魔入りましたよ 入間さん   作:自堕落無力

41 / 163
四十入

 

 師団披露と同じく、期限を三日として新入生として入った1年生のために行われた『師団見学』。

「ふん、ふん……良いか重要なのは筋肉だ。筋肉があれば何でも出来る!!」

 

『はい、団長!!』

 

 バビルスにて己の肉体を、筋肉を駆使して物を壊す事を活動目的としている『筋肉格闘師団』は日課である筋トレを行っていた。

 

 

「うおおお、幾らなんでも新入りにこんな激しいもんやらせないでぇぇ」

 

「辛いのは筋肉が作られている証拠だ。自分の筋肉を信じろ」

 

「どういう理屈っ!?」

 

 師団見学前の1年争奪戦で無理やり加入させたばかりの1年は入って速攻でやらされているハードメニューについて抗議しても無駄だった。

 

 

 しかし……。

 

「すみませーん、師団見学に来たんですけど……」

 

 そんな『筋肉格闘師団』の見学に入間が訪れ……。

 

 

 

 

「うぐおおおおっ……」

 

 自分たちは作り上げた筋肉によって巨漢であり、筋骨逞しい肉体にも拘らず小柄で華奢な肉体であるにも関わらず勝負を挑んできた入間に対し、『筋肉格闘師団』の団員たちはちょっと痛い目に遭わせるつもりで勝負を受けて立ったのだが入間に対し、打撃を炸裂させた瞬間、逆に打撃を放った部位の皮膚が裂け、血が流れ、骨も砕け折れた。

 

 余りにも入間の身体の肉体硬度が高すぎたためである。

 

「おいおい、期待外れだな。物は壊せても一人の悪魔は壊せないのか?」

 

 只々、自然体で団員たちに打撃を受けた入間は無傷のまま、逆に痛みに悶えている団員たちを見ながら溜息を吐くと……。

 

 

「しょうがない、一つ手本を見せてやる」

 

 そう言って入間が右の人差し指の先に小さな魔力の光を灯し、それを接触させると光は入間の頭の中へと入る。

 

 そうして巻き起こるは悪魔において暴力的、加虐的な思想や悪魔の本能である『悪事への欲求』が高まるストレス周期、『悪周期』への精神トランス。

 

 悪周期になった悪魔は魔力は向上するものの、理性は失われる。悪魔へと変身した状態の入間にも当然、この悪周期はちゃんとあるがしかし、そもそもの精神的構造は人間である事や魔術によって悪周期へのトランスをし、その状態に身体や精神を慣らしている事で悪周期でありながら入間は理性を失わない。

 

暴食の猛撃(グラトニー・ラッシュ)!!」

 

 『ぐあああああああああっ!!』

 

 そして入間は魔力によって手には籠手を、足には具足を形成するとそのまま、まるで獲物を喰い尽くすかのような激しく、容赦の無い乱打を繰り出し、勝利を喰らい取った。

 

 

「ご馳走様」

 

 悪周期にトランスしているために凶悪であり、嗜虐的に笑いながら手に付いた血を舐めて言う入間。

 

 

 

「お、おおお……あ、あれが入間様の……まるで魔王のようだ」

 

「ふぁぁ……凄いぃ」

 

「危険な男っていうのも素敵ね」

 

 入間の悪周期が醸し出す雰囲気などを目にしたアリスにクララ、エリザベッタはそれぞれ惹かれたのだった……。

 

 そうして、『筋肉格闘師団』は壊滅し無理やり入れられた1年生は入間に感謝を示したという事があったのだが、その日から入間に敗れた元『筋肉格闘師団』の団員たちは己の筋肉を見つめ直し、鍛え直しながら入間へのリベンジを誓った。

 

 そして、現在。

 

 

『生徒会』と『魔具研究師団』を掛け持ちしながら活動している入間の元へとリベンジへと行き……。

 

「あの時と違って、今の俺は『魔具研究師団』なので魔具を使わせてもらいますよ。丁度試したかった所だ」

 

 入間はリベンジを受け入れると学校の迷惑にならないよう、魔界の辺境へと転移しそして改めて対峙するとどこからともなく黒い仮面を取り出した。

 

 その仮面は生物的なものを思わせる質感でありながら、見た目は悪魔の騎士を連想させるもので額には宝玉が埋め込まれていた。それを入間が被った瞬間……。

 

 宝玉が発光すると仮面が蠢くと闇が発生し入間の全身を包むと次の瞬間にはフルフェイスマスクと化した仮面、そして所々装飾のように宝玉が埋め込まれ、生物的な質感を持つ騎士を連想させる見た目の黒いフルアーマーを纏った入間がいた。

 

 無骨な印象も受けるこれは入間が最近、作り試用段階に至ったばかりの戦闘用スーツであり、身に着ける事で劇的に総合的な戦闘能力を向上させる代物である。

 

「さあ、どうぞ」

 

『おおおおお!!』

 

 入間が手招きすると元筋肉格闘師団員は入間へと攻めかかり、かつて自分たちがされたように容赦なく打撃を放つ。しかし……。

 

「この程度じゃ、まだまだ」

 

 左の人差し指一本で捌き、あるいは自然的であり、僅かな動作で回避し続ける事で猛攻を入間はやり過ごし……。

 

「はっ!!」

 

 手足による打撃を放ちながら、その勢いで魔力による衝撃波を放出し炸裂させる事で元筋肉格闘師団を凄まじい勢いで吹っ飛ばす事で地面を転がらせて再び、勝利を喰らい取った。

 

 

 

「ふう、まだまだ出力にむらがあるのと消費が激しいな」

 

 仮面に手を付け、顔から取り外すと鎧は消失する。元の状態となりながら入間は思索にふけつつ、呟く。

 

「まあ、入間様に勝負を挑んだ度胸は褒めてやる」

 

「入間ち、本当強いね。後、魔具も格好良かったよ」

 

「お疲れ様、イルマ君」

 

 アリスは元筋肉格闘師団の者達へ言葉を送り、クララとエリザベッタは入間へと近づきながらそれぞれ密着し……。

 

「ちゅ、あむ」

 

「かぷ」

 

「ちょ、くおお……もぉ、止めろって」

 

 彼女たちはアメリとスモークもだが、毎日のように入間へのキスや入間の首や耳を舐めたり、甘噛みしたり、身体に触れまくったり、撫でたりなど入間に対して激しい『スキンシップ』を行っていた。

 

「楽しいから、や」

 

「ふふ、それに満たされるからね」

 

 アメリにスモーク、クララにエリザベッタはそれぞれ対抗しているのかのように日に日にスキンシップを激しくしており、跡や匂いすらも付いてしまうので流石に控えるように入間は言うものの、当たり前のように却下されてしまうのでどうにもならない。

 

 更には……。

 

 

 

 

「あまりにも受け身なのはどうかと思いますよ。入間様」

 

「愉しそうにしながら、言われてもなぁ……」

 

 お仕置きと称してぬいぐるみのように抱き締めてきて頭や首元、頬、身体をまるで小動物にするかの如く、散々に弄ってくるオペラに対し、入間はされるがままになりながらも抗議し……。

 

「まずそもそも、オペラさんの性別はどっちですか?」

 

「入間様の好きなように」

 

「答えになってないんですけどっ!?」

 

 オペラに対しての根本的な質問をしたが、はぐらかされてしまう入間であった……。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。