朝より学業が始まるために生徒たちが悪魔学校のバビルスへと入って早々、この学校は騒がしくなり始めた。
何故なら……。
『入間君とカルエゴ先生が決闘っ~~!?』
一週間後に入間とカルエゴが決闘を行うという情報が入ったからである。
「いや~、生徒会長代理もそうだけど、イルマ君のお陰で退屈しなくて良いよね」
「本当、イルマ君は生粋のエンターテイナーだよねぇ」
バビルスの生徒たちは入間が今回も自分たちにとって楽しめたり、興味そそられる事態を引き起こしたので楽しそうに言った。
「本来なら、カルエゴ先生の圧勝だとしか思えないんだけど……」
「『処刑玉砲』の時もあるからね、きっと楽しませてくれるぞ」
今か今かと生徒たちは入間とカルエゴの決闘を楽しみにするのであった。
「くっそー、イルマの奴~~~~っ!!」
「もう、諦めようよシャオちゃん……イルマ君は格が違い過ぎる」
一部の生徒たちは唯々、悔しがったりしたが……。
そして、入間の通う『問題児クラス』の教室では……。
「入間様、このアリス……貴方の勝利を疑ってはおりません。只、ひたすらに貴方の勇姿をこの目に刻み、応援させていただきます」
「頑張れー、入間ちー」
「遅かれ早かれ、勝負はしそうだなって思ってはいたけど……」
「てっきり、カルエゴ先生の方かと思ったら、イルマさんからですか……」
決闘の話を聞いたアリスにクララ、エリザベッタにケロリが早速、話しかける。
「そろそろ、カルエゴ先生が限界迎えそうだったからな、主としては発散させてやらないと」
「なんと素晴らしきお慈悲を……流石です、入間様」
「入間ち、優しいね」
入間のしょうがないとばかりの言葉にアリスとクララは賞賛するも……。
『(カルエゴ先生を限界迎えるぐらいに追い詰めてるのはイルマ君なんだよなぁ……)』
他の者たちは内心、そう意見を一致させながら冷や汗を流した。
「何やら、先を越された気もするが我がライバルの決闘、楽しませてもらうぞ。『処刑玉砲』の時も楽しめたからな」
サブロがそう、楽しそうに声をかけた。
「でも、決闘するなら修行とかしなくて良いの、イルマ君?」
「そうだよ、本気の決闘をするなら相手は上から数えた方が早い高ランクのカルエゴ先生なんだから授業受けてる暇無くない?」
ジャズとリードが心配そうに入間へと言うと……。
「修行ならもう始めてるから心配するな……」
『はい?』
入間の言葉に対し、訝しがるも『まぁ、イルマだしな』と『問題児クラス』の皆は思い直したのだった……。
そう、入間の言う事は事実だ。彼は自らの能力を分割する事で分体を生み出す魔術であり、再び融合する事で分体の経験など全てを統合できる魔術を生み出している。
そして、その魔術を使って生み出した分体の一人をとある場所へと送っており……。
2
激しく荒れた荒野とも呼べる場所――魔界では毎日、悪魔たちによる何らかの戦争が行われており、この場所は最も戦争が激しい北方の戦場であり……。
「終わりだ……」
仮面を付け、ローブをも着る事で姿も顔も覆い隠した者が死体の山が散らかった場所にて呟く。
「ご苦労さん、いやー、君が僕たちの隊に来てから本当に戦争が楽になったよゼロ」
「ちくしょう、俺だって負けねぇからなぁゼロ。いずれお前より強くなってやる」
「そうだね、兄ちゃん」
ゼロへと呼びかけるはゼロが所属する隊の隊長であり、鳥の顔のマスクで顔を隠した者と何を隠そうバビルスの生徒なのだが、戦場の英雄への憧れを抑えられずにバビルスを脱走して戦場で戦い続けている派手な金色の長髪で孔雀の羽根を髪につけているアンドレアス家の長男イチロと黒の短髪で地味な次男のニロである。
「挑戦はいつでも受け付けるぞ、留年兄弟」
『ストレートに言うのは止めろぉぉぉぉぉっ!!』
ゼロ――戦闘の経験を積むために戦場での生活をしている入間の分体はイチロとニロへと揶揄い込めた言葉をかけ、イチロもニロもド直球な言い方に凄く衝撃を受けながら、言葉を返すのだった……。