入間が扮したルビデが圧倒的なP数を持って『収穫祭』を優勝した。
「しかし、面倒に過ぎる条件をクリアして、咲かせたもののがこんなんとかなぁ」
「『伝説のリーフ』……うーん、伝説感がまるでない」
変なマスコットのような『伝説のリーフ』を見て生徒達は口々に言う。
「いやー、よく言われるんですよぉ。すみませんね」
「いや、謝る必要は……ん?」
『……ん?』
ふと生徒たちはある事に気づいた。
『キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ、シャベッタアアアアアアッ!?』
「はーい、実はしゃべるんですねぇ。私」
なんと『伝説のリーフ』は喋る事が出来たので、しかも普通に手を動かしてもいる。
「いやー、それにしてもようやく咲かせてもらえて嬉しいですよ。まあ、仕方ないんですけどね。何せ条件が……」
二つのキーアイテムとなる『始まりのタネ』と『終わりの鉢』があるそれぞれの遺跡へと向かい、面白い話や幾つものゲームをクリアするという魔神からの試練をクリアするだけでなく、『虹如露』を持つ運営側に属した生徒を仲間にしなければならないのだからもう、悪ふざけとしかいえないくらいのクソ難易度である。
「本当、激ムズにもほどがあるっていう……はははははっ、いやぁもうほぼノリですよねこれ」
『(『伝説のリーフ』、めっちゃ緩い……)』
『伝説のリーフ』が笑っているのを生徒たちは唖然としつつもユルさに驚いた。
「でも、この手順に込められた想いは実にシンプルなんですよ……目先の利益にとらわれず、他者を思いやり、理不尽を楽しみ、自らの野心に従って飽きずに挑み続けられて何事も諦めない。そんなもっとも悪魔らしくない悪魔に出会いたい」
伝説のリーフはそう語っていき……。
「じゃあ、説明も終わったので最後の仕上げといきますか」
突如、伝説のリーフが自身と繋いでいる茎と分離し、浮遊すると共に風船の如く膨らんでいく。
上空高くへ浮き上がり続けながら……。
「良く戦った若き悪魔たちよ!! 新たな若王の誕生を祝し、私から君たちに褒美を与えよう!!」
そう宣言して……。
「とくと拝むが良い。魔界では決して見る事の無い……この花を!!」
『伝説のリーフ』が弾け、大量の花吹雪が舞うと……。
『凄く綺麗だ』
「へえ、桜か……」
収穫祭の森は桜の森に化したのであった。
「ふふ、いやぁ『伝説のリーフ』……確かに綺麗だねぇ」
サリバンが現れそう、しみじみと語る。
「じゃあ、このまま表彰式だ」
こうして、表彰式が始まりルビデは【1】から【3】となり、オロバスやドロドロ兄弟も【3】に昇級した。
「それじゃあ、昇級した悪魔もそしてリタイアしながらも精一杯やった悪魔たちの皆もそれぞれ、健闘を称え合おう」
サリバンは表彰式を終えてそう言い……。
「はあ、疲れた。やっぱり変装ってしんどいわ」
ルビデは皮を剥ぐようにすると入間の姿が現れる。
『………………!?』
「な……ま、待て……い、イルマ……お、お前……」
「ん……あ、やっべ。まあ良いか……じゃーん、実はルビデの正体は俺なのでしたー☆」
入間は白々しくもカルエゴへ余裕のピースを浮かべさえした。そして、今まで運営側としていた入間が光となって入間に吸収される。
「き、貴様……」
「ああ、大丈夫大丈夫。ちゃんとルビデという生徒として戸籍はあるし、通学記録もあるし優勝したのはルビデ扱いになるから、ねえじいさん?」
「うん、おじいさんが許しちゃう」
「とまぁ、あれだ……この俺に勝てると思うなよっ!!」
『だぁぁぁっ!!』
思わず、生徒たちはその場でスっ転んでしまい……。
『ま、参りましたイルマ様ぁっ!!』
入間には敵わないと改めて思い知らされた……。
「――――――」
カルエゴはショックを通り越して完全に固まってしまったのであった……。