現在、入間は魔界の悪魔たちによる長期休暇である『終末日』前の終末テストに備えての勉学会を行っていたがそれは急にという話ではない。
時間を遡り、入間が過去、『問題児クラス』に与えられた教室をサリバンとの合同魔術によって自在に弄れるようにして少し経過したとき……。
「皆、聞いてくれ。バビルスの予定表によると終末日前に座学のテストがあるようだ」
『何ィィィィィッ!?』
自由時間、皆を集めて入間は相談するためにそんな話を切り出せばクララやリードにジャズ、ゴエモンにカムイ、エリザベッタなど学力に自信が無い者たちが悲鳴を上げる。
「そして、赤点の者は終末日に補習があるようだ。しかもクラスそれぞれの講師が補習の監督官になるようだぞ」
『ひ、ひぃぃぃカルエゴ先生が監督官とか最悪過ぎるぅ。
更なる発言に絶望の声を上げた。
「俺の弄りに対しての八つ当たりもしかねないし、それは俺としても心苦しいからな。だから俺が責任を持ってしっかりと教えていこうと思う。だが、こういうのは結局のところは本人の頑張り次第だから皆、頑張ってくれ」
『お、ぉぉ……い、イルマ様が魔王に思えてきた』
入間の言葉にリード達は希望を与えられた表情を浮かべる。
「そして、目標は全員満点だ。これを果たしたなら、俺が何とかして終末日、『ウォルターパーク』で豪遊できるようにすると約束しよう。どうだ、皆ウォルターパークに行きたいかぁぁぁッ!?」
『行きたいでぇぇぇぇぇすっ!!』
そう、実は入間はロノウェとのすったもんだをする前から『ウォルターパーク』に目星は付けていたのだ。
ともかく、そうして、入間と問題児クラスの勉学会は始まった。
因みに始めた時点での学力は入間にアロケルはトップであり、アリスに実は思考としては脳筋だが、魔王には知識も必要とサブローの学力も高く、アクドルの仕事と学校生活を成立させるため、高ランクを取るためには学力も必要だという事でケロリも追随出来る。
家系の都合上、目立てないという制約があって点数を抑えなければならないという制約状、中間点しか取れないというソイも学力自体は高い(全員で満点を取るなら、目立つことは無いという入間の説得&ウォルターパークというご褒美のために今回は応じた)。
リードにジャズ、ゴエモンにカムイ、エリザベッタたちは学力が低く、クララは一番低いという順番だった。
しかし……。
『(本当、イルマ君と同じクラスで良かったぁぁぁ……)』
入間の一人一人に対して最適な指導や成果を出したならば教室を弄ったりして、個別の願いを叶えるという対応もあってリードにジャズ、ゴエモンにカムイらは学力を激しく上昇させ……。
「ありがとうね、イルマ君。貴方のお陰で安心だわ」
「イルマちの教え方、分かりやすくて凄いね」
エリザベッタにクララは入間を愛し始めた事でブーストがかかり、二人も学力を上昇させていく。
「やはり、イルマ様こそ至高の魔王になるべきお方……」
入間の指導力にアリスは涙を流して感激したのであった。
そうして、別クラスのエイコに『満点を取れば、いっぱい目立てるぞ』と言われたロノウェやシネル達も加わった勉学会は……。
『さあ、座学テストめ。掛かって来い』
色んなパターンを考えた模擬試験を行なったりもあって、満点を取れるようになった者たちは自信を得ながら、準備に励むのであった……。
二
終末日の座学テストにおいて、カンニングなどの不正が行われないようにと監視官を務めている者がいる。
「因みに例年、不正する者って必ずいたりするのかバラム先生?」
「うん、やっぱり悪魔って刹那的で快楽的な生き物だから……不正が防がれてるってのも噂になってるから興味本位で、ね」
家系能力によって観察相手の嘘や不正を瞬時に察知できるバラムである。入間はある日の放課後、バラムのところで雑談をしていた。
「成程……まあ、少なくとも俺のクラスや知り合いには不正をしないように言ってあるから、安心してくれ」
「ふふ、ありがとう入間くん。本当、君には感謝してるよ」
「ん?」
「君のお陰で最近は色んな生徒から話しかけられたりするからさ」
厳ついマスクや長すぎる髪と不気味な風貌、真剣に触りまくる癖もあって生徒たちから怖がられるバラム。
彼自身は生徒たちと楽しく雑談したりしたいが、それは叶わなかった。
しかし、現在は違う。入間が生徒たちへ(最初は自分のクラス)バラムの事を話したり、自分が間に入ってバラムと交流させたりする事でバラムが慕われる状況を作り上げ、結果、今では怖い風貌ではあるが優しく良い先生だと理解され、今までが嘘のように交流され始めたのである。
「いやいや、先生の人柄あってこそだ。俺は礼言われる程の事はしてない」
「ふふ、君は本当に優しい人間だね」
「バラム先生こそ、優しい悪魔だ」
どちらも笑って雰囲気良く雑談を交わしたのだった……。
そして……。
「マルバス先生、これはどうですかね?」
工芸の家系もあってか、拷問学を担当している教師であり、平凡な見た目のマルバス・マーチ(因みに彼の姉はアクドルのくろむことケロリのマネージャーであるマル)の部屋へと行き、入間はとある魔具の試作品とその説明書を見せた。
「う、うわ、うわぁぁぁ。す、凄い。やっぱり、君は凄いよイルマ君。こんな素晴らしい拷問魔具を創り出すなんて……」
内容を語ると恐ろしいとしか言えない入間が創り出した拷問魔具を見たマーチは目を輝かせながら称賛する。
「他にもこんな薬とか拷問魔術とか、考案しているのもあって」
「うんうん……」
その後も色んな拷問についての討論を交わすイルマとマーチ……。
「やっぱり、何事も新しい物を求めないとな」
「うん、その通りだよ、君は本当に素晴らしい」
意気投合し、イルマとマーチは友人になる中……。
「(これで後は爺さんに許可を取るだけだな)」
『ヒィィィィィィッ!!』
えげつない会話をするイルマとマーチ、恐ろしい事を考えて実行しようとしているイルマにアリクレッドとヘルハウンドは互いに抱き着いて震えていたのだった……