バビルスにて行われた『終末テスト』は無事、終了した(一部、無事どころじゃ済まない目にあったが……)。
後は結果発表を待つのみであり、だからこそ緊張しつつ登校している。
そんな学生たちの中で……。
『……』
『なんか、ゾンビが歩いてんだけどぉっ!?』
終末テストでカンニングを行なった結果、入間によって独立した空間内へと放られ、その中で一時間、『金剪の谷』の長と子供やサイボーグ魔獣、巨大ロボを襲撃者として差し向けられ、生かさず殺さずで嬲られながら、一時間生き延びようと頑張ったがそのタイムリミットの数秒前に入間の矢による狙撃で全滅させられたシャオロン達は入間が製造した拷問器具とマルバスによる拷問技術を堪能させられたのである。
そのジャブとして顔に布を被せられた状態で、水をぶっかけられるという者はまだ序の口だった程だ。
そうして、拷問されながら自分の全ての情報、ずっと秘密にしておきたかった情報すら全て吐かされてしまったのだ。
そして、しれっと入間はそのシャオロン達が秘密にしておきたかった情報をちゃっかりメモしてもいた。
生きてるのが奇跡だとシャオロン達が思う程であり、だからこそか現在は放心状態、まるでゾンビのような様子で教室へと向かっていた。
因みに……。
「ふんふんふーん♪」
『凄いイキイキしてる……』
シャオロン達を拷問したマルバス・マーチは余程、自分にとって満足いく拷問が出来たのが良かったのだろう。気分爽快なようで鼻歌さえ歌っていたのだった。
そうして、『問題児クラス』の教室である『王の教室』にてホームルームは始まり……。
「……では、テストを返却する」
納得いってないような、何とも言えないようなそんな微妙、或いは苦悶した様子でカルエゴは告げる。
「いや、なんで俺達じゃなくてカルエゴ先生の方が苦しそうなんですかねぇ?」
カルエゴの様子から察しつつ、入間は突っ込む。
「黙れ……結果だが、今回の終末テストは全員、満点だぁっ!! ってどう考えてもおかしいだろぉぉがぁぁぁぁっ!!」
『よっしゃあああああああああっ!!』
そうしてカルエゴは結果発表しながら、絶叫して手に持つ紙の束を教壇に叩きつけた。
対して入間達は当然、激しく喜びそれぞれ、ハイタッチを交わしていく。
「イルマぁぁ……全て貴様の差し金だろう。いったいどうやった」
「どうやったも何も……普通に皆で勉強会をテスト始まる前からちゃぁぁんとやっていた成果ですけど? 予習と復習こそ全てですし、一切の不正もずるもしてませんよ。だからこそ、こうやって成果が出たんですから」
『イルマゼミは最高ですっ!!』
「ぐぅぅ……万歩譲ってもそこの珍獣が満点はおかしいだろうっ!?」
「カルエゴ先生、なに失礼な事を言ってんですか。クララだってちゃんと教えたら理解してくれましたよ」
「後は愛の力だぜ」
「まぁ、クララちゃんったら抜け目無い……私も愛の力で頑張ったわ」
カルエゴがクララを指差すも入間もクララもエリザベッタもそう、反論した。
「っていうかなんで全員で満点っていう快挙を達成したのにそんな、怒ってるんのか不思議なんですけど……それより、俺たちにかける言葉が先生としてはあるんじゃないですか?」
「どうして、貴様は毎回毎回喜ばしき事を嫌がらせに変えてくるんだっ!! 〜〜っ、お前たち、良くやった。この調子で『王の教室』を使う者として相応しい成績を発揮するように」
自分に誉めさせるために全員で満点を取ってみせたのを察したカルエゴはこれ以上、逆らっても又、なんとしてでも褒めさせようとしてくると察したので本当に渋々、褒めた。
『はい、カルエゴ先生っ!!』
「やかましいわっ、それとイルマ、クラスメイトに満点取らせることが出来るなら、もう次からお前が此処の担任やってしまえっ!!」
「先生、サボりはいけないと思います。厳粛に教師としての務めを果たすのがナベリウス家としての貴方の使命でしょうっ!!」
「〜〜ぐぬぅぅぅぅ……うっ、ぶはっ!?」
そうしてストレスの限界を超えたカルエゴは又も吐血して倒れてしまった。本来ならば自分の担当しているクラスが満点を取るなどという事は当然、快挙で喜ばしき事……なのにどうして、ストレスを感じ苦しまねばならないのか。
カルエゴは自分の常識がまたも壊された事を認識したのであった。
そうして、今回全員満点を取り、十三名(エイコ含めれば十四名)が学年一位というバグった結果を出した『問題児クラス』は入間を除いて全員、『
『(これのどこが問題児?)』
他のクラスは当然、当惑した。問題児どころかこれでは優秀過ぎるという意味での『異端児』である。
また……。
「これも入間さんのおかげ……」
イルマゼミに参加できたエイコも満点を取り……。
「ふっふっふ、これがロノウェの実力ロノウェっ!!」
『あのロノウェが満点っっっっっ!?』
ロノウェもエリゴスたちアメリ会長親衛隊も又、テストで満点を取った。
そうして……。
「皆、終末テストお疲れ様。無事に終末日を過ごせる奴はこのまま、心置きなく楽しんでくれ、補修がある奴はそのための英気を養ってくれ。それじゃあ、いくぞ……せーの」
『乾杯っ!!』
授業も終わり、夜のバビルス……万魔殿染みた教室の中、超豪華で広大なパーティ会場として用意した空間で終末テストを受けた生徒たちを対象に入間は『終末テストお疲れ様パーティ』を開催し、料理を振る舞い、EDMの音楽を流して雰囲気を盛り上げ……労った。
『(やっぱり、イルマ君こそ我らの王だぁぁぁぁっ!!)』
恐ろしい時は恐ろしいが、それでも基本自分たちの事を気遣い、こうして楽しませ、幸せにしてくれる入間に生徒たちは敬意や好意、忠誠心といった感情を強くしていくのであった……。