悪魔学校のバビルスでは全一年生を対象とし、制限時間は6666分であり、日数換算では四日と十五時間と六分までの最終実技である『収穫祭』が現在、開催されている。
自分が食べてサバイバルするための食材と競い合うための高いポイントを持つ食材を手に入れる必要があるという中々に難しい実技である。
ましてや中々に危険な植物や魔獣がうようよいるし、危険な場所も多くある森林で生きるのだけでも大変なのに直接的な争いはご法度とはいえ、騙し合いの駆け引きや魔術や家系能力においては精神を操ったりなど間接的な干渉は出来るのでそうしたぶつかり合いもしなければならないのだから、大変である。
「あーあ、俺も試験に挑みたかったなぁ……色々と揶揄い方やら遊び方とかも考えてきたのによ」
「私もお前が試験を挑む姿は見たかったが、既に超越的な『魔才』を発揮しているし、何より入間はあのカルエゴ卿を倒し、ランク【8】になっているからな。他の生徒達と実力に差があり過ぎてしまう」
「そうそう、試験にならないなら……管理側に回そうって考えるのは自然だよねぇ」
入間は生徒会が待機している本部の中でアメリやスモークの二人に可愛がられながら、『収穫祭』で競い合っている生徒たちの様子を見ていた。無論、入間が造った全ての様子を見る性能を有するモニター型の魔具を使ってである。
『収穫祭』は悪魔たちにとって命懸けの試験であるため、最低限の保護措置が取られていた。
生徒は本部にリタイアの申請をする事で試験を失格とはなるものの、試験が終わるまでを安全部屋で過ごす事が出来る。
そして常に教師と生徒会が試験での状況を見張りつつ、魔獣や特殊な能力を有する植物の被害に遭い、窮地に陥った生徒たちを助けるようにしているのだ。
そうして、一日目の夜――朝から気合を入れて判断力、体力を消耗した事で弱った生徒たちに森林の恐ろしさが本格的に牙を剥く。
『ギャオオオオオッ!!』
『うわああああッ!!』
魔獣に植物が弱っている生徒たちを襲い……。
「ばちっこんってな!!」
入間はバチコとの鍛錬で磨いた弓の技を披露しながら、生徒を襲う魔物や植物を射抜く。
「じゃあ、後はお願いします」
『はい』
そうして、入間は通信用の魔具を使って同じ魔具を装備した教師たちに指示したり……。
「ヘルハウンドッ!!」
『グオァッ!!』
魔物や植物をヘルハウンドの爪で切り裂き、牙で噛み千切ったりして直接的にも生徒を救出する。
更に……。
「……の場所、……の場所に行ってください」
魔術で会場の全域を見ながら通信用の魔具で窮地に陥っている生徒の居場所を教師に連絡する。
『やっぱり、イルマ君は試験受けてたら駄目だわ』
入間の活躍振りに『収穫祭』に参加していたら、絶対駄目だと教師たちは思うのであった。
そんな『収穫祭』の中で……。
「皆、張り切りすぎなんだよな」
とある場所を野営地としながら、目立たない程度に小さく『P』を稼いでいるマスコット姿の悪魔がのんびりとだらけて眠っていたのであった……。