僕の隣の席の弁慶さん(テスト)   作:bau

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どうも~かつて、にじファンで書いてたbauと申します。初めての方も知ってる方も暇であったら見てください~。

多分暇つぶしで書いた物なのでオリ主の名前とか適当なので変更するかも
ていうか続き書くかどうかはわかりません(笑)




一話 弁慶さんに会う。

 周りの声が騒音に聞こえるほど人多さと熱気に包まれ、人が密集する特有の息苦しさが水谷瑞樹の周りを包んでいた。

 

 川神学園であるSクラス編入テストの発表でありSクラスにいる奴らからすれば、この数か月汗と努力を注ぎ、いざ結果として出す正念場のようなところである。

 

「きゃー私今回のテスト順位上がってる」

 

「よかったね~今回のテスト頑張っていたもんね!」

 

「うん、勉強した甲斐あったよ~!」

 

 ――ある女子生徒の声――

 

 やった努力が報われる声であった。今回のテストでは、九鬼のクローン組が入り、より競争率が加速し、S落ちが3人も出るという事態が起きることもあって、Sクラスの中は緊迫した緊張感とひりひりとした空気が流れていた。

 

 ――勝負に負けた者はS落ち――

 

 

 ある意味Sクラスにいる連中にとっては、死の宣告を受けるに等しいものである。彼らにとってSクラスにいるということは、学園の中での言わば、ピラミットの頂点にいるものと等しい。

 自分こそが優秀であり、他はただの凡人以下の屑にしか思わない思考の連中が多いクラスでもあった。

 

 水谷瑞樹もその部類の一人であった。

 

 瑞樹はこの日のために朝登校する最中は、英語の単語を覚え、学園のに着くと昨日授業でやった数学の復習し、授業が始まれば、誰よりの早く内容を理解し、昼食時や昼休みの時間も弁当を片手に参考書を解くという徹底ぶり、非の打ち所が無い努力を費やしてた。

 

 ――努力する日々の中で彼は内心焦っていた。それは彼女の発言がきっかけである――

 

 

 

 ――常学園で3位以内でなければ即退学をする――

 

 

 それは彼女――九鬼のクローンの一人、武蔵坊弁慶の言葉である。Sクラスにとっては挑戦状ともとるべき発言。九鬼の従者部隊、川神学園の全校生徒、教師一同、全校集会で高らかに宣言をしたのである。そしてその3位のポジションにいたのは、水谷瑞樹本人であった。

 

 ――非常に舐められたものだな――

 

 瑞樹は初めそう思った。彼にとって川神学園で3位になるということはとてつもない努力をしなければとてもではないほど勝ち残れないポジションでもあった。

 

 彼は元々他の高校にいる生徒で親の都合で川神学園に転校してきた。

 

 前の高校では毎回テストでは1位を取っており、負けなしの学生で全国模試では常に上位に食い込むほどの実力者。だが川神学園に来て彼は屈辱を味わった。

 

 

 

 1位 葵 冬馬 2位 九鬼 英雄

 

 

 この二人によってである。彼らの実力に瑞樹は壁を感じていた。とても超えることができない壁。

 

 何度もくるテストでどうしても彼らに勝てない。そう思い、諦めそうになって時期に合わせて九鬼のクローンの話がちょうど重なる。

 

 

 ――いつもより調子はよかった――

 

 普段以上のコンディションであったし、慢心なんてさらさらするつもりもなかった。

 自分の全力の中の全力を出し切ったつもりでもあった。実際結果を見て見れば――

 

 

 1位 葵 冬馬 2位 九鬼 英雄 3位 武蔵坊弁慶 4位 水谷 瑞樹

 

 

 

 1位と2位はほぼ満点の状態であったが、瑞樹にとってもトップを取れるくらいの自信があったが、結果は誰が見ても明らかだった。

 

「さすがです☆ 英雄様~!!」

 

 メイドをした格好の女性の声、周りのざわめく声、瑞樹にとってはとてもではないが聞こえる声でもなかった。

 

 ――負けたのか――

 

 点数を見てみると3位と4位の間は僅差でギリギリで負けていた。多くの雑音の中でけだるそうな声が聞こえた。

 

「危ない危ない――もう少しのところで4位になりかけた。」

 

「――姉御、この先こんなギリギリな点数取ってたら次には抜かれちまうぜ?」

 

「だ、大丈夫か? 弁慶? 初めの方から弁慶がいなくなると義経も困るぞ!」

 

「くッッッ! 義経ったら可愛いこと言っちゃって!!」

 

「ふゃにああ!!」

 

「あ、姉御ォォ! 義経をハグしながら俺にアイアンクローはやめてくれッッッ!」

 

 弁慶は義経と呼ばれる女性を後ろから抱きしめ、鋭い目をした男性の頭を片手で掴み

 リンゴのように潰している。周りもその状況を見て若干引き気味だ。

 

 

 瑞樹はそんな状況にも目もくれず、半ば放心状態のままゆらゆらと歩きその場を後にした―――。

 

 テストの結果が発表された次の日

 

 Sクラスではある噂が流れていた。

 

 ――水谷瑞樹の4位転落、武蔵坊弁慶の3位――

 

 1位から3位まではある意味規定通り、今後どのようなテストが来たとしても決して変わることがないとまで言われていた順位が今回のテストが切っ掛けで崩れたからである。

 あまりのショックで瑞樹が学園に来ないのではないのかと噂になるほどでもあった。

 

 

「おはよう」

 

 扉を開けてからの水谷瑞樹の第一声であった。Sクラスのほとんどが驚いた顔を見せている中でまるで何事もなかったように自分の定位置の席に座る。

 

「今回は残念だったな」

 

 どよめくクラス、その中で禿げた頭を持つ青年井上準が声をかけてきた。

 

「なんのことかな?」

 

「またまた、とぼけやがって今回のテストだよ。僅差で負けてたじゃねぇか」

 

 井上準は呆れた顔でいうと瑞樹は苦虫でも噛んだかのような表情を浮かべる。

 

「あ――あれは僕が油断してただけだ。いつもより調子も悪かったし、たまたまテスト範囲で浅いところが多く出てきて悪かったんだ。たまたまだ! たまたま」

 

「水谷は普段、無表情なのに嘘がつくのが下手だな。誰が見てもバレバレだぞ?」

 

井上は苦笑いを浮かべながら言う。自分のどこを見て嘘がばれたのであろうかと考えていると二人の間に割って入ってくる優男が一人。川神学園2年生トップ君臨しイケメン四天王とまで言われている葵冬馬がしゃべりかけてきた。

 

「二人で何を話してるんですか?」

 

いつも笑顔で対応してくる葵冬馬に対して、まるで氷のように冷たい視線交わす水谷。

 

「なんだっていいでしょう。 葵さんと特に話すことはないのですが?」

 

「おやおや、冷たいですね。私も会話に混ぜてくれませんか?」

 

「あまり、馴れ馴れしいと女性に嫌われますよ? 葵さん」

 

 水谷にとって頑張っても取れないトップを何度もなく取っている葵に対して嫉妬という感情がどうしても外れない。

 

そしてどの人間に対しても笑顔で対応している葵冬馬。何を考えているか分からない奴に対して水谷は苦手意識を持っていた。

 

 

 

「水谷くん、私が愛読してるいい参考書あるんですよ。良ければ放課後、喫茶店でも行きながら一緒に見ませんか?」

 

「学年1位が愛読してる参考書か――どんなものですか?」

 

「こらこら若、ナチュラルに口説くんじゃありません。水谷も乗るんじゃない若に真剣で食われるぞ」 

 

その時、周りが一層騒がしくなったのを耳にする、Sクラスを包んでいた空気が変わった。

 

「はい~はい~注目~一瞬でいいからおじさんを注目してね」

 

前方の扉が開かれ、気だるそうにしている中年教師、宇佐美巨人が入ってくると同時に後ろから高校生にしては凛々しいと一言が当てはまる女性――平安時代の世を生き抜いた源義経。

 

義経とはまた違う意味で高校生には見えない、大きく前に第二ボタンまで開かれた胸元。

 

他の人よりバサバサとした髪、それにしても艶があり彼女の色っぽさを醸し出しているようだ。

 

左手には大きな真っ赤な瓢箪(ひょうたん)に右手には杯その中に並々と注がれている川神水。

 

源義経の相棒でもあり女房役でもあった武蔵坊弁慶である。

 

それが彼女と瑞樹の最初の出会いでもあった。

 

 

「彼女が武蔵坊弁慶か」

 

淡々と言葉にする瑞樹。

 

「どうした? 水谷。俺にはよくわからんが、お前もあの弁慶に興味とかあるけ?」

 

呆れ顔でいうハゲの後ろから白い髪をした女性がハゲの頭をパチパチと叩く。

 

「準はいつまでたってもロリコンが消えないよねーそんな僕からお仕置きだーー」

 

「こらこら、人の頭をペチぺチ叩くんじゃありません」

 

そんなやりとりを横目に瑞樹は普段出さない熱い目線を弁慶に送る。

 

「いや、興味なんてないさ。ただ僕があんな格好をした奴に負けるなんてちょっと油断したとはいえムカついてきただけさ。」

 

 

「妬けますね。水谷くん僕が今度勉強を教えてあげますよ。夜の勉強と一緒に――」

 

「結構です! 勉強は自分でやるものだ。他人に教えてもらえるほど落ちぶれていませんよ。葵さん! 今期末にあるテスト覚悟してた方がいい。今度こそあなたを抜いて僕が一番になる。葵さんだろうが、弁慶だろうが僕は負けやしませんよ」

 

「その言葉聞くの――かれこれ10回以上なるんだが」

 

「うるさいぞ! 井上! 僕より成績低い癖に口答えするな!」

 

「おい! どこ行くんだよ」

 

「ここにいると周りがうるさくて勉強どころではないからね。図書館で勉強していくよ。」

 

瑞樹は参考書とノート片手に席を立ち、教室を出ると同時にやたらとガタイが良い男――

島津 岳人が2-Sの教室に入っていくのを確認する。その後からぞろぞろと人だかりができいている。

 

 

「なんで2-Fのゴミが2-Sに入って来てるんだ?」

 

不審に思いながらも瑞樹は図書館へと足を進める。

 

 




ヒロインは葵くん(嘘)
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