『収穫祭』は最終日である四日目へ……。
最終日とあって、現在生き残っている生徒たちは若王にむけて『P』争奪のための競い合いを始めたりした。
そんな『収穫祭』の最中において……。
「もっと『問題児クラス』を……あれ、なんで私は『問題児クラス』を敵視……」
『幻燈』という外からの強いショックや強靭なる意思で対抗しなければ延々と幻覚に苦しむ事になる強力な精神系魔術であり、家系能力を使えるオロバス・ココは今まで『問題児クラス』を相手に家系能力を使ってリタイアさせていた。
現在、リタイアさせられたのはジャズとリードの二人である。
しかし、ふとなぜ自分はこんな事をしているのかと思い返し……。
「大丈夫ですよ、貴方は何も間違っていない。問題児クラスは敵なのですから」
彼の側についていた頭の上に髪の毛の一部が飛び跳ねている独特な髪型、嘲笑している口から見える歯は全て黒色となっている悪魔のオチョが後ろから囁いた。
「(それにしても入間とやらが参加しなかったのは予想外でした)」
実はオチョはこのバビルスの生徒ではない。とある者から命令されて魔術の支援を受けて潜入した邪悪な悪魔である。その目的の一つには可能なら、入間の調査と排除するというのも入っていた。
まあ、今回は『収穫祭』の参加が認められなかったので入間への干渉は不可能となったが……。
「(厄介者がいないなら、それはそれでいいでしょう)」
そう思考を切り替えながら……。
「さあ、新しい敵が来ましたよ」
木々の上に潜んでいるオロバスとオチョが見下ろす先にはクララが元気に歌を歌いつつ、森の中を歩いており……。
そして、『幻燈』を使おうとして……。
「させねぇよ」
直後、
「……ん?」
クララは違和感を感じて戸惑うが……。
「よう、クララ。ちょっと注意力散漫だぞ」
「イルマちー!!」
時間が停止した世界の中で入間がクララへと声をかけ、クララは喜びながら入間へと抱き着いた。
「おう……俺だ。そして、見な」
「あっ、敵だ」
入間がとある木々の上を指し、そこにはオロバスとオチョの姿がある。
「そういう事だ。とりあえず移動するぞ」
「うん、あれ? でもイルマちは『収穫祭』に参加していなかったんじゃ……」
「クララ、この俺だぞ」
「だね」
入間の言葉にすぐクララは納得した。
そうして一緒に歩き出し始め……。
「(見つけたぞ、後でちゃんと遊んでやるからなオチョ)」
入間はオチョが敵であると認識する。その後、入間はナフラが待機していた場所までクララと共に近づき……。
「待たせたな、ナフラ」
「ギョー」
入間に対し、ナフラは声と手を上げて答えた。
「さてと……」
そうして、入間の姿が変化を始めると彼はルビデとなり、停止した時間が動き出す。
入間は『収穫祭』の参加は認められないだろうという事を予測しており、それがために分体を出してそれを監視役として、本体はルビデとして変身し、紛れ込んでいたのである。
その事実をナフラにだけは明かして、クララを助けにいったのであった。
「さあ、もうひと踏ん張りだ」
『おー!!』
ルビデにナフラ、クララは腕を上げながら声を上げる。
一方、オロバスとオチョは……。
「あれ、ウァラクは……?」
「な、何が……」
標的にしていたクララが消えた事で大混乱していたのであった……。