魔入りましたよ 入間さん   作:自堕落無力

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七十八入

 

 『終末日』真っ盛りの魔界。

 

 

「おおう、確かになんか危険な雰囲気いっぱいだな」

 

「今までのと全然、雰囲気違いますよイルマ様」

 

「やっぱり、ヤバい雰囲気いっぱいだぁ」

 

「あらぁ、身震いしてくるわ」

 

「うぅ、まだ昼なのに暗くなってきてます」

 

「こんな場所があったとはな……」

 

「さっきまでと違って異様な雰囲気ビンビンですね」

 

 木々に囲まれた周囲だが、目の前の森林はどういう訳だか恐ろしさたっぷりの空気や暗闇が広がっていて、深淵への入り口のようなものを思わせた。

 

 それを見て、呟く入間にアリス、クララ、エリザベッタにエイコ、アメリにスモークがそれぞれ様々な要因で体を震わせながら呟く。

 

 現在、入間達は『ガヤガヤ森』という魔界においての秘境に来ていた。

 

 因みにこの森にはウァラク家、つまりはクララとその家族が住んでいる家(最もクララの父は冒険家のため、ほとんど家にいないとの事だが)がある。

 

 なのでクララはガヤガヤ森の地理に明るい、というか新参者が下手に踏み入ったりすると余裕で迷う場所との事だ。

 

「でも、奥の方はガヤガヤが強くてヤバい雰囲気たっぷりだから入るの怖いし、マミーにも禁止されてるんだよねぇ」

 

 とはいえ、そんなクララも全域を知っている訳でなく、常に元気いっぱいな彼女たち一家ですら入るのを危惧する場所があると言った。

 

「じゃあ、『終末日』の時にでも皆で探検するか」

 

 入間はそれを聞くと即決で言い、そうして今日、アクドルで忙しいケロリ以外のメンバーで『ガヤガヤ森』の全てを暴くべく、探検を始めたのだ。

 

 

 

 

「良し、いくぞ皆」

 

 入間が声を上げ、そうして先頭きって深淵の入り口へと突き進み、アリスたちが後を追う。

 

「なんだ、これは……」

 

 そうして、入間探検隊が深淵の入り口を通り抜ければ妙な色彩の空に包まれた場所、異空間とでも世界に辿り着いた。

 

 

 

「うわっはっはっはっはっ!! 久々の客だ。さあガヤガヤしようぞ☆」

 

「ガヤガヤガヤガヤガヤガヤッ!!」

 

 すると突如、どこかの部族のような格好に奇妙な文様、ガヤガヤと超特徴的な笑い声を発する悪魔たちが姿を現した。

 

 そして、歓迎しているのだろう……とても動きがやかましい踊りを踊り始め、音楽まで奏で始めた。そして入間達を置いてけぼりにして騒ぎ始めている。

 

 数にしても軽く百を超えて千人はいるだろう。それが広大な森林に囲まれた場所で一斉に踊っているのだからとてもやかましかった。

 

「……帰るか」

 

『わー、待って待って。お願いだからガヤガヤしようよ。客人来ないから、寂しいんだよぉっ!!』

 

「全然、そんな風に見えんし十分、数多いだろう!? 後、同時に喋ってんじゃねえよ。滅茶苦茶うるせえっ!!」

 

 自分たちが感じた恐怖とはきっと今のやかましさの予兆を感じた事によるのだろう、それが伝わる程にやかましさでいっぱいなのは確かに怖い。

 

 これこそ『ガヤガヤ森』の本領なのだろう。現れた先住民たちのリーダーだという者にだけ話を聞けば、先住民たちのやかましさは想像を絶する程にやばいものであり、当時の魔王を怒らせた事で戦争が勃発。

 

 結果として魔王達に敗北し、森の深淵まで追放された挙句、魔王の本気の魔術によって異空間に閉じ込められてしまい、自分たちからは出れないようにさせられてしまったとの事だった。

 

 そうして時代が流れるうちに先住民の事は忘れられ、ガヤガヤ森の恐ろしさも魔界から忘れられていったとの事であった……。

 

 

 

「まあ、やかましくさえしなかったら偶に遊びに『ありがとうございますぅぅっ、やったぁぁぁぁっ!!』だから、ガヤガヤやかましいんだよぉぉぉ。永遠に封印してやろうかこらぁっ!!」

 

 オカルトやアドベンチャー的なドキドキはどこへやら、入間はガヤガヤ森を探検しようとした事を後悔し、しかも皆に謝る程である。

 

『まあ、これはこれで凄い体験だし』と言いながら、アリスたちはガヤガヤ森の先住民の行動に疲れ果てた入間を慰め始めたのであった……。

 

 

 

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