魔入りましたよ 入間さん   作:自堕落無力

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八十四入

 人間の世界に『夏休み』があるように魔界に住まう悪魔たちにもそれはある。魔界に住まう悪魔たちが悪周期にならないよう、設けられたストレス発散の長期休暇である『終末日』。だ。

 

 とはいえ、バビルス他、悪魔の学校に通う学生の悪魔たちにはやはり、人間の世界で学生たちにそれがあるように『宿題』はある。

 

 そして……。

 

『お、終わったぁぁぁっ!!』

 

「はーい、お疲れ」

 

 入間は『魔イン』にて質問をした結果、入間の家であるサリバンの屋敷の中でクララにリード、ジャズにイクス、カイムにピケロ達、『宿題全然やってない組』の面倒を見ていたのである。因みに彼ら、彼女ら以外の者達は宿題を終わらせており、入間も当然、終わらせている。

 

「いやー、本当入間ちが居て良かったよぉ」、「お陰で無事、終わったしねぇ」「相変わらず、教えるの上手いし。助かった」、「ありがとうね、面倒見てくれて」、「助かりましたぞ、イルマ殿」、「助かったよぉ」と宿題を終えた達成感に包まれながら入間に礼を言う。

 

「気にするな。俺が好きでやってる事だしな。それじゃあ、宿題も終わったところだし海に遊びに行くぞぉぉっ!!」

 

『やったああああああっ!!』

 

 そうして入間は『宿題やってない組』も含めて『問題児クラス』の皆とアメリにスモーク、エイコとライムにアムリリスらを誘って魔界南方のセイレン島に向かった。

 

 『セイレン島』は数個の火球が空を回って、気温が高く、天気は常に晴天、きらめく白浜に心地の良い潮風という『魔界の海』にして観光地区にもなっているリゾート地だ。

 

 もっとも野生の魔獣、巨大な烏賊の怪物である『クラーケン』の群れが生息していたりもするが……。

 

 そんな場所で入間はと言えば……。

 

 

 

「夏だ、海だ、フェスだぁぁっ。今日は最高の一日に俺がしてやるぜぇぇぇぇっ!!」

 

『いえええええええいっ!!』

 

 入間はライブ会場を作ってEDMによるゲリラフェスをやっていた。

 

 それにより、セイレン島を訪れていた者達は盛り上がり、魔獣のクラーケンですらその音楽によって手懐けられ、そうして皆が楽しい『宴』の時間を過ごしていく。

 

 

「うん、やっぱり彼は……」

 

 

 周囲の者達を自分色に染め上げる入間を見て、入間に誘われていたメフィストは改めて『魔王』としての資質を見出したのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 サリバンの屋敷の敷地内には教師の寮や公園とあらゆる物品がその手に揃う『繁華街――マジカルストリート』がある。

 

「おお、サリバン様と入間様だ」

 

「こっち、見てくださーい」

 

「サインくださーい!!」

 

 マジカルストリート内で店を営んでいる物や通行人たちがマジカルストリートを歩く入間とサリバン、オペラに対して声をかけつつ、集まっていく。

 

 今日の入間は『二学期』の準備のために品物を揃えるのを口実に家族としての時間を過ごそうとしているのである。

 

「ははは、いやいや俺たち人気者だな」

 

「だねぇ」

 

「人気者の域を超えてるんですけどね。サリバン様も入間様も」

 

 呑気に言いながら、入間とサリバンは手を振ったりサインを書いたりするのに対しオペラは苦笑しつつ、言う。

 

「うーん、流石はサリバン様の孫……威風があるなぁ」

 

「後は身長が『うわっと、手が滑った』んむっーーーー!?」

 

 入間を見て評価する者のうち、身長について言及した者の口は封をされた門に変えられてしまった。

 

 その後は店を回って二学期のための教材や必要資料、服や日用品なども買い……。

 

「爺さん、俺を爺さんの孫にしてくれてありがとうな……この魔界に来て、俺は本当に楽しいんだ。自由にやらせてくれているのも感謝している」

 

「ふふふ……イルマ君が楽しんでくれているなら、何よりだよ。こちらこそ僕の孫になってくれてありがとう。イルマ君。僕も毎日が楽しいんだ」

 

 

 購入品という荷物を運ぶために馬車を用意しに行ったオペラを待つ間、会話を交わす入間もサリバンもどちらも笑顔でお互いへ感謝をする。

 

「俺さ、この魔界に来て夢が出来たんだ」

 

「それは何かな?」

 

「魔王になって、この世界に住む悪魔たちが皆、楽しく暮らせるようにする事だよ」

 

「っ、全力で応援させてもらうよ。イルマ君っ!!」

 

 魔王になるという入間の夢を聞いたサリバンは即座にそう、言うのであった……。

 

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