魔入りましたよ 入間さん   作:自堕落無力

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六十七入

 

 悪魔学校バビルスの教員であり、入間が通うクラスが『問題児クラス』の担任であるナベリウス・カルエゴは今までなら無かった『家庭訪問』をやるように理事長から命令されてしまった。

 

 魔界はランク社会であり、上下関係については厳しい世界が故にバビルスの理事長であり、ランク自体も魔王に次ぐ『(テト)』ランクのサリバンの命令には逆らえない。

 

「(あっんっのアホ理事長っ!! 絶対にただの思い付きだろうがぁぁぁぁぁっ!!)」

 

 そうしてカルエゴは『問題児クラス』の生徒の家へと『家庭訪問』へと行き、入間を除いても曲者だらけな生徒とその保護者に振り回されながらも次々と終え……。

 

「(……い、いよいよ……後は()()()()()()()()……)」

 

 最後の訪問場所は理事長であるサリバンの屋敷、つまりはイルマの所である。

 

「(行きたくなさすぎるっ!!)」

 

 サリバンにオペラにイルマはカルエゴにとって、自分を苦しめる悪魔である。特にイルマは自分を弄り続け、胃を破壊しに来る存在である。

 

 本気で病欠という事で家庭訪問を辞退しようかと考えたカルエゴであったが……。

 

『カルエゴ先生へ――あと五秒で動く気配が無かったら俺のうちへ問答無用で召喚します。モフエゴより更にキュートな状態にして、終末日が終わるまでその状態のままという魔術までかけます』

 

「くっそおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

 ス魔ホにメールとモフエゴの姿をよりキュートにした姿の見本の画像が送られると共にカウントダウンの表示が画面に映ったので急いで、自身の最高速度どころか限界を超えた飛行速度を出してサリバンの屋敷へと向かった。

 

 そして、サリバンの屋敷前の敷地に着地をすると……サリバンの屋敷の屋根に『カルエゴ先生、ようこそ』と豪華な装飾がされた魔術文字が浮かび上がり、攫いに華麗な花火が次々と上空へと打ち上がり、爆ぜる。

 

「(……もう、帰りたいっ!!)」

 

 早速、胃にダメージを受けるカルエゴはサリバンの屋敷の扉を叩く。すると扉は開き……。

 

「……」

 

 瞬間、カルエゴの耳に届いたのは至高の音楽であり、どの魔ーケストラの演奏団でも勝てない演奏。

 

 カルエゴの目に映る全てイルマが分身した事で結成された演奏団によるものであり、演奏されているのは人間界の音楽、『威〇堂〇』をアレンジしたそれであった。

 

「(腕は本当に素晴らしいんだが……)」

 

 そうしてカルエゴはイルマの演奏に聞き惚れさせられる。演奏が終わると……。

 

『ようこそ、カルエゴ先生』

 

 入間は一人に戻り、オペラと共にクラッカーを鳴らして歓迎する。

 

「遠路はるばる、お疲れでしょカルエゴ先生」

 

「(疲れさせたのはお前だがなっ!!)」

 

「まずは用件を済ませましょうか、行きますよカルエゴ君」

 

「(()()()ってなんだっ!?)」

 

 早速、弄りが始まり疲れるカルエゴはサリバンの待つ部屋へと入間とオペラと共に向かうカルエゴ。

 

 

 そして……。

 

「先生、うちの子ちゃんとやってますか? イジメとかにあってません? ご飯食べてます?」

 

 入間の横で座っているサリバンからの質問。

 

「(このやりとりがやりたかったからかぁぁぁぁぁぁっ!!)」

 

 サリバンが家庭訪問を命じた理由を悟り、その事に振り回されたカルエゴは胃にダメージを受けた。

 

「……お宅のイルマくんですが……能力においては既に『8』ランクとなっているのが示す通り、超絶的に優秀です。それに自分のクラスや他のクラスどころか他の学年の生徒たちを楽しませ、心を掴む手法も又、素晴らしい」

 

「いやー、それほどでも」

 

 カルエゴはさっさと家庭訪問を済ませるべく、入間の事を担任として評価したそれを伝える。

 

「ただ、その超優秀な能力を無駄に使って、私を弄るのは問題かと」

 

 

「それは先生が大好きだからですよ」

 

「やっかましいわっ……それとなんでも出来るが故か元祖帰りの精神に侵入するなど無茶や無謀をする上に何でも一人で解決しようとするきらいがあります。責任や自己犠牲を一緒にしてはならない。そこは注意すべきかと」

 

「え、なにそれ、聞いてないよイルマくん?」

 

「ご、ごめんなさい……お、お爺ちゃんを心配させたくなくて……」

 

 孫を叱ろうとしたサリバンに対し、イルマは涙を流しながら謝る。

 

「あ、あぁ……ごめんねイルマ君。泣かせるつもりは無かったんだ」

 

「(ふっざけんなあぁぁぁぁぁ、この孫馬鹿がぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!)」

 

 仕返しも含めて注意させようとしたのにあっさり許したサリバンにカルエゴは衝撃を受けながらツッコんだ。

 

 

 

「ともかく、私はこれで……」

 

「いやいや、そう遠慮しないでください。お疲れのカルエゴ先生を癒すために色々と泊まっていただける準備はしているので」

 

「はあっ!? 冗談じゃぐああああああああああっ!!」

 

 そうしてカルエゴは強制的に泊まらされ、魔術で再現したバビルスの生徒時代の思い出観賞会や魔ーケストラを上回る至高の演奏会、特殊な空間で飼育や栽培している魔獣や植物などの材料を元に作った料理を振る舞う、マッサージ等々弄る事は弄ってきたが待遇そのものは文句無しに最高であったのですっごく微妙な心地になったのであった。

 

 ただ一つ確かなのは……。

 

『あいつらは嫌いだぁぁぁぁぁっ!!』

 

 入間にオペラ、サリバンはカルエゴにとって天敵であるという事だ……。

 

 

 

 

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