バビルスでは今日、長期休暇である『終末日』に向けた座学のテストが行われた。入間のクラスは何事もなく、無事にテストを終える事が出来たのだがバビルスにおいて『我々師団』を公的なものとしてバビルスに設立するのを目標にして活動しているトイフェル・シャオロンとボンベ・ゾムにシュヴァイン・トントン、レイラー・ウツというブルシェンコが講師となっているクラスの四人はテスト勉強が間に合わなかった事もあるが、悪魔らしく好奇心や興味深さもあって、カンニングを行なったのである。
そうして、テスト中はカンニングなど不正行為の一切を監視しているバラムによって教室からどこかの部屋に連れて行かれ、お仕置きとして拘束されていた四人は気づけば……。
「いや、マジでここ何処なんや。全然訳分からんのやけど」
「ああ~、これから面倒な事が起きる予感がプンプンするぞ」
「明らかに普通の所じゃないもんな」
「プギー」
「でも、逆に考えれば面白そうじゃん」
魔界には似つかわしくない雰囲気が漂っている孤島に居る事でシャオロンにウツ、トントンと彼の使い魔でデビルポークという豚の魔獣は周囲を見回し、混乱しながら呟き、ゾムは何が起きるのかを楽しみにしていた。
『よう、不正者共。目を覚ましたようだな』
すると突如、どこからか声が響いた。そして、四人はその声に聞き覚えがある。
何故なら……。
「やっぱり、こんな妙な状況はお前の仕業か。イルマー!!」
そう、入間の声だったからだ。
『ああ、そうだよ。今からお前たちにはゲームに参加してもらう。ルールは簡単、一時間の間、襲い来る襲撃者達から何をしても良いから生き残れ。一人でも生き残れば、お前たちのクリアで全滅したらゲームオーバーだ』
そう、シャオロン達に入間が説明をすると……。
『そして、これはゲームだからな。クリアしたら特典があるぞ。『我々師団』の設立を認めてやるのとお前たち、四人それぞれの望みを一つだけ叶えてやろう。しかし、ゲームオーバーなら……』
入間の声が途切れた瞬間、映像が空中にて映し出される。暗い部屋の中で禍々しく恐ろし気な拷問器具が所狭しとなるくらい置かれており……。
「ふんふんふーん♪ これらを使う時が楽しみだなぁ」
そんな拷問器具を眺めながら、恍惚とした表情を浮かべるマルバス・マーチが居た。
『俺とマーチ先生が共同で開発した拷問器具の実験台になってもらう。では、ゲームスタート!!』
ゲーム開始を告げると映像は消え……。
「ギャース!!」
「オオオオッ!!」
上空から超巨大で頭に角を生やし、鳥の前足と後足、厚い羽毛に包まれた魔獣とそれよりはしっかりとした鳥の魔獣。
なんと普段は新入生に対して行われる飛行テストで使われる『金剪の谷』の長とその子どもである。
実は入間は飛行テストの後、ちょくちょく自分が怪我の治療をした長の子供の元へ遊びに行っており、又、家系能力によってどんな者とも話を通じ合わせる事の出来るカムイによると長は子供の治療をした事に対して入間に大きな恩義を感じており、その結果、入間の使い魔となったのである。
その証拠に二体の風貌も禍々しさに高貴な雰囲気を感じるものに変わっていた。
『いや、襲撃者っていってもレベルがおかしいわぁぁぁぁッ!?』
そうして、上空から襲い掛かって来た二体から必死で逃げるシャオロン達……しかし、必死なあまり逃げる場所はばらばらであり、当然散り散りに……そんな彼らの逃げる場所の先に……。
『ゥゥ……』
色んな見た目だが共通して魔獣の骸とも言える外見だが機械のゴーグルや部品を様々な個所に装着した何かが……ゴーグルの奥の瞳を輝かせ、機動し始めた。
「せっかくだ。俺の私兵の実験台にもなってもらうぞ。色々な奴のな」
入間は逃げながら、自分が用意した私兵の元へと向かうシャオロン達に対し呟いたのだった……。