魔入りましたよ 入間さん   作:自堕落無力

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四十八入

 

 エリゴス・シネルたち『自称 アメリ会長親衛隊』により、『乙女モード』に性格改変されてしまったアメリが元に戻るまでの間、今日から生徒会長代理を務める事になった入間は能力的にも活躍的にも他の生徒や教師陣から受け入れられた。

 

 そして、昼食の時間帯――食堂にて……。

 

「本当に雰囲気も何もかも前の会長とは全く違うわねー」

 

「いつもは凛としてるのに、今はほんわかですからね」

 

「そもそもの見た目が良いから……乙女モードの会長も人気出てるみたいですけどね」

 

入 間は生徒会長代理となったのを受け入れられるよう、一週間ほど生徒たちの要望(何でもという訳ではないが)を聞くことを公約しており、そのために今、補佐として自分から付き従っているアリスと共にとある生徒の要望を叶えに行っていた。

 

 入間が来るのを待っている中で入間以外の生徒会の者たちと一緒に食事を取っているエリザベッタがアメリを見て、ストレートに言い、エイコは補足、ケロリはどこか羨ましそうに生徒たちからいつもとは違う人気が出ているアメリを評する。

 

「本当にまっかちゃんなの? 妹とかじゃなくて?」

 

 クララは直接、アメリに近づき顔などに触れながら質問をする。

 

「はい、私は正真正銘、アザゼル・アメリですよ。クララさん」

 

「はう……」

 

 アメリはそんなクララに微笑みかけながら、彼女の頭を撫でてそれにクララは驚きながら、心地良さそうな表情を浮かべた。

 

 そして、彼女たちの近くに『ゲート』が開き……。

 

「ふう、やっと食事が出来るぜ」

 

「お疲れ様です、入間様」

 

すでに数十件ほどの生徒たちの悩みを解決した入間は息を吐き、アリスはそんな入間をねぎらう。

 

「入間さん。お疲れ様でした」

 

『お疲れー』

 

 アメリたちも入間へとねぎらいの言葉をかける中……。

 

 

 

 

「ねぇ、いるまち……」

 

「ん、どうしたクララ?」

 

「まっかちゃん、今のままで良くない?」

 

「おい、何を言っている」

 

 ザガンがクララの提案に当然、文句を言った。

 

「それを決めるのはアメリ会長本人だ」

 

「イルマ、お前まで何を……」

 

 ザガンが次にイルマの言葉に苦言を呈する。

 

「お言葉ですが、ザガン先輩。人格が他者の手で変えられたとはいえ、アメリ会長はアメリ会長だ。前とか、今とかでむやみやたらに否定したくはないんですよ。大事なのは結局、自分自身がどうありたいかでしょう?」

 

「……入間さん」

 

 アメリは優し気に微笑みかけながら、意見を言う入間に顔を赤く染めた。

 

「むぅ、しかしだな」

 

「ご心配なく、あくまで俺は生徒会長代理しているだけでそれにこんなのは柄じゃないですから、少ししたらアメリ会長にはまた、生徒会長になってもらいますよ。その時、あれだったら俺らで支えれば良いんですから。そうでしょう?」

 

「……そうだな」

 

 入間の意見にザガンは納得した。

 

 

 

 

「……っ」

 

『おお……』

 

 対して入間の言葉に更にアメリは顔を伏せ、何なら湯気すら出しながら悶え、ザガン以外の者は入間の口説きともとれる意見に感心する。

 

「流石は入間様、常に先を見据えていて、お心遣いも完璧です……」

 

 アリスは更に感激していた。

 

「そういう事でアメリ会長、早く『元に戻らなくちゃ』とか別に気負ったりする必要は無いですからね。会長の思う様に生きれば良い……人格に違いはあろうと貴女が魅力的な女性なのは変わらないんですから」

 

「っ!! きゅうう……」

 

「あれ、気絶したっ!?」

 

 そして入間は彼本人としてはアメリに対して気遣いの言葉をかけたのだが、第三者視点からすれば口説き文句としか思えない言葉により、照れやらなんやらで限界を迎え、気絶してしまった。

 

「いるまち、私も褒めてー」

 

「それじゃあ、私も褒めてもらおうかしら」

 

「では、私も」

 

「私もお願いします」

 

「私もよろしく」

 

 するとクララにエリザベッタにケロリ、エイコとスモークがアメリの様に入間に言葉をかけてもらおうと近づいていく。

 

「いや、状況を考えろよ!?。今はアメリ会長を保健室に送らないと」

 

 入間は戸惑いながら、アメリを保健室へと送った後、クララ達女性陣にそれぞれ彼女たちが嬉しがる言葉をかけた。

 

 入間からすればただ、思うままに彼女たちの良い点を褒めただけだが、それは自然に彼女たちが褒めてほしいところであったので満足や感動、喜びを与えたのであった……。

 

 

 

 

 

2

 

 生徒会長代理となったばかりの入間はとにもかくにも自分が皆から受け入れられるよう、生徒会は『生徒会長』が変わっても盤石だと思わせるために生徒たちの要望を可能な限り、叶えるために働いていた。

 

 とはいえ、そもそも人の頼みは基本、聞く入間の性格上……。

 

「ロビン先生……俺、貴方が『緊急事態』って言うから学校でも無いし、授業時間でも登校日でもないのにここまで来たんですよ」

 

「うん、その通りだね」

 

 入間はロビンからの必死な呼び出しに応え、この場所、バビルスにて働く教師のための『教師寮』の浴室までロビンと共にやってきた。

 

「で、俺を呼んだのはこのためですか」

 

 入間が見上げる先、浴室の壁には大穴が空いている。それはこの中で『水中処刑玉砲』を行なった事によるものである。

 

 盛り上がりに盛り上がった結果、壁を破壊する結果となってしまったのだ。

 

 無論、これが明るみになれば教師たちの給料から修理費がさっぴかれるのは当然のことだがそれをなんとかするために入間に白羽の矢が立ったのである。

 

 教師寮に住んでいるオリアスは必死に止めたが、ロビンは呑気に『入間君、頼んだなら何でもやってくれるっていうし大丈夫でしょう』と使い魔でもある故に出来る通信で連絡をしたのだ。

 

「うん、お願い」

 

「大人の尻拭いを子供にさそうとするんじゃねええええええっ!!」

 

「ぎゃああああああっ!!」

 

「なんで俺までぇぇぇぇっ!?」

 

 悪びれもせずに言ったロビンと連帯責任としてオリアスを強制的にモフロビとモフアス状態にして、ヘルハウンドを呼び出して追い回させた。

 

 

 

 

「さて、直すか」

 

「お、直せるんだ。じゃあ、よろしく頼むよ」

 

「言っておきますけど、これ貸しですからね。生徒会の支持で返してくださいよ」

 

「ああ、直してくれるなら良いよ」

 

 そうして、ダリと交渉すると手元に小さなゲートを出現させるとその中に手を入れて中から結晶が幾つも取り付けられた懐中時計のようなものを取り出した。

 

「それは?」

 

「時間操作の魔術を補助するための魔具ですよ。時間軸に手を加えるのは難しく、制御も大変ですからね」

 

 そう言いながら、懐中時計型の魔具を壁の穴に向けて、上のスイッチを押すと懐中時計型の魔具から魔法陣が出現し、魔具を半時計周りに捻ると時間が逆行して壁の大穴が修復されていった。

 

「うーん、本当に凄いね入間君」

 

 ダリは『(これ、もう生徒のレベルじゃないねぇ)』と思いながら素直に賞賛した。

 

「どうも」

 

 入間は修復を終えたのでゲートの中に収納するとついでとして他の教師たちの要望を叶えていき、教師たちからの生徒会への支持すらも約束させてその地位を盤石なものにしたのであった。

 

 そんなこんなで何なら、以前よりも生徒会の地位を高めた入間であるが……そんな状況を、特に入間が皆から注目され、目立っている事を不服に思う者がいた。

 

 

 

 

 

「僕より目立つなんて許さないよっ!!」

 

 長い角に長い黒髪、長い尻尾、褐色肌に胸を晒したきらびやかな衣装と色々と派手な悪魔で風紀師団の風紀委員長、ロノウェ・ロミエールは動き出す事とし、生徒会の者が全員、巡回に出ているので空き室になっているのを乗っ取ろうとしたのだが……。

 

『警告 無断侵入者は制裁します。ご入用の際は連絡をどうぞ』

 

 扉が閉められた生徒会室に魔術による文字で警告文と連絡先が書いていたのだが、ロノウェは取り巻きのミギとダリと共に侵入を試み、扉に触れ……。

 

 

 

『え?』

 

 瞬間、扉から光が放たれてロノウェ達がそれを浴びると……。

 

『(どうなってるんだぁぁぁぁぁっ!?)』

 

 校庭のど真ん中に強制的に転移させられた上、強制的に黄金の像(意識あり)にロノウェ達は変えられたのだった……。

 

「ちゃんと警告しといたんだがな」

 

 入間は呆れながら、反省として下校時間となるまで放置した後、ロノウェたちを元に戻してやるのだった……。

 

 

 

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