大型カジノ施設である『デビルベガス』にて凄腕のプレーヤー三人とオーナーらと入間はポーカーをしていた。
そして、ゲームの状況は完全に入間が支配していた。完全連戦連勝している訳では無く、時にはゲームから降りたりもしているが少なくともこれといった大損害は無い。
なんならわざと降りたりしているのでは……ブタなのにオールインする程の胆力も含めて相手から自分の心の内を読ませず、疑心暗鬼にさせる。
まさに完全なる『ポーカーフェイス』を体現していた。
そうして……。
「くそ、もう良い……やってられるか」
バカラはチップがかなり少なくなったのもあり、最初にこのテーブルから降り……。
「私ももう良いわ、イルマくんのゲームを楽しんでいた方が楽しそうだしね」
ドミノもテーブルより降りた。
テーブルに残るは入間とオズワールの親戚であるダーティ、そしてデビルベガスのオーナーの三人である。
魔道具からカードがそれぞれ五枚排出されると……。
「ここらで大勝負するとしよう……俺はこれを見もしないし、変えずにオールイン、いやそれどころか俺の今持つ財産も能力も何もかもを賭ける。二人とも、この
入間は五枚の札を見ずに手を置いて宣言した。
「……くく、相変わらず凄い胆力だ。だが、乗った。俺も全てを賭けよう」
「はははは、面白い。私も賭けましょう。何より賭け事が大好きなのでねぇ」
皆、チップを放り捨てるようにばら撒き……そして……。
『勝負っ!!』
三人がそれぞれ、自分のカードを表へと返した。
オーナーの手札はダイヤのロイヤルストレートフラッシュであり、ダーティの手札はスペードのロイヤルストレートフラッシュであった。
「悪いな、俺の勝ちだ」
入間の手札、それは『7』のファイブカードであった。
「ここでファイブカード……こんな土壇場で引き寄せるとかお前、本当に何もんだよ」
「イルマ君はやっぱり、凄いわ……」
「ふん、完敗だ」
「正しく、参りましたよイルマ君」
勝負を見ていたバカラは驚愕し、ドミノは興奮しながら微笑み、ダーティは苦笑しオーナーは頭を下げる。
『やったああああっ!!』
勝負が中継されていた部屋ではサリバンを始めに入間の関係者たちは入間の勝利を喜ぶ。
「あははは、ファイブカードなんて始めて見たよ。流石だね、イルマ君は」
「あの子、本当に凄いわねぇ……って、あらら」
「(本物だ……やはり君こそ……)」
フルフル軍曹は愉快気に笑い、ゼブララも入間の能力の高さに圧倒されメフィストフェレスを見れば、彼は陶酔していた。
それはメフィストフェレスが長年に渡って生まれ直せる存在であると共に王となる者を見極め、お眼鏡にかなえば栄光のままに王になれるが、見限られれば破滅させられるキングメイカーであり、そのお眼鏡に入間はかなったからである。
「ダーティ叔父さん……」
ダーティの親戚であるオリアスは今後のダーティを想って溜息を吐いたが……。
「イルマ、君は一体……」
アメリの父親であるアンリは入間の能力の高さに驚くのであった。
「そういう訳でこの『デビルベガス』の新しいオーナー、イルマだ。みんな、よろしくな」
こうして、イルマはデビルベガスの新しいオーナーとなり、右肩には使い魔として獅子のマスコットのような姿になったダーティを乗せつつ、挨拶する。
『いえぇぇぇいっ!!』
客として訪れている者たちは歓迎するままにこの状況を楽しむのであった……。