『後夜祭』が行われた翌日である今日より、入間はアメリとの事前の約束通り、『生徒会』に所属する。だが、『魔具研究師団』を退団した訳では無く、入間は生徒会所属であり、魔具研究師団の団長代理という掛け持ち状態となっているのだ。

 

 ともかく、軽く挨拶を済ませると早速、生徒会の一員として仕事を始め……。

 

「いやー、皆さんいつもこんな大変な事を朝からやっているなんて凄いですね」

 

 会議において沢山の書類と格闘しながら、何を言われるまでも無く、先輩と会長であるアメリが望む作業を先じて行い、支援する入間はそんな事を呟くものの、その作業スピードはすさまじく速い上に的確に過ぎた。

 

「いや、お前ほどじゃないさイルマ……」

 

「噂に聞いてはいたが……悍ましい程に優秀過ぎるな」

 

「これはもう、生徒会は安泰とかいうレベルじゃないなぁ。頼もしいよ、イルマ君」

 

「上には上がいるか」

 

「本当、凄いねイルマ君」

 

 

 超魔才であり、有能等という表現では足りな過ぎる程の傑物である入間のハイスペック振りにアメリも含めて生徒会の者達は驚愕した。

 

 因みにスモークは入間を褒めながら、頭を撫でると心地良さそうに反応したのを見て……。

 

 

「ふふ、会長が夢中になるのも分かるなぁ……先輩として私も可愛がってあげるね」

 

「? あ、ありがとうございます」

 

 入間は妙な色気が籠ったスモークの言葉に戸惑いつつ応じ、スモークはアメリが睨み始めたのでサッと入間から離れた。

 

 入間の活躍もあって、普段より早く終わった会議の時間の後……。

 

 鍛錬のために生徒会は『吸血噛鉄』に追われながらのランニングをしているのだが……。

 

「せっかくですし、本気で競争しませんか?」

 

「ほう……挑戦的だな。良いだろう、乗った」

 

 入間の提案により、生徒会全員で競争することが決まると同時、ならばとアメリは自身の髪に幻想的な輝きを纏う。

 

 それは『思い込む事で本来の力を最大限まで引き出す』という意志の強い(思い込みの激しい)アザゼル家の家系能力であり、最強の鼓舞魔術を使った証だ。

 

 そして、距離は100mとして競争を開始し……。

 

「しっ、一番っ!!」

 

 普段、自宅にある過酷な環境の鍛錬場でのオペラとの鍛錬や色々と質を高めながらの魔術的改造を施している入間は100mを3秒台でゴールというぶっちぎりの速さで一位となった。

 

「……ふふ、家系能力を使っても、追いつけないとはな。負けたよ、イルマ」

 

「か、会長まで負けるだと……」

 

「頼もしいどころじゃ無かったね」

 

「底や頂きが見えない」

 

「会長にまで勝つなんてやるねぇ、イルマ君」

 

 文武両道なイルマに皆が又も驚きつつ、アメリとスモークはイルマの頭を撫でたり、頬を揉んだり軽く可愛がるのであった……。

 

 

 

 

 

 

 生徒より早く、バビルスの職員室へと出勤する教師たち。その中には当然……。

 

「……」

 

「お、おはようございますカルエゴ先生。随分と疲れてますね?」

 

 すっごく疲れた様子のカルエゴにオリアスが挨拶をする。

 

「ええ、まぁ……本っ当にあいつのせいで色々とあったので」

 

 カルエゴはそう、オリアスに答えた。実際、カルエゴはとんでもない事になっている。

 

 何故なら、『師団披露』の『本祭』において入間が行ったライブは実はネットでの生中継が行われていて当然、カルエゴが『EGII』として歌ったのも中継されていた。

 

 それを見ていたカルエゴの叔父から連絡があり、爆笑されながら『面白かったよ』と言われたのを始めに家族にも映像を見せたと言われ、EGIIがカルエゴだと言うのもバラされたも言われ、盛大に笑いながらカルエゴの叔父が電話を切った後、父から電話がかかって『……色々と疲れているようだな、今度、話をしよう。カルエゴ』と本気で心配する気持ちの籠った言葉で言われた。

 

 怒られるよりも辛い精神的ショックをカルエゴは受け、そうして胃薬を大量に飲んだのである。

 

「いや、まぁ分かりすぎる程に分かりますよ。参りましたねぇ」

 

「ええ、ですからいつか絶対に粛しますよ」

 

 オリアスと話し合いながら日々、燃料を上げながら燃やしている意志を更に激しくしながら誓いを告げるカルエゴ。

 

 時計を見るとそろそろ、打ち合わせをするために生徒会が職員室にやってくる時間帯だったので待っていると……。

 

「おはようございまーすっ!!」

 

『は、はあああああっ!?』

 

 生徒会と共に入間がやってきたのでカルエゴもオリアスも激しく驚愕した。

 

「き、ききき……貴様、な、何故ここに……」

 

 カルエゴは立ち上がるとじりじりと入間を警戒して入間から離れ始める。

 

「何故って、この格好を見て分かりませんか? 今日から生徒会の一員になったんですよ。なのでこの学校の秩序を守るために頑張ります」

 

「貴様は秩序を乱す側だろうが」

 

 自分から離れるカルエゴに近寄りながら、答える入間にカルエゴが指摘すると……。

 

「はあっ!? 俺がいつこの学校の秩序を乱したと言うんですか。乱したのはせいぜい、カルエゴ先生の平穏です!!」

 

「堂々と言う事じゃ無いだろうがああああっ!!」

 

 これから更に弄られることが決定し、カルエゴはその分も含めて胃を痛めながら(オリアスもだが)、絶叫したのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 バビルスにて学業に励むため、多くの生徒が今日も登校していくそんな時……。

 

「お、おわぁぁっ、ど、どいてくれぇぇっ!?」

 

「え、きゃああっ!!」

 

 バビルス付近の上空にて一人の悪魔の男性生徒が高速で飛行していたのだが制御を誤り、頭には短めの角、金の長髪のエイコに衝突しようとしていたが……。

 

「もっと周囲に気をつけて飛行しろ。次にやったら連行するからな」

 

「は、はい」

 

 入間が空間転移の魔術で二人の間に介入し、男性悪魔の動きを念動力の魔術にて干渉する事で停止させる事で衝突事故を防ぐと男性悪魔に警告する。

 

「間に合って良かった。女性に怪我は似合わないにも程があるしな……なんて。

一応聞くが、大丈夫か?」

 

「……は、はい。助けてくれてありがとう……イルマ……君。その恰好は生徒会のだよね?」

 

 エイコはイルマの笑みに頬を赤く染めながら礼を言いながら、格好について問いかける。

 

 

「ああ、『魔具研究師団』との掛け持ちではあるが今日から生徒会の一員になったんだ。良ければ応援してくれ。後、イルマと軽く呼んでくれて良いぞ」

 

「じゃ、じゃあ私もエイコと呼んでください」

 

 そうして笑い合うと入間はエイコと別れ、アメリたち生徒会が待機している正門へと移動したのだが……。

 

「イルマよ、良くやったな……」

 

「ふふ、お疲れ様」

 

「ふむにゅぐ……あ、あのなんか……アメリ会長もスモークさんも言葉と行動が一致してないんですけどぉ」

 

 アメリは嫉妬により、入間の頬を掴んで引っ張る等して弄りに弄り、スモークは便乗する形で戯れたのであった……。

 

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