魔入りましたよ 入間さん   作:自堕落無力

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四十三入

 

 

 悪魔学校バビルスに通う1年『問題児』クラスの学生でありながら、魔界の人気アクドルのくろむであるクロケル・ケロリによる魔苦針ドームでの『朝昼晩ライブ』が終わった翌日……彼女もであるが、彼女の手伝いをした入間も又、昨日のライブによる疲れなど見せる事無く、バビルスに登校していた。

 

「皆、おはよう」

 

「おはようございます、入間様」

 

「おはよう、入間ち」

 

「おはよう、イルマ君」

 

 いつものように生徒会の早朝の仕事が終わった入間が問題児クラスの教室へと入るとこれまた、いつものようにアリスにクララ、エリザベッタに出迎えられたのだが……。

 

「おはようございます、イルマさん。少しお話があるのですがちょっと良いですか?」

 

 ケロリが新聞紙を手に持ちながら入間へと近づき、話しかける。

 

「ああ、良いぜ」

 

 入間はケロリに応じ、教室内にある談話室へと共に移動すると……。

 

「昨日は私のライブを手伝っていただきありがとうございました。それにお母さんたちまで連れてきてくれて……家族も今まで、アクドルとしての私を応援してくれていた事が分かって本当に嬉しかったです」

 

「そんなに喜んでくれたなら、こっちとしても嬉しいよ。それにケロリの家族も良い家族だったな。俺の話に『娘を直接的に応援できるというなら、是非お願いします』ってこっちがお願いした側なのに逆にお願いする勢いで乗って来たよ」

 

「……そうですか。でも、それはそれ……イルマさん、これはどうしてくれるんですかっ!!」

 

 入間の話に嬉しそうな笑みを浮かべながらも意識を切り替えるとケロリは手に持っていた新聞紙を広げて記事を見せつけながら怒った。

 

「いや、どうするも何も……ライブ、話題になって良かったと言うしかないじゃねえか」

 

 記事の内容は一面を昨日のくろむのライブの出来事で埋め尽くしており、貼られている画像も当然、くろむのライブ中のものだ。

 

「貴方もばっちり記事飾ってるじゃないですか、私のライブだったのにぃ」

 

「むにゅおお、昨日の時点でこれは想像できた事だろう。後、いきなり、頬を摘まんでくるんじゃない」

 

 ケロリが言うように新聞に貼られている画像にはDJ.MAIRUとして参加した入間のそれが少々、そしてくろむに続く形で『謎のアクドル リン突如、登場!?』と入間が女装した姿であるリン(因みに名前の由来は入間の苗字である鈴木の鈴に因んでそれっぽい名前にした)の画像が大量にあり、それについての記事まである。

 

 改めて自分のライブで自分に匹敵するくらい、世間から注目を受けた事がケロリにとってはご立腹ものだったのだ。

 

「だって、摘まむのに丁度良い感触なんですもん」

 

「勘弁してくれぇ」

 

 そのまま、ケロリは少々入間の頬を弄るのを楽しむとある程度満足したので話は終わり……。

 

「まあ、これからはDJ.MAIRUやリンとして一緒にライブやる事もあるだろうからよろしくな」

 

「それはまあ、はい。此方こそですけど……っていうか入間さんは女装するのは良いんですか?」

 

「観客が楽しんでくれるなら、なんてことないぞ」

 

「うーん、アクドルとしては見習うべき精神ですね」

 

 そんな話をしながら教室へと戻る二人。

 

「……う、うああ、と、とうとうクロケル嬢とも何やら良い感じに……」

 

「い、イルマ君のモテ力が凄すぎる」

 

 教室へと戻って来た入間とケロリの距離の近さや親密さが漂う雰囲気にカムイは嫉妬と絶望し、リードは戦慄したのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後、入間は生徒会の業務を終わらせると現『魔具研究師団』の団長として団員であるアリスにクララ、エリザベッタと共に師団活動をする。

 

 魔具研究師団の部屋は現在、入間によって改造が施された問題児クラスの教室であり、校舎やサリバンの屋敷内のように改造をされており、その内部は途轍もなく大きく、広く、魔具を研究し、製造するための部屋や実験するための部屋などいろんな用途に使う部屋が設けられたりしていた。

 

 そして活動としては1生徒から師団、時には教師とバビルス内の者達に対して彼ら、彼女らから依頼された魔具を使って提供するのを主としている。

 

 無論、危害を加える用途のものは開発しないし、依頼も受けないが……。

 

 そして、今日の魔具研究師団であるが……。

 

 

 

「髪を伸ばさず、髪色も変えずに女装するとこんな感じだな」

 

 入間は素のままで女物の服を着つつ、リンと同じ立振る舞い、ポーズを取りながら自分の女装姿を見るものたちに向けて言った。

 

「うわぁ、入間ちなんか綺麗だし、エロー」

 

「ふふ、イルマ君の新しい魅力ね……私も負けないようにしないと」

 

 

「く、特に弄らなくても自然に似合うなんて」

 

 

「……イルマさんの女装姿も大変、良いです」

 

 

「……う、うーむ、これは中々」

 

「ええ、良いですね会長」

 

「流石は入間様、何をしても文句が付け所の無い程に完璧です」

 

 入間の女装姿に見惚れながら、クララにエリザベッタ、ケロリにエイコ、アメリにスモークが感想を言い、アリスも又、何やら感極まりながら感想を言う。

 

 

 昼食の際(因みに今日から新たに昼食を共にするメンバーとしてケロリが加わった)にアメリが戸惑いつつ、そして遠回しにくろむのライブにイルマがリンとして女装し、登場した事に触れ、それに入間は念話で応える形で頷いた。

 

 するとクララが『じゃあ、実際に見せて』と言ったので新たに昼食を共にするメンバーとして加わったケロリ女装姿を又、披露する事となったのである。

 

 そして、実際に披露してみせた入間だったのだが……。

 

 

 

「いやぁ、やっぱりこういうのは実際に見てこそよねん♡ 本当、素晴らしいわイルマくん」

 

「悪魔による魅力の可能性は無限大だって教えられたわ」

 

 突如として女の勘により、入間がバビルスで女装していると察知した13冠の『色頭』であり、アリスの母親であるアムリリスと同じく女の勘による察知とアムリリスの誘いのままバビルスの教師であり、アムリリスの教え子であるライムが現れ……。

 

 

 

 

『それじゃあ、ちょっと行きましょうか♡』

 

「ちょ、ま、待て!! 色々と洒落になってないってぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

 雰囲気こそ妖艶であるが獲物を貪り喰らう野獣のような目つき、雰囲気を漂わせている二人に入間は両側から捕らえられるとそのまま、凄い勢いで連行されていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほ、本当……洒落にならないから止めて欲しいわ。あの二人、目がマジだったし」

 

 もっとも少しして全力の空間転移魔術によってアムリリスとライムを魔界の僻地に強制的に転移させた事で入間はなんとか、アムリリスとライムから無事、逃亡を成功させたのだが……。

 

 

 

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