とある劇場のシアター内に男女問わず、多くの悪魔たちが居た。
彼ら彼女らはウォルターパークの地下監獄こと『ウラボラス監獄』の看守を務めるウォルターパークスタッフである。
巨大魔獣が召喚され、暴れ始めた事で振動したと同時に入間がスタッフたちをこの場へと転移させたのだ。無論、囚魔たちの同士討ちに巻き込まれないようにするためと監獄に侵入している『六指衆』の被害に遭わないようにするためだ。
「こ、此処は……」
頭の両側に角が生えており、眼鏡を掛けた男が周りを見渡す。彼こそは副看守長であり、握手のトリトン。
家系魔術である『
『皆、此処は避難場所だ。今、ウラボラス監獄では面白い事が起こっているからな』
入間が皆へとアナウンスによって説明するとスクリーンに映像が映り始める。
『ウガオオオッ!!』
その映像とは入間の薬と魔術によって強制的に深い『悪周期』となり、精神誘導されて争い合っている囚魔たちの姿であった。
「囚魔たちは脱獄を考えてたようだから、そうさせないように争い合わせている。しかし、こんな醜く楽しいものも滅多にないな」
入間はポップコーンとドリンクを皆の手元に出現させながら、言ったのだった……。
二
ウォルターパーク内に巨大魔獣を召喚した『六指衆』は……。
「は、皆消え……」
魔獣が暴れ始める直前に客とスタッフ全員が姿を消した事で戸惑った。
「これはこれで好都合だ。行くぞ」
当初は大きく混乱や恐怖を招くつもりであったがそうはならなかった。とはいえ、暗躍するには十分なのでウラボラス監獄へと向かう。
『そいつらを殺せ』
入間は囚魔たちを『悪周期』にする際、六指衆に襲い掛かるように魔術をかけていた。
「アアアアッ!!」
「おいおい、随分な歓迎だな!!」
「何が起こっているんだ」
入間の指示により、襲い掛かって来た囚魔たちを蹴散らすも……。
『ッ!? ガアアアアアアッ!!』
『なッ!?』
倒した筈の囚魔が起き上がり、再度襲ってきた事に驚愕する。
「そっちが魔獣なら、こっちはゾンビだ」
入間はカララギ通りのとある建物の中で魔法陣を構成しながら、その中心にて呟く。儀式魔術による干渉で完全なる操り人形兼ゾンビに変えて六指衆を襲わせた。
「くそ、キリが無い。一体、誰が……」
力こそ弱く、倒せはするのだが倒れても倒れても起き上がり、襲い掛かってくる囚魔たちを必死で蹴散らしながら六指衆は監獄を進んでいく。
「キリヲ様はどこに……」
「おーい、ここや」
なんとか避難して隠れていたキリヲを発見し、とにもかくにも救出して必死で監獄の外を目指した。、
そうして……監獄の外へと出た瞬間……。
「待っていたぞ、この瞬間を」
戦闘スーツを纏わせる仮面の口部分を開きながら、言い何処からか出した金属片を噛む。そうしてサブロの家系であるサブノックの家系能力を発動。
超合金を噛んでいる事でそれと同質の武器である槍を
「俺からの餞別だ」
建物の中から入間は標的に届くまでの間、何物にも干渉を受けず必ず命中するというバルス家の家系能力である『一射必中』を使って黒い矢を放つ。
「づっ!? あがああああああああっ!!」
矢は建物の壁などをものともせずに透過したりして、進んでいき最後にはキリヲの肩と突き刺さり、魂すらも浸食する激痛にキリヲは激しく苦しみ始めた。
サブノックが全身全霊で作った武器は通常の何倍もの痛みを生み、小さなかすり傷一つでものたうち回り、あまりの痛みにもがき、最悪は死にいたるというものであるからだ。
「っ、逃げろぉぉぉぉぉっ!!」
キリヲを抱えながら六指衆は直ぐに逃亡を開始する。
「ああ、そうやって逃げてくれよ。頼んだぜ」
入間は嗤いながら、六指衆とキリヲが逃亡する様子を見たのであった……。