ウォルターパーク内に召喚された三体の巨大魔獣から客である悪魔とスタッフ(潜入していた六指衆を除く)全員を避難させた入間は自分が開発した魔具の中でも最高傑作で被れば、戦闘用アーマーを装着できる仮面を被り、その効果を発揮した。
「折角だ、とっておきを使ってやろう。ヒーローショーは派手な方が良いからな」
そして、入間の戦闘用アーマーの機能の中で魔界の悪魔における根幹を揺るがしかねない機能を発動する。
それは悪魔のあらゆる家系における特有の能力である『家系能力』を使用できるというものだ。
そして、まず発動したのは思い込みによって本来の力を最大限まで引き出すアザゼル家の家系能力『
戦闘用アーマーの機能でそもそも戦闘能力が超絶な域で強化されているのに加えてのさらなる強化である。
「最初はお前だ」
そして、三体の魔獣から最初の標的を『パンサー・ラッド』に定めると別の家系能力を重ね掛けする。
ジャズの家系であるアンドロ家の家系能力にして相手の隠し持ったものを見抜き、盗むための最短ルートを示すという『
もっとも盗むものは相手の『間合い』である。そして、一瞬にして入間の姿が消えると直後に『パンサー・ラッド』の間合いへと接近を感知すらさせることなく入り込み……。
「
入間により、数秒間に万を超える拳撃の乱打がパンサー・ラッドに叩き込まれ、その体を食い荒らしていく。柔らかい皮膚を有するために衝撃に耐性はある魔獣だが、それにも当然、限度はある。
「まずは一匹」
断末魔の叫びも許されずに『パンサー・ラッド』は破壊され、肉片すらも残さずに食い尽くされたのであった。
「グォォォォッ!!」
そんな入間へと凄まじい勢いで突進を開始するのは『マウンテン・ブル』。
「猪突猛進ってか……だが、そいつは悪手だ」
マウンテン・ブルに対し入間はリードの家系、シャックス家の家系能力である『
「!!」
五感全てを奪われていきなり、奪われてまともに動ける生物など存在しない。マウンテン・ブルは激しい混乱とパニックにより、転倒して倒れ込む。
「そのまま、倒れてろ」
そして、地面に手を置くと入間のクラスメイトであるピケロの家系、アガレス家の家系能力にして地面だと認識したあらゆる物質の状態操作が可能となる『
「グオオオオッ!?」
マウンテン・ブルの倒れている地面が突如、液状へと変化してマウンテン・ブルは沈没するかのように凄い勢いで沈んでいき、そして液状となった地面は元の状態となった。
「二匹目だ」
「ヴロロロロロッ!!」
最後の魔獣である『カーマイン・ドラゴン』が咆哮を上げて、入間へと炎のブレスを放出するが……。
「これで最後だ」
ケロリの家系、クロケル家の家系能力にして水の温度の調節、特に冷却に関する方面に働く『
「ヴォロロロ……ォォォォ……」
入間から放たれた特大の冷気が炎のブレスを凍らせ、更にブレスを辿ってカーマイン・ドラゴンへと迫るとそのまま凍結したが数秒後には崩壊を開始、そうして砕け散ったのであった。
「皆、楽しんでもらえたかな?」
『ウオオオオッ!!』
最後に芝居を演じた役者がやるような礼をするとドームに転移させられ、全てをスクリーンで観ていた悪魔たちは興奮に満ちた歓声を上げたのであった……。