魔入りましたよ 入間さん   作:自堕落無力

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四十七入

 

 悪魔学校バビルスには日々、生徒である悪魔が将来においての野望を定めるため、そして叶えるための力や知識を蓄えるために登校してくるのだが、そんな悪魔たちにとって衝撃的な事が起こっていた。

 

「アメリ会長が日々の激務により、少々調子を崩してしまったので回復するまでの間、俺が会長代理を務める事になった。アメリ会長の名を汚さぬよう、そしてこの学校の象徴、規範となる生徒会の威光を汚さないように頑張るから、皆よろしくな。そして、おはよう」

 

 バビルスの正門前近くで『生徒会長代理』と書かれたたすきをかけた入間が他の生徒会の者、そしてアメリたちの前に居て、登校してくる生徒たちに呼びかけながら挨拶した。

 

『い、入間君が生徒会長に……』

 

『そう言えば、なんかアメリ会長の雰囲気違うな』

 

 色々と話題が豊富で評判も高い入間が生徒会長代理になった事に生徒たちが驚く。

 

「まぁ、仮に生徒会長代理するならイルマ君が適任かもな、本当に色々ハイスペックだし」

 

「ああ、イルマ君ヤバいからな」

 

 とはいえ、これまでにやってきた事や示してきた実力が実力なので特に反感を買いもせずに生徒たちは納得していく。

 

「後は背が高かったらなぁ」

 

『あ、馬鹿っ!!』

 

 不意に揶揄い混じりにとある一言を放った者、そしてそれに内心、同意した者たちが居たが……。

 

「いっけねー☆ 眠くて手が滑って魔術が暴発しちまったー、それ解けるの一時間後くらいだから、よろしくー」

 

『――っ!?!?!?!?』

 

 突如、入間がわざとらしく言いながら、指を鳴らすと入間の身長について言及した者、それを意識した者たちの口が堅く鎖をかけて固く閉ざした『門』へと変わった。

 

 口を門へと変えられ、喋れなくなった生徒たちは突然の事態と解除される時間帯に呆然としたり、戸惑う。

 

「ほら、言わんこっちゃない」

 

「でも、なんで門に……」

 

「口は災いの門とかそういうのじゃねぇ?」

 

 そして、口を門にされた事についてとある一人が自分の意見を述べると……。

 

「うお、まじか。金塊くれたぞ」

 

 正解音が鳴り響き、正解した生徒の手の中に幾つかの金塊が出現した。

 

 朝から早速、生徒たちが騒ぐ中……。

 

 

「おー、本当にイルマ君が生徒会長代理になってる。まぁ、イルマ君なんだかんだで面倒見良いから、ぴったりかもねー。アズアズ、嬉しいでしょ?」

 

『問題児クラス』の者たちも入間が生徒会長代理になったという話を聞いて、駆けつけており、リードの意見に皆が賛同を示す中、入間の忠臣を自負しているアリスに問いかけながら、彼の方を見れば……。

 

「……」

 

「ちょ、感動のあまり死にかけてるぅぅぅぅぅっ!?」

 

 アリスは『まさか、着々とこの学園を支配するための準備をしていたとは……』、『流石です、入間様』とか思いながらあまりの衝撃やら感動で死にかけていた。

 

 そして、別のところでは……。

 

「生徒会長になった、入間君素敵……」

 

 エイコが生徒会長として振る舞う入間の姿に恍惚通り越して、やはり死にかけたりしたのだった……。

 

 

 

 

 2

 

 

 全生徒の登校を確認しながら、見届けた入間は日々、色々と中も外見も『万魔殿』として改造されていく問題児クラスの教室へと戻った。

 

 そして、そんな教室へと入間が生徒会長代理となった事で更に弄られる、あるいは胃に衝撃を与えられるようになるのが確定したのでもう、しんどくなったカルエゴはそれでも気をしっかり持ってホームルームをするために自分が担当する『問題児クラス』の教室へと行けば……。

 

「おはようございます、カルエゴ先生。先ほども言いましたが、俺、生徒会長代理になったので頑張りますね」

 

「――」

 

 入間は明るく爽やかな笑顔を浮かべながらカルエゴへと挨拶するも、その態度とは別に『調子』と『図』という字をそのまま形にした椅子に座っていた。

 

 そう、物理的に『調子』に乗っているし、『図』に乗っていた。

 

 カルエゴは瞬間、突っ込みたくなったが明らかにジャブなので触れるのを止め、内心の激情も抑えスルーしたが……。

 

「ちょ、カルエゴ先生。なんでスルーするんですか、俺の弄りに血反吐吐きながらでも突っ込むのが先生の役割じゃないですか、それをスルーだなんて先生、それは職務怠慢ですよ」

 

「――」

 

 入間の暴論にそれでもスルーを決め込むカルエゴであったが……。

 

「ほら、俺が作った最高品質の胃薬あげますから」

 

「ぐばああああああああっ!?」

 

 胃薬を必要とする原因であり、その張本人に胃薬をプレゼントとか言われたのでさすがに耐えられず、突っ込むを通り越して吐血し、倒れ伏す。

 

 

「ああ、ほら突っ込みをしないからですよ。もう……」

 

『やっぱり、入間君は変わらないなぁ』

 

 介抱のため、駆け寄る入間の姿に『問題児クラス』の皆は入間は生徒会長代理になってもいつも通りだとしみじみするのであった……。

 

 

 

 

3

 

 

 

 

 

 

 アメリはとある者によって、可愛らしく大人しく、更には不器用な乙女の性格になってしまった。その首謀者たちこそ……。

 

「ふふふ……お淑やかなアメリ会長も最高だったなりぃ!!」

 

『うおおおっ!!』

 

 最近、学校内の治安が良くなり過ぎて隠れ潜んで何かをやろうにもやりづらいので自宅にて研究し、開発した香水を使ったエリゴス・シネルと彼の同士である者たち、『自称、アメリ会長親衛隊』であった。

 

 因みにアメリを乙女モードにしたのは単にお淑やかなアメリの姿を見たいという、悪魔らしい純粋な欲によるものである。

 

 その欲が叶って親衛隊は皆、満足げであった。

 

「俺、もう死んでも良いくらい幸せです」

 

「俺も同じだ」

 

「皆が同じ気持ちなりよ、同士」

 

そして、そんな事を言っていると……。

 

「(そうか、なら死んだ方がましだと思えるような目に遭わせてやろう)」

 

『!?』

 

 そうして彼らの意識は虚無の牢獄に囚われ、意識が無くなり地面に倒れ伏した彼らの肉体は……。

 

「さあ、勉強頑張るなり」

 

 偽の真面目一辺倒な人格が埋め込まれた事でその人格のままに活動を再開するのであった。

 

 そして、とある大型の魔法陣が部屋一面に刻まれた儀式場では……。

 

 

 

 

「しばらく、反省してろ」

 

 朝、生徒会長代理になった事を生徒たちに伝えながら乙女モードとなっているアメリの姿に影から満足げであり、惚れ惚れとした表情で見ていたアメリを乙女モードにした首謀者たちに対し、密かに後で魔術で干渉できるようにマーキングした入間は悪事の代償として、彼らの意識をしばらくの間、虚無の牢獄へと封印する黒魔術であり、呪術を使い、それと同時に偽の人格を植え付けて操る魔術を使ったのである。

 

 

 人の意識を勝手に改変したその意趣返しであり、アメリの優しさを利用した事に対してとそもそも、親しいアメリに危害を加えた事への怒りからの行為でもあったのだった……。

 

 

 

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