『終末日』が始まり、普段はバビルスに通う学生たちの多くも『悪周期』にならないためのストレス発散を目的とした長期の祝日を楽しんでいる。
しかし……。
「くっそー、試験突破できなかったからとはいえ、補習はだるいよなぁ」
「やっぱり、ちゃんと勉強しておくべきだったぜ」
「でも、どうしても勉強に集中しづらいんだよね。ほら、悪魔だから」
『終末日』前に行った座学テストにて残念ながら赤点だった生徒は補習を受けるのである。
もっとも缶詰のような事をすれば、生徒たちのストレスが溜まり、『悪周期』にしてしまうのは自明の理であるし、そうなれば『終末日』の目的の意に反する事にもなるので補習はそんなに長いものではない。
「だからこそ、凄いよな『問題児クラス』は……全員満点とかヤバすぎるぜ」
「それはほら、イルマ君がいるから」
「俺もイルマ君に駄目元でも勉強頼めば良かったなぁ……」
「イルマ君と言えば、昨日の見た? ウォルターパークで現れた魔獣相手に……」
「勿論。やっぱりイルマ君は俺たちとは別次元過ぎるよな」
「サリバン様の孫だしね」
自分たちの教室へと移動しながら、入間についての話をする生徒たち。そして、補習を受けようと教室の扉を開けて中へと入れば……。
「よう、皆。おはよう」
『お、おはよう……ってイルマ君っ!?』
それぞれ補習をすることになる一年の者たちはそれぞれ、自分たちの教室へと入った筈なのに全員、自分たちの普段の教室とは違う広大な教室に居て、しかも目の前の教壇では入間がいて、挨拶してきた。
「皆に朗報だ。今から皆に俺が補習をしてやろう。そして、その内容は勿論、今日一日でお前たちの補習が終わるものだ。ちゃんとお前たちが楽しんで出来るようにするから、安心してくれ。お前たちだって『終末日』は長く遊べる方が良いだろ?」
『まったくもってその通りです。ありがとうございます、イルマ様』
入間からの問いに全員が頷いたし、再度平伏するようにして感謝を示したのだった。
そう、入間……正確には分身体であるが彼は生徒たちの補習を終らせるために来ていて、しっかりと話もサリバンや教師たちにも通してある。
『入間君、ありがとぉぉぉぉぉっ!!』
補習担当の教師たちは当然、これに喜んだのである。
そして、一方で……。
「お前たちはカンニングしようとしたのが本当、駄目だからな。適度にお仕置きしながら補習をするよう、お前たちの担任、プルシェンコ先生は思ってるだろうからそんな感じで補習をしてやる。頑張れよ、ちゃんと今日、頑張れば後は遊び放題だからよ」
「いや、お前の予想やんけ……うぎゃあああああ」
カンニングをしようとしたため、即座に補習が決定したシャオロン達のそれも別に分身体を用意して引き受けているが、彼らのいる教室は次々とアスレチック染みた罰ゲームが行われるというそんな教室だった。
因みにプルシェンコは入間が補習を変わると言ったとき……。
『ありがとう、本当にありがとう……それしか言えない私を許してくれ』
いつもシャオロン達に振り回されているが故に彼が生きてきた中でも一番の深い感謝を入間にした。
「皆、お疲れさん。良く頑張ったな……後はたっぷり遊んでくれ」
『ありがとうございましたぁぁぁぁ』
生徒たちの多くが補習を今日で終わらせてくれた入間に礼を言い……。
「おめでとう、補習終了だ。後はたっぷり『終末日』を楽しむと良い」
『っしゃああああ、やったぞおおおおっ!!』
シャオロン達も入間によるキツイ補習を乗り越えた事で感極まったが故の咆哮を上げたのであった……。